ガルシア戦記

千山一

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第1章 プロローグ

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「ザクッザクッザクッ…」

灼熱の炎天下。

360度の見渡す黄色砂。誰一人姿を見せない…ここは「ゴビール砂漠」広大な砂漠であり、時には穏やかな風(炎天下ではあるが)、時には突風のような風でシロートでは越えられない、死の砂漠である。

「おーい、ガルシア、生きているか?」

砂混じりの汚いレーザーアーマーをまとい、疲れ気味の男は呆れていた。

「…大丈夫。マッシュ。もう少し休憩したら、動き出すから…」
「いやいやいや、そのまま死ぬから…どっかで休憩を取るか、このまま掘って夜の時間に動き出そう?」

このマッシュはゴビール砂漠において手慣れたものである。それもそのはずゴービル砂漠は子供の時から庭のようであり、何が良くて何がダメなのかを熟知していた。だからこそ、ゴビール砂漠に入る前に止めておけば良かったと後悔している。

「ん?…よく見たら町が見えるぞ!」

ガルシアは一瞬で輝かせ、子供のようにハシャいだ。

「ば~か蜃気楼だ。蜃気楼はこの砂漠では、よくある所だ。それを信じて何人もの人が犠牲になっている。だから信じるな」

マッシュは一応警告した。
「…聞かないけどな」

「いやいやいや、本物だって!確かめに行くわ!」
「あっ!」

ガルシアは言い終えるより先に走り出した。
まぁ、疲れて倒れるだろう…「どこから、間違っていたのだろうか?」頭の中で思い出してみる。

ーーーー

俺、マッシュはガルシアと話し合い、ゴビール砂漠に入る前に近くの街に寄り、業者と交渉して船を譲り受けた。
この船「砂漠なのに何でなんで船?」と思われるかもしれないが、この船特殊な船で砂漠と船が往き来できるように魔法を使っているのである。だから、歩くよりも数倍早く行くことができる。

「砂船もゲットできたし、夜にでも出発しよう!」

マッシュは「準備万端!」という気持ちで胸を張った。

「え~!!!今すぐ行こうよ~」

ガルシアから見ると、すぐ出発しないのは凄く不満らしい。

「いやいや、無理でしょう?ゴビール砂漠をなめてたらいかんよ!
ゴビール砂漠って年間数万人が行って帰ることが出来ないし、帰ったとしても精神で病んでいくらしい…それぐらい恐ろしい所よ」

マッシュは何としてても、説得しようと試みる。しかし、ガルシアは動じない。

「俺たち、冒険者だぜ?冒険者がそんなリスクと取ったって面白くないでしょう!
冒険者だったらリスクよりワクワクを取る!」

ガルシアは「グッ」と拳を握り締めた。そして、ガルシアの様子を見て再びため息をついた。

「…分かったよ。すぐに出発しょう。ただし、一つだけ条件がある。もし船が壊れてしまった場合は問答無用ですぐに引き返す。しかも、リスクが低い夜に歩いて帰還する。それだと時間が掛かるかもしれないが、死んだ方がマシだからな」

マッシュは条件をつけて同意した。
「…まぁ、そう思うのも分からんでもないからな」それぐらいマッシュは、テンションが上がっていたのである。

「よっしゃ!早速、準備しよう!」

ガルシアとマッシュはゴビール砂漠にすぐに行けるように砂船の準備をする。
砂船には一週間分の食料、水が常時されていた。特に水な砂漠において凄く貴重なため、少しずつしか飲まないといけないから注意が必要である。

「こ~ら!水は飲まない!」

ガルシアは「ビクッ」とした。「水は必要」とした矢先にこれだ…マッシュも呆れ返る。

「いや~暑いなぁ…と思って…少しぐらいいいだろう?」

ガルシアは一気に飲み干した。マッシュもこれ以上は何言っても聞かないと思い「もう飲むなよ」と一言だけ言っておいた。

さぁ、ゴビール砂漠の冒険の始まりである!


