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2人の大切な
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家の前まで手を引かれて
少し惜しい気もしたが
さすがに情けないと思い手を離す
次の朝
何もできない
学校へ行ってももう兼悟さんはいない
受け入れるのに時間がかかった
ご飯も喉を通らず
動けなくなった
お母さんは変だと思うだろうなぁ
まだ葬式に行ったことも言ってないし
でも、私が落ち着くまで待って
そんなことを思っているとまた思い出して
涙が溢れる
夕方
もう枯れ果てるくらい涙を流した頃
部屋のドアがなる
コンコン
「柚鈴?起きてるか?」
祐希?予想外な人がすぎて慌てて布団に潜る
こんな顔見せたくない
「…」
「開けるよ」
どうしよう 入ってきちゃった
祐希はベットに背をお掛け座った
「柚鈴お前、兼悟さんのことが
好きだっただろ?」
「え!?」
なんでそんなことを聞くのか
アホなんじゃないかと思い、心の声が漏れる
そんな意味もわからないことを言われ
イラつき早口に1人で
兼悟さんが好きと言う私の理論を話してくる
「気持ち悪…」
最後の一言に
葬式のあの言葉が重なる
お前も拒むのかよ
私の中で何かが割れて弾けた
「そうだよね…笑」
兼悟さんみたいに笑顔で丸く収めたい
認められないことを責めてはいけない
意思は自由なんだから
「救ってあげられなかった。
気づけたかもしれないのに…」
あの日私があと少し早く生徒会室へ向かっていたら
兼悟さんはいじめに遭わなかったかもしれない
「小学校の時も今も…」
笑顔でいるから
みんな遊んでる感覚なのか
加減を忘れたんだよあいつらは
「高校で再会したんだよ…
入学式、係をしていたのを
ふと見つけたんだ…
久しぶりの再会に嬉しくて
放課後探しに行ったら
いろいろあって
すぐに…
声かけられなかった。」
あの時ちゃんと止めていればこんなことには
ならなかった
「いろいろってなんなんだよ…」
なぜかイライラする祐希…
話していると客観的に見えてきた
頭が整理されてくる
「気持ち悪…」って言われたってことは
私の恋も終わりか
理解の遅さに今気づく
でも兼悟さんにはゆうすけさんがいるし
ちゃんとしたことは伝えないと
「友達として仲良くしてたんだよ、
いろいろ相談にも乗ってもらって…
まぁそれも叶わなかったけど…」
祐希が好きなこと
どうやって気持ちを伝えたらいいのか
伝えてもいいのか
あわよくば付き合いたい
なんて浮かれた相談をしていた
祐希が同性愛をどう思うか
兼悟さんみたいに上手くいけるかもなんて
奇跡が近くで起きると
私にも起きるんじゃないかと錯覚する
世の中そう簡単にはいかない
大切な友人を亡くし
好きな人から振られ
なんて人生なんだよ
なぜか怒っている祐希も理解できないし
1人にしてほしい
また泣きたくてしょうがなくなってきた
でも祐希の前では泣きたくない
限界だ
手元にあった枕を思いっきり投げた
ボフゥ…
「いいから空気読めよ…バカ」
理不尽に怒られ、また怒る祐希
「お前のこと心配してやってるのになんなんだよ。」
祐希はバタンとドアを勢いよく閉めて
部屋を出て行った
声を荒げ泣いた
人生で一番最悪な日だ
少し惜しい気もしたが
さすがに情けないと思い手を離す
次の朝
何もできない
学校へ行ってももう兼悟さんはいない
受け入れるのに時間がかかった
ご飯も喉を通らず
動けなくなった
お母さんは変だと思うだろうなぁ
まだ葬式に行ったことも言ってないし
でも、私が落ち着くまで待って
そんなことを思っているとまた思い出して
涙が溢れる
夕方
もう枯れ果てるくらい涙を流した頃
部屋のドアがなる
コンコン
「柚鈴?起きてるか?」
祐希?予想外な人がすぎて慌てて布団に潜る
こんな顔見せたくない
「…」
「開けるよ」
どうしよう 入ってきちゃった
祐希はベットに背をお掛け座った
「柚鈴お前、兼悟さんのことが
好きだっただろ?」
「え!?」
なんでそんなことを聞くのか
アホなんじゃないかと思い、心の声が漏れる
そんな意味もわからないことを言われ
イラつき早口に1人で
兼悟さんが好きと言う私の理論を話してくる
「気持ち悪…」
最後の一言に
葬式のあの言葉が重なる
お前も拒むのかよ
私の中で何かが割れて弾けた
「そうだよね…笑」
兼悟さんみたいに笑顔で丸く収めたい
認められないことを責めてはいけない
意思は自由なんだから
「救ってあげられなかった。
気づけたかもしれないのに…」
あの日私があと少し早く生徒会室へ向かっていたら
兼悟さんはいじめに遭わなかったかもしれない
「小学校の時も今も…」
笑顔でいるから
みんな遊んでる感覚なのか
加減を忘れたんだよあいつらは
「高校で再会したんだよ…
入学式、係をしていたのを
ふと見つけたんだ…
久しぶりの再会に嬉しくて
放課後探しに行ったら
いろいろあって
すぐに…
声かけられなかった。」
あの時ちゃんと止めていればこんなことには
ならなかった
「いろいろってなんなんだよ…」
なぜかイライラする祐希…
話していると客観的に見えてきた
頭が整理されてくる
「気持ち悪…」って言われたってことは
私の恋も終わりか
理解の遅さに今気づく
でも兼悟さんにはゆうすけさんがいるし
ちゃんとしたことは伝えないと
「友達として仲良くしてたんだよ、
いろいろ相談にも乗ってもらって…
まぁそれも叶わなかったけど…」
祐希が好きなこと
どうやって気持ちを伝えたらいいのか
伝えてもいいのか
あわよくば付き合いたい
なんて浮かれた相談をしていた
祐希が同性愛をどう思うか
兼悟さんみたいに上手くいけるかもなんて
奇跡が近くで起きると
私にも起きるんじゃないかと錯覚する
世の中そう簡単にはいかない
大切な友人を亡くし
好きな人から振られ
なんて人生なんだよ
なぜか怒っている祐希も理解できないし
1人にしてほしい
また泣きたくてしょうがなくなってきた
でも祐希の前では泣きたくない
限界だ
手元にあった枕を思いっきり投げた
ボフゥ…
「いいから空気読めよ…バカ」
理不尽に怒られ、また怒る祐希
「お前のこと心配してやってるのになんなんだよ。」
祐希はバタンとドアを勢いよく閉めて
部屋を出て行った
声を荒げ泣いた
人生で一番最悪な日だ
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