ガルシア戦記

千山一

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第6巻 巨大、メビオス王国

第4章 魔王決戦No.2

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“ピチョン、ピチョン、ピチョン……”

冷たい壁、硬い床、無情と思える鉄格子。
ここは“バロス城の地下牢屋”。
クリフォトの意向により観光化が進んでおり、改装して以来、滅多に……いや、全くといって良いほど使われていないのだ。

「クソ……なんで俺が……」

“そう考えるだけでムカムカする…”
俺は“ゴロン”と横たわりながら反対方向へ向いた。

「あー考えだけでムカムカする!明日のことを考えよ!」

ーーーシーーーン

よく考えたら1人悲しくなってしまうので明日のシュミレーションをする。
まずは最低でも2人の護衛がつき、城から離れた場所に輸送する。
(話によると“監獄は厳守すぎて脱獄が無理!”ということなので移動中に脱走しようと思う)
その輸送中、城の真下には池があり
“観光客は思いっきり楽しんでナンボ!”という配慮から警備員が少なくなるため、軽々と脱走できる寸法だ。

「なにブツブツ言っておる……気持ち悪いのう」

俺は聞き慣れた声に咄嗟に身構える。

「この裏切りもんが!!!」

そう、そこのに立っていたのは“シルバードラゴン”だ!
シルバードラゴンは“裏切りもん?Why?”というような顔をしているがそれは問屋が下さない。

「警備兵が駆けつけた時“ガウガウ”って言って、牢屋行きを免れたのは何処の誰かさんでしたっけ?」

俺は皮肉を言いながら分かり切った質問をするが、シルバードラゴンも“はて?誰かのう?”という、すっとぼけた顔をする。

「お前だよ!!もうアンタとは2人組む気にはなれない!1人で行動する!」

“フン!”
という態度をとる反面、心の内には“半泣きになって命乞いをする”と予想したが予想どころか予想の斜め前にきてしまった。

「ほぅ…1人で行くのもよかろう…それも人生の選択じゃ。
今脱獄になると、この城はガチガチに固めておるが、それでええのか?ちなみに唯一の脱獄突破のカギが“池”と思っておるが…池はもう無いぞ」
「ゴメン。許して下さい」

俺は即座に土下座した…何故なら、プライドという漢字は何処にも無いからだ。
“生きていれば、いつか良いことが起きる…”

「うむ、よろしい。ちなみにクリフォトの所まで行ってのう…」
「おい、ちょっと待て!クリフォトはいなかったんだよな…」

俺は“ドッ”と汗をかいた。
何故なら俺の計画なら少ない人数でクリフォトを討ち取る計算なのだ。
だから余計なことをしてはいけない……。

「ワシもそこまでアホではないわ……ただ、ワシも置き手紙をしようと思ったんじゃ」
「アンタ、アホか!!!!!」

俺はシルバードラゴンの後頭部を目掛けて思いっきりスイングをする!そしてシルバードラゴンの後頭部は思いっきりヒットし、端から端まで綺麗に飛んでしまった。

「何すんじゃ!ボケ!!!」

ちなみにシルバードラゴン対策として、炎を吐くパターンもあることを予想して思いっきり近づいた…のは良かったのだが、シルバードラゴンの右足のカウンターを思いっきりヒットしてしまった……シルバードラゴンは軽くて良いと思うのかもしれない…だが、シルバードラゴンの鱗は硬くて痛いのだ。

「……その置き手紙、なんて書いてあったんだよ?」

俺はシルバードラゴンのカウンターで思いっきり仰向けになった。
そして、なぜかカウンターに食らったことに対して冷静になりつつ、頭がフル回転してしまう…だが嫌な予感はすればするほど嫌な脳裏に浮かんでしまう.…。

「フン!
“アンタを倒しに来たんじゃが居ないようなので、ここに手紙をする……アホ魔王:デビルガゼル、ナンボのもんじゃい!”と書いてきたのじゃ」
「…….…」

“あぁ、終わった…終わってしまった”
最初からそうだよ!俺も“シルバードラゴンなら安心”という気持ちはどこかにあった。
けど、ここまで“イケイケ!ドンドン!”の悪魔のような存在だったとは…。
俺は初めて“シルバードラゴンという存在がサイコパスだと知ってしまった。
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