5 / 7
時間はいまから
しおりを挟む1週間ほど経ち
久々に学校へ行くと
変な目で見られるようになっていた
廊下ですれ違う同級生
クラスメイト
昼休みご飯を食べていた友達が
俺を避けている
自分の席に着くと
机の中には
教科書がボロボロになり
何かがいっぱい押し込められていた
いつも一緒にいた友達が1人近づいてきた
「聞いたよ~
2年の死んだ先輩ゲイだって
あの先輩とお前もよくいたよなぁ
お前あの先輩と付き合ってたとか?
お前もゲイだったりして…」
「それで何が悪い?男が好きで何が悪いの?」
ここ最近の怒りが爆発して
思わず全部をぶつけてしまう
みんななんで否定する?
誰を好きだなんて関係ないだろ?
仮に先輩が好きでもお前たちになんの関係がある?
「気持ち悪い…」
そんな言葉いっぱい聞いたよ
痛くも痒くもないね
「俺らも狙われてたわけ笑笑
近寄んなよ ゲスホモ」
「俺だって選ぶ権利ぐらいあるし
誰がこんなゲス男好きになるか
男全員が好きと思うなよ?」
これは終わった…
消えたい
昼休み
ゆうすけ先輩にご飯に誘われて
生徒会室へと向かう
よかった
どこで食べようか困っていたし…
「昼は兼悟と2人でここで昼食べてたんだよ。」
悲しそうにゆうすけさんは言った
一番辛いのはゆうすけ先輩なのに
「あと少しで学年が上がって3年になる
みんな受験だし俺はどうにかなるけど…
柚鈴は大丈夫?」
私の心配をしてくれる
クラスでいきなりハブられたなんて言えない
「私は大丈夫ですよ。」
「そっか、よかった。」
それからいじめが始まり
なんて醜い奴らと思った
誰かに影響するわけでもないのに
考え方が違うだけで異物扱い
逃げたくて学校行くのをやめようと思っていた頃
お昼に
ゆうすけさんとご飯を食べていると
「俺さ、兼悟が医者になるって夢叶えようと思うんだ
あいつさ、自分たちは心と体が合わないことを
ちゃんと説明したくて医者になりたいって
言ってたんだ。そして、同性愛も変じゃないことを
説明して、俺たちみたいな人たちが受け入れられる
世界を作るんだって言ってた。」
「兼悟さんらしいですね。」
「うん…」
兼悟さんだって頑張ってる
俺も頑張らないと
誰も悪くない
考え方の違いだし
一時的なものだ
それから一年後
兼悟さんは卒業した
その年に大学には合格できなかったが
浪人してアメリカの医学部に行くために勉強していた
いじめがなくなることはなかった
そして、4月から祐希がこの高校に入学することになり
学校に行く意味も
祐希にいじめられてることが知られるのも
いじめに巻き込むことも嫌で
学校に行かなくなった
4月になり
すぐに祐希に学校に行ってないことがバレ
家に押しかけてきた
振られ言い争った後から
長くあってなくて気まずかった
コンコン
「ゆうちゃん…ごめん
僕バカでごめんね」
高校デビューなのか?
久々に優しくゆっくり口調の祐希
いつものガツガツした感じと違う
「会うのも嫌なのもわかってる
僕のせいで学校がいけないのも…
これで最後だから
さようなら」
祐希のせいで学校に行けないわけではないし
私もあの時、余裕がなくて
言い合いになったけど…
心の整理はついた
気持ちはまだ知られてない
私が閉じ込めれば終わり
謝れば
幼馴染のただの喧嘩
また、一緒にいられる
拳を胸に当て
「もう終わり、一緒にいれるならいいじゃないか
受け入れられないこともある
これが最後のチャンスかも…」
ドアノブに手を伸ばし
「」
ゆっくりと開ける
「ごめんなさい」
祐希は目に今にも溢れそうなほど
潤ませ
「よかった」と微笑んだ
「幼馴染に戻ってくれる?」
祐希は人が変わったように
優しさが出ていた
柚)「当たり前だよ」
祐)「仲直りの印にさ、パンケーキつくらない?」
柚)「珍しいね、甘いものなんて」
元に戻れてよかった
それからも高校は行けず
先生の配慮もありあいつらとは関わらず
出席日数を満たしなんとか卒業した
それから1年が経った頃
ゆうすけさんから連絡が来た
「柚鈴元気?」
「元気だよ」
「今何してるの?」
ニートなんて言えない
就職も受験もせず引きこもっていた
「フ、フリーターかなぁ アハハ…」
「フリーター?柚鈴はてっきり大学かと思ってた」
「忙しい?」
「ま、まぁ…」
「1週間後空いてない?」
「か、確認してみる!」
何もない予定に
探すふりをして
「何かあるの?」
「一緒に行きたいところがあって
一緒に行ってくれないか?」
緊張感のある口調に気になり
「あ、予定空いてるよ」
そう返事をした
「よかった!1週間後9時に迎えに行く!
