ガルシア戦記

千山一

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第4巻 新世界へ

第4章 バロン帝国決戦No.1

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ーーヴァレリー王子視点

「オヤジ!どういうことですか!?」

“バン!!”と机を叩く。
ここはバロン帝国城プライベート室。このプライベート室は、どんなに騒いでも、どんなに密室な会議をしても聞こえないという『プライベート室』なのだ。しかも、このプライベート室は秘密部屋が隠されており、郊外からバロン城へと辿り着くシステムになっていた。

「コラ!ワシのことを“王”と呼びなさい。“王”と!」

アレサンドル3世は親子には甘いのか、嗜む程度に済ます。
だが、ここは親子の2人だからこそできる事なのだ。バロン帝国のしきたりにおいて、たとえ親子であっても“オヤジ”と呼ぶことは、まずない。もし、口が滑って“オヤジ”と呼んでしまったら即効、打首ものである。

「ゴメン…えっと、アレサンドル王!どういうことですか!?」

“3世はないんかーい!”と顔をしたが、王と呼んでいたので“良し”としたように感じた。

「まぁ、待て。当初、お前のルールに従って黙っておいたのだが、よくよく考えたら、あの女…クリスティーナと言ったかのう、位は中堅で居ても居なくてもいいじゃが…軍の所属。アジカで死んでも第2の妻として大義名分ができる。それとバカだし…おまえの離婚と保留を天秤にかけたら“保留”の方に傾いたんじゃ」

アレサンドル3世王も不敵な笑みを浮かべた…それはそれは“おぞましい”ほどに…。
俺も頭の回転を高速回転にした。そして、結論を出す。
“…確かにアリですなぁ”
俺も不敵な笑みが溢れた…。

「フ、フ、フ、お主もワルよのう」
「お代官様も……って、ワシが王じゃ!」

“さすが!老人の割にフットワークが軽い!”そう実感した俺は次の展開に頭を巡らせて相談する。

「なぁ、オヤ……いや、アレサンドル王。今からでも人材の募集と訓練をした方が良いと思うけど…どう思う?」
「ウム、さすが、歴代1、2争う頭の良さじゃ!では、クリスティーナがバロン帝国を出航した瞬間から人材を集めよ」

アレサンドル3世王は勢いよく立ち上がり、行動を加速していった。
さすが、アレサンドル3世王!思い立ったら、すぐに行動するのである。


ーーーガルシア視点

「町の外れに共同で出来る学校部屋を作ろう!」
「ウム、それは良い考えである」

俺は“………”と、しらけ気味で眺めている、、、
ここは町の中心の会議で俺達の代表とアジカ大陸の住人の代表が少人数ながらも多くが参加している。
“確か…今朝会った時、夫婦の如く仲睦まじいと感じたよなぁ、、、”
俺は頭の回転をフルに高速してみる。確か、2人が初めて会った時、そんなに仲が良くなかった。だが、今朝会った時はどうだ!!
10数年のコンビみたいだ…これじゃ、つけ入る隙がない。

「まぁ、良いではないか!1番懸念していた民族間対立はなかった訳じゃし」

シルバードラゴンは“まぁ、まぁ”という感じでガルシアの肩に乗った。

「……でも、さぁ、ちょっとは民族間対立はあってもいいんじゃない?
“2人は対立しあって歪み合い…すると、ガルシアが2人の仲を取り持つべく登場!”
みたいな感じで」

“はぁ…”とシルバードラゴンは大きなため息をついた。ガルシアも“ムッ”としてコチラへ向いた。

「おぬし、ちょっとは考えてみい。新大陸で右も左も分からん人間が原住民の人間との対立をしようと思うか?ちょっとは我慢すると思うやろ。それがこの結果じゃ」

“それもそうだ……2人が仲が良くてバンバンザイ!、、、なんだけど、なんだけどさぁ!何かが足りない!”俺は天を仰いだ。

そして、この2人の共通点が上司の“愚痴”ということを、まだ誰も知らないのだ。それが2人の同じ方向に向かわせる要因になったのだ。

「本当、良かったですね」

“ヌルッ”と突然現れたのはアジカ大陸の神、アテンだ。アテンは2人の姿を見て“ニコニコ”していた。

「うぉ!ビックリしたアテンよ!驚かすではない!」

“はっはっは”とアテンは笑い、コチラへ向いた。

「いや~ゴメン!ゴメン!…しかし、この2人が仲が良くなって強固な町を作れそうだ…コレで1か月後のバロン帝国大戦が楽しみですね」


ーーーーーピキッ

その場の雰囲気が氷つく。
アテンも“ん?やっちゃた?…”という雰囲気でタジロッてしまう。

「……えっと、、、この情報って本当ですか?」

顔を引きずらせている戦闘集団のアジカ大陸。まさに百戦錬磨といったマッドだが、こればっかりは顔を引きずってしまう…。

「……えっと、、、この神託を受けたのは1週間ぐらい…って、アレ?言わなかったけ?」
「……はよ、言わんかいボケ!!!!」

ゼットが絶叫の如くツッコミを入れる。俺も“ウンウン”と同意する。
“ゼットよ。なかなか良いツッコミだったぞ!”
【キラン!】
俺の目が光る。

「えっ?僕悪いの?ターケン、どうしょう?」
「…それは看過できません、、、」

涙目で見つめるアテンがターケンの方へ向く。そして、ターケンは“申し訳ございません。反省して下さい”という顔でアテンの方へ向き直した。

「あぁ!文句を言っても時間の無駄だ!えっと…1週間前に神託を受けたんだから…3週間!
3週間、バロン帝国対策を進めるぞ!」

こうしてバロン帝国対策の会議が始まった……始まったのだが、神託を受けたアテンは蚊帳の外だった。
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