ーーー1週間後

ゴビール砂漠の冒険を始めたテンションはどこに行ったのやら、ガルシアもマッシュの二人は無言で作業していた。

「…つまらん。つまらんぞ!まだ、町は見えないのか?!」

ガルシアは大声で叫んでしまった。

「大声を出すなや。大声出すと体力が無くなるぞ」

マッシュはガルシアに対し苦言を呈した。

「だってさぁ!もう1週間だよ?1週間!そろそろ着く頃だと思ってみたら、まだ半分!!泣きたくなるわ!!」

ガルシアは半分泣きそうな声で言った。

「そりゃ、ゴビール砂漠の恐ろしさよ。ゴビール砂漠は凄く遠い。しかも炎天下。どんなベテランでも歩くのに苦労する。ましてや、シロートとなればなおさらよ」

マッシュは淡々と舵を切る。そして、ガルシアというとまだ不慣れなのか、マッシュに触らせてもらえない。

「あの~運転、代わろうか?」

ガルシアは運転には興味深々である。マッシュも疲れたのか、水を飲みたい気分である。
そして、後半にはいくつかの難所があるが、まだ半分である。今、満足すればギャギャ言うことはないだろう。

「…分かったよ。ちょっとの間代わるよ」
「よっしゃ!じゃ、代わって!」

ガルシアはワクワクした感じでこちらの方を向いた。

「ちょっと、待ってな。基本的な操作を伝えるわ」

ガルシアとマッシュは真剣に基本的な操作を伝えた。そして、次はガルシアの番である。少しドキドキするが真面目に操作する。
「これぐらい、真剣だったら苦労しないだろうなぁ」とマッシュは感じてしまう。

そして、数時間後、そろそろ交代の時間である。

「おい、ガルシア、そろそろ交代の時間だ。交代するぞ」

とマッシュは手を伸ばした。しかし、ガルシアは動こうとしない。

「ちょっと待って!今、乗っているんだから、このまま走らせて!」

ガルシアもワクワクしながら操作をしている。そして、マッシュも「経験上これ以上操作していても事故に繋がる」と思い、苦言を呈する。

「もう代われよ。これ以上操作したら事故に繋がるぞ。ほれ?」

マッシュは手を差し伸ばした。

「…嫌だ」
「えっ?」
「だから、嫌だ!っつてんの!」

ガルシアは最大速度のスピードに上げた。マッシュもそれに驚き転げ落ちる。

「分かったから!分かったから!もう代わらない!だからスピードを落とせ!」

マッシュも慌てて懇願した。

「本当に?」

ガルシアも目をウルウルしながらこちらに向ける。

「分かったから!前を向け!…あっ」

猛スピードに走っている砂船は突然、宙を舞う。訳も分からず砂船から飛び出してしまった…。
後から分かったのだが砂漠の絶壁を乗り越えてしまったのだ。だから、宙を舞ってしまったのだ…こちらの落ち度である。

マッシュは「今、体は痛くないのか?」と確認をする。「どこも痛くない…」と安心をした。
次は砂船と食料だ。砂船は全滅…見事にバラバラであるが肝心なのは水である。水は飲まないと生きてはいけない。水の確保が急務である。まぁ、無惨で飛び散ってしっとりしていた。
今、あるのは水に備えつけてある袋のみである。

「……ゴメン」

ガルシアも「悪いことをしたなぁ」と思い、反省の顔をしていた。マッシュも怒りで頭が変になりそうであったが「ここで怒りをぶちまけて何の得もならない」と思い、冷静になって頭の中で考える。
「今、ゴビール砂漠の中間地点。帰るのも地獄、行くのも地獄…だったら、行く方を選択する。ここで野宿をして体力を温存し、夜から活動しよう」と思い、ガルシアの意見を尊重しつつ、提案をしていた。
そしてガルシアも悪いと思ったのか、渋々、それを了承する。

で、今の状態に至る…。
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