準備しといて」
「どこ行くの?」
「ついてからの楽しみに!」
「わ、わかった」
なんだろう…
1週間後はすぐにきた
ピンポン
「おはよう!」
「お、おはようございます。」
「よし!行くか!車に乗れ」
2時間ほど車に揺られ
海沿いの道を通り、少し山に上がっていき
車は止まった
ゆうすけさんは花束を持ち
ついてこいといい
森の中の階段を抜けて上がっていく
少し高台で海が見えるお墓だった
吐田家と彫られた石があり
2人でそこの前に立った
「なんでここを知ってるんですか?」
「兼悟のお姉さんに教えてもらった
両親が頭が硬い人でごめんなさい。
葬式は無理だけど、お墓は教えられる
と思うからって
次会う時は胸を張って会いたくて1年かかったけど
あと柚鈴にも聞いて欲しくて
一緒に来てもらった」
「俺は!兼悟の目指してた大学に合格した。
医者になってやる」
「おめでとうございます
来年からアメリカですか!?」
「そう!兼悟も一緒に来て欲しい」
ゆうすけさんは満面の笑みを兼悟さんに向けた
「そして、柚鈴お前も夢を見つけろ!」
「え?」
「柚鈴のお母さんから聞いた…
いじめられて引きこ持っているんだって?
気づいてやれなくてごめんな
俺たちはなかなか受け入れなれない
でも、俺たちの存在を知らせることはできる
俺たちみたいな人も生きやすい世の中のために
俺は頑張りたい!
だから…」
「そうだよね。兼悟さん、ゆうすけさん
私も頑張る。心も整理もついたし、
今できる気がする。」
「よく言った!」
ゆうすけさんにくしゃくしゃと撫でられて
少しくすぐったかった
それから性別と体の研究をするため
一年勉強し専門で研究している教授がいる
大学に入学することがでした
それから大学卒業後
性転換の仲介する仕事に勤め
祐希に誘われてカラフルサポートにきた
結婚式が終わり祐希を家に残し
会社に来たが気になる…
急いでいる仕事をこなし午後早めに
終えて家に向かう
ピンポン コンコン ガチャ
「祐希いる?」
返事がない?
「おい!祐希いるか?おーー」
焦って寝室に向かう
いない
私の部屋のドアが少し空いていた
中に祐希がいて
床に倒れていた
「おい、祐希!息してない」
き、救急を呼ばないと
それから搬送され
医者からは状態を聞かれたり
バタバタして
やっと息を引き返し
静かに寝てる
外は暗く
冷たい祐希の手を握りながら
どうか目覚めてくれと願った
医者は目覚めても一度心配停止をしている
のでなんらかの後遺症が残るかもしれない
と言っていた
でも後遺症が残ろうが生きていてほしい
それから1週間後
「甘井さん、今日目覚めない場合
死の可能性を頭に入れてください。」
心配停止で生きているだけでも
奇跡なのはわかってる
「祐希!ねぇ目を覚ましてよ…
ごめん…おいていって
一緒にいてあげられなくてごめん
酷いことを言ってごめん
まだ伝えたいこともいっぱいあるんだ
だから、目を覚まして… 」
幼少期からのことがフラッシュバックする
楽しかったし
愛しかった…
「言いたいことってなんだよ。」
「え?起きだぁぁー」
祐希は私を見て微笑んだ
嬉しくて抑えられず抱きしめる
それから2度目のキスを交わす
どんな君でも愛してる
生きているだけでいい
退院後
「よいしょ、これで荷物は最後かなぁ?」
「うん、ありがとう」
「お帰りなさい」
チュ
柚鈴は俺を抱きしめてキスをした
「ただいま」
「大好きだよ」
ゆうはあれから現れなかった
なぜ、2人は入れ替わったのかいまだに謎だが
ゆうのおかげで祐希と恋人になれた
ゆうは純粋で素直になる大切さを教えてくれた
0
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
花村 ネズリ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
happy dead end
瑞原唯子
BL
「それでも俺に一生を捧げる覚悟はあるか?」
シルヴィオは幼いころに第一王子の遊び相手として抜擢され、初めて会ったときから彼の美しさに心を奪われた。そして彼もシルヴィオだけに心を開いていた。しかし中等部に上がると、彼はとある女子生徒に興味を示すようになり——。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる