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お姉様申し訳ございません!
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「わわわわわ」
私は、自分のせいで引き起こされた事態を前に動揺していた。
「…はっ
…す、すまない!」
騎士が慌てて手を離すが、お姉様の身体に触れた罪は重い。でもどうすることもできない…。いっそ、殴って記憶をデリートするか。
私が不穏な考えを抱き始めたとき
「…大丈夫だ」
まだ立ち直れていないだろうお姉様が、気丈にもそう言った。
そこ、そこの騎士!そう、あなたですよ。
なにをポワンとした顔でお姉様を見つめているんですか。
許しませんよ。たとえ、お姉様の涙目が普段とのギャップもあり、とても可愛らしいのだとしても…。それとこれとは話が別。
「申し訳ございません!!!!!
お姉様ーー!私がドジだったばっかりにー!」
「そんなに自分を責めるな。ただの不運な事故だ。」
お姉様は優しいから許してくださる。でも私は私を許せない。
そこで当代一の魔術師と名高い彼に会いに行くことにした。記憶消去薬をもらうために。
「何の用?僕、暇じゃないんだけど」
「話はすぐに終わるわ。私にある物を売ってほしいの。あなたなら持っているはずよ」
「…仮にそれを僕が持っているとして、理由も聞かずに売ることはできないな」
「…まあそうよね」
私は、仕方なく自身が犯した罪の告白をした。
「へーあのアマーリアがね。…見てみたいな」
最後の言葉は小さすぎて聞こえなかった。
私が聞き返すと、彼は言った。
「薬がその効果を最大限発揮できるようにするためには、消したい状況に、なるだけ近づける必要がある。
─もちろん、君はやるよね?」
私は悪魔に魂を売ったのかもしれない。
逆らえずに頷いてしまったのだから。
**
「今日は何で呼び出されたんだ?」
「…私も聞いていない。大事な話だとリリは言っていたが…」
二人の様子はどこか、ぎこちない。
無理もない。まだあのときの記憶が鮮明に残っているのだ。
そんな中、場違いなほど明るい声が響いた。
「二人とも久しいね」
男はそう言うと笑顔で、ぬめっとしたモンスターを事前予告なくアマーリアに投げつけた。
「おっ、と、と、と。まずい。スライムが僕の手から逃げていったー」
あまりにも棒読みな台詞。しかし、強硬状態に陥った二人には気にする余裕がない。
スライムがアマーリアの胸の上でぬめぬめと動き回る。
「な、んだ…これはぁ…あん」
「アマーリア待っていろ。今すぐとってやる!」
騎士が純粋な救助目的4割、スケベ心6割で
アマーリアの胸に手を伸ばす。
遅れてきた私は、その状況に驚きながらも言った。
「今よ。ルイ!二人の記憶を消して!!」
しかし、呼び掛けられた魔術師は動かない。
ニッと口の片端を上げると
「記憶消去薬、実は材料が足りなくて作れなかったんだよね」
「は?」
「でも結果的に良かったよ。
普段は気の強いアマーリアがああも乱れるなんてね。…癖になりそうだ」
そう言って妖しく微笑んだ彼を見て、自然背筋に汗が伝う。
─またもや私は、とんでもない状況を引き起こしてしまったのではないか。
頭の中はそればかり。
ヒロインに焦がれ、ヤンデレ王子に殺されるはずの二人が、アマーリアに興味を持ち始め、未来は変わったのかもしれない。
しかし、それでいいのか?いやダメだ。
あの危ない魔術師は、更に過激な手を使ってお姉様を性的に泣かせようとするだろう。
─私はそれを阻止しなくては
決意は固かったが、私は知らなかった。
私が何かする度に、むっつり騎士と変態魔術師の行為がエスカレートし、止められなくなっていくということを。
私は、自分のせいで引き起こされた事態を前に動揺していた。
「…はっ
…す、すまない!」
騎士が慌てて手を離すが、お姉様の身体に触れた罪は重い。でもどうすることもできない…。いっそ、殴って記憶をデリートするか。
私が不穏な考えを抱き始めたとき
「…大丈夫だ」
まだ立ち直れていないだろうお姉様が、気丈にもそう言った。
そこ、そこの騎士!そう、あなたですよ。
なにをポワンとした顔でお姉様を見つめているんですか。
許しませんよ。たとえ、お姉様の涙目が普段とのギャップもあり、とても可愛らしいのだとしても…。それとこれとは話が別。
「申し訳ございません!!!!!
お姉様ーー!私がドジだったばっかりにー!」
「そんなに自分を責めるな。ただの不運な事故だ。」
お姉様は優しいから許してくださる。でも私は私を許せない。
そこで当代一の魔術師と名高い彼に会いに行くことにした。記憶消去薬をもらうために。
「何の用?僕、暇じゃないんだけど」
「話はすぐに終わるわ。私にある物を売ってほしいの。あなたなら持っているはずよ」
「…仮にそれを僕が持っているとして、理由も聞かずに売ることはできないな」
「…まあそうよね」
私は、仕方なく自身が犯した罪の告白をした。
「へーあのアマーリアがね。…見てみたいな」
最後の言葉は小さすぎて聞こえなかった。
私が聞き返すと、彼は言った。
「薬がその効果を最大限発揮できるようにするためには、消したい状況に、なるだけ近づける必要がある。
─もちろん、君はやるよね?」
私は悪魔に魂を売ったのかもしれない。
逆らえずに頷いてしまったのだから。
**
「今日は何で呼び出されたんだ?」
「…私も聞いていない。大事な話だとリリは言っていたが…」
二人の様子はどこか、ぎこちない。
無理もない。まだあのときの記憶が鮮明に残っているのだ。
そんな中、場違いなほど明るい声が響いた。
「二人とも久しいね」
男はそう言うと笑顔で、ぬめっとしたモンスターを事前予告なくアマーリアに投げつけた。
「おっ、と、と、と。まずい。スライムが僕の手から逃げていったー」
あまりにも棒読みな台詞。しかし、強硬状態に陥った二人には気にする余裕がない。
スライムがアマーリアの胸の上でぬめぬめと動き回る。
「な、んだ…これはぁ…あん」
「アマーリア待っていろ。今すぐとってやる!」
騎士が純粋な救助目的4割、スケベ心6割で
アマーリアの胸に手を伸ばす。
遅れてきた私は、その状況に驚きながらも言った。
「今よ。ルイ!二人の記憶を消して!!」
しかし、呼び掛けられた魔術師は動かない。
ニッと口の片端を上げると
「記憶消去薬、実は材料が足りなくて作れなかったんだよね」
「は?」
「でも結果的に良かったよ。
普段は気の強いアマーリアがああも乱れるなんてね。…癖になりそうだ」
そう言って妖しく微笑んだ彼を見て、自然背筋に汗が伝う。
─またもや私は、とんでもない状況を引き起こしてしまったのではないか。
頭の中はそればかり。
ヒロインに焦がれ、ヤンデレ王子に殺されるはずの二人が、アマーリアに興味を持ち始め、未来は変わったのかもしれない。
しかし、それでいいのか?いやダメだ。
あの危ない魔術師は、更に過激な手を使ってお姉様を性的に泣かせようとするだろう。
─私はそれを阻止しなくては
決意は固かったが、私は知らなかった。
私が何かする度に、むっつり騎士と変態魔術師の行為がエスカレートし、止められなくなっていくということを。
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