27 / 30
第三作戦 炎と氷
12
しおりを挟む
群島型デドリィせん滅作戦海域から、少し離れた海域にて、藤堂たちも戦況を固唾を飲んで見守っていた。
作戦通りに進むならば、このまま契約魔導士を含む魔導部隊を回収して、輸送任務に移れる。
だが、もし契約魔導士が落とされるなどの不測の事態が起きれば、海上戦力でデドリィを対処する必要が出てくる。
「しかし、ロシアのも凄まじいものだな……」
今のところ、デドリィとの直接的な戦闘の必要は無く、作戦を終了できそうだ。
つい先ほど、魔力の計器が大きく警告音を響かせ、大きく船が揺れた直後、モニターされているデドリィたちの核の反応が一斉に消えた。
サーモグラフィーでの探知も一部を除いて、あまりの高温に白く飛んでいる。
「炎の完全顕現……この距離でも、甲板で戦況を見ていた隊員が悲鳴を上げていましたよ」
「軟弱だな。炎が飛んできたわけでもあるまい」
あくまで熱気だけだ。
突然、高温の風に晒されこそしたが、火傷を負うほどではない。
「戦闘海域方向の監視任務についている者は、ゴーグルの着用を指示しろ。戦闘は、継続している。次は、炎が飛んで来るやもしれんぞ」
契約魔導士の完全顕現での戦闘の余波は、広範囲に及ぶ。
かつて、加賀谷が東京湾を凍らせ、数週間海路が使えなくなったように、どの契約魔導士が完全顕現をしたとしても、功績と共に、その被害は大きい。
「艦長は、完全顕現した契約魔導士との共闘経験はおありなのですか?」
「風ならある。下手な指示を出せば、船が軽く横転するのは、ベテランