河で溺れた犬を助けたら、いつの間にか異世界で?いつの間にか女王候補の番犬になってました?!

ぽんちゃん

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下僕のハーレム??なんて世界だ!

俺は彼女の3番目の男…

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「こんな狂犬絶対に辞めた方が良いです!」と慌てて止めるシュナイダーを「煩い」と冷酷無慈悲な顔でシュナイダーから超教鞭を取り上げ、本人めがけて振り下ろす様は、まさに小さな女王様。
心なしか打たれたシュナイダーが喜んでいるようにも見える。
…なんてマニアックな空間。
アリスはシュナイダーにお金が入っているとみられる袋を手渡した。
「犬塚健一、いくわよ。」
シュナイダーが渋々、牢屋の鍵を開ける。
俺は訳も分からないまま、とりあえずアリスについて行く。
暗く鉄臭い、牢屋の並んだ廊下を進むと行き止まりにあたった。
アリスは立ち止まると首から下げていた鍵型の銀で出来たネックレスを取り出した。
スゥッと何もない壁に鍵を向けると 「アウフシュリーセン(解錠)」と唱えた。
すると、どこからともなくリンゴーン、リンゴーン、と、鐘の音が鳴り響き、目の前がパァと明るくなると、一瞬で白い光に全身が包まれた。
「うわ!………」俺は眩しさで片方の腕で両目を隠し、身構えた。


「…………」
特に何も起こらない。


「…………」
やっぱり何も起こらない?


「………『プフッ』」
もう大丈夫…?いま、笑われた?

そっと腕を退かすと、そこは薄暗い牢屋に囲まれた廊下ではなく、赤を基調とした広く立派な部屋だった。
部屋の至る所にはアンティークを基調とした家具や小物がおかれ、壁には動物の生首…いや、剥製が飾られている。そして、壁の中央で異質な雰囲気を醸し出している大きな肖像画。絵の中央に描かれた椅子に座る女性とその人の子供と見られる男女が椅子の両側に立っている。仲睦まじい絵だったのだろうが、何故が全員の顔が黒く塗りつぶされていた。
その肖像画の前に置かれたゴージャスな椅子…まるでマリーアントワネットが好んで使いそうな椅子にアリスが座っており、その両隣には男性2人が、まるで騎士のように立ってこちらを見ている。
片方の男はオレンジ色の短髪でツンツン頭、それに目つきが鋭い。明らかに俺を睨み付けている。
もう片方の男は…まだ笑っている。こちらは少し長めのパーマっけのある金髪で垂れ目。たとえて言うとホストクラブに居そうなイケメンさん。どちらも俺より20㎝近くは身長が高い。

「アリス、そろそろ彼にボクらを紹介してもよろしいですか?」垂れ目ホストはアリスの前に跪き、許しを得ていた。
「いいわ、ついでに彼のことも色々聞いてくれる?名前からして変なのよ。」アリスは面倒くさいという態度を全身で表している。
そしてオレンジツンツン頭は、相変わらず俺を睨んでいる。
…俺が一体、何をした…?
なんだが怒りがこみ上げてくるのをグッと思い切り飲み込んで、ここはしおらしくしておこう。
「なら、改めまして…」垂れ目ホストはクルッと俺に向き直ると自己紹介を始めた。
「まずは僕らが主、アリス イヴ ハーツ様。僕らはアリスと呼んでいるね。彼女は最年少エンプレス候補なんだ。」

「………」垂れ目ホストに紹介されても、アリスは面倒くさいという表情を変えることがない。
それなら俺も普通なら会釈位はするところを「………」で返してやる。

ちょっと困った顔をする垂れ目ホストは「じゃあ次は…」とオレンジツンツン頭を向いた。
「ちょっと恐い感じのこの人はジェームズ。アリスの番犬第一号だよ。」そう言って垂れ目ホストはジェームズからは口元が見えないように手で隠しながら「逆らうと恐いよ?」と、こっそりと教えてくれた。
「ミルドレッド、聞こえているぞ?」
「そうなの?おかしいな~」
ジェームズはミルドレッドと呼ばれた垂れ目ホストと視線を合わせることもなく、威圧だけしていた。一方のミルドレッドはそれを飄々とした態度で交わす。
「最後は僕ね。僕はミルドレッド、アリスの番犬第二号だよ。主に殺し専門でやってまーす!」
飄々とした態度そのままでサラリと怖いこと言ったような気がするぞ?
そろそろ口を開いた方が良いだろうと思い、自己紹介する事にした。
「俺は犬塚健一、フリーターだ。」
そこまでしか言ってないのに3人とも「なんだそれは?」と言うような難しい顔を向けてくる。
俺は何か変なこと言ったのか?
「聞いたこともない名前だな」ジェームズが言うと、

「だから変だって言ったでしょう?」とアリスが返した。

それを「2人とも…」と困った顔をするミルドレッド。

「質問なんだが…」俺は今までの、たまりに貯まった疑問を投げかけた。


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