嫌よ嫌よも好きのうちとは言いますが、私の場合はガチなんです。正直正統派イケメンに興味ありません。

ぴぴみ

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好みって変わるよね

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「ミレーヌ、君は今日も太陽の女神のごとく愛らしいな」


「はぁ。恐れ入ります」


冷めた目で見つめても、何ら堪えた様子もなく王子が言う。


「君と結婚できるのが楽しみだよ」


「…婚約者のローゼリア公爵令嬢のことを
お忘れではありませんか?」


「何度も言っただろう…!
彼女のことなどどうでもいい。
私が愛しく、生涯を共にしたいと思うのはミレーヌ─君だけだ」


「冷静になった方がよろしいかと」


スパッと切り捨てる。


「そもそも私と殿下とでは、身分に差がありすぎます」


それに、あなたのことがタイプではなくなりました、という言葉は呑み込んだ。
前世の記憶に引っ張られているのです。


「誰かが、君にそう言ったのか?」


「いえ。ですが、真実です」


「そんなことは関係ない!愛は全てを解決する!」


「(殿下の脳内では)そうでしょうけど、
私は怖いのです。
殿下と共にいる自分が想像できません」


「それほどまでに悩んでいたとは…。
すまなかった!!!
君の不安に気づかないなど、私は恋人失格だ!」


「恋人、ですか。…しばらく距離を置きませんか?」


「花嫁修業をするということか?
君はそのままで素晴らしいと思うが…」


「いえ、そのままの意味です」


「?他にどんな意味が」


あまりに話が通じなさすぎて、普段めったなことでは怒らない私でさえもイライラしてきた。


「はぁ…」


思わず溜め息が洩れる。


「ミレーヌ。憂い顔も美しいな」


「………」


バカ、なんだな。


「…殿下、悩みとかってあります?」


陰のあるイケメンが好きな私は、なんとか歩み寄ろうと努力してみた。


「君とまだ結婚できないことかな」


なんたる、お日さま属性。常に場の中心で
親に愛されて育ち、かつ、成功体験を積み重ねてきた男。
コンプレックスなどまるで無いタイプ。


びっくりするほど、好みじゃないな。
愛情表現も真っ直ぐすぎる。


私が全てを終わらせようとしたとき


「殿下」


低い美声が私の鼓膜をダイレクトに揺さぶった。


「ああお前か。今は都合が悪い。後にしろ。」


「どなたですの?」


私は我慢できずに聞いてみた。
もしかして、あなたは─


「こいつは、王家直属の密偵の一人だ」


やっぱりーーー!!!!!


「紹介してください。殿下」


私の目はハートになっていたことだろう。
大好きです。


「ああ…」


殿下は私の態度に違和感を覚えたようだったが、男に命じた。


「ミレーヌ様。
私のことはどうか、ただカラスと」


「はい♡」


ここから、ミレーヌとカラスとの恋愛物語が始まる…かもしれない?
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