上 下
10 / 10
あぁ!アリス様、お許しを!!

しおりを挟む
非常に美味しい状況ではあったが、ミルドレットが俺とChevalier様を引き剥がすように慌てて他所へ移動させられてしまった。

「なにすんだよ!今スゲー良い所だっただろうが!?」
がぁー!と噛みつく勢いでいった俺に、ミルドレットは腹を抱えて笑う。
「Chevalierが他人が主の番犬に宣誓するところなんて初めて見たよ。」

「俺も告られたの人生で初めてだったぜ」
誇らしげに鼻を鳴らして見せたが、ミルドレットは「やっぱりね」とため息ついた。

「キミはまだこの世界について何にも知らない赤ちゃんだからね、仕方のない事だけど、ていうか、僕がこれから教えていかなければいけないんだけど…教えない方がこれからの人生楽しそうだね♪」
ミルドレットがいけない猫のような顔をしている。

いや、教えて下さいよ。

「まずは~、何から聞きたい?さっきのChevalier?それとも…始めに見た男の死に様について、かな?」

そうだった。あまりにも自然な流れで男の死が流されてしまったから忘れていた。今になって脚が震える。

ミルドレットは男の話から始めた。

「さっきの男はボクたちと同じ、番犬だよ…元ね。」

「元ってことは…」

「そう、捨てられたんだよ。ご主人様にね。」

「捨てるってそんな簡単に捨てられるもんなのか?奴隷って言ったって、同じ人間だろう!」

「」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...