君といると自信がなくなると暗殺者を差し向けられました

ぴぴみ

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はじまり

「君といると自信がなくなるんだ。消えてくれると嬉しい」

そう婚約者に言われて、はいそうですか、では死にますと死を選ぶ女がどこにいるのだろう。

自己肯定感が著しく低かったのなら、もしくは精神的に完璧に支配されていたのなら、有り得るのかもしれない。

そしてのリリアは確かにそういう女だったのだ。目の前の男が突き付ける冷たいナイフの感触に、皮が切れていく感覚にただ身を任せていて、もう疲れたなと抵抗一つする気がなかったのだから。

しかし、神と呼ばれるものからの介入なのか、突如として思い出してしまった。この展開を何度も繰り返していることに。

自分で死ぬ勇気などないだろうからと、ご丁寧に暗殺者を差し向けてくれるのもこれで何度目だろう。

開いたバルコニー。風。はためく白いネグリジェ。いつもの自分の部屋。そして月を背に立っている顔の見えない男。

ああまた死ぬのかと、私は大いなる力を持つもののホンモノの人形だったのだと理解して、リリアはそれはそれは美しく嗤った。

両の手を大きく優雅に広げて、音を響かせた。


「ーーーさあ、はやく、ころして?」


一陣の風が首を撫でる。痛みを感じる前にリリアの今生は終わりを遂げた。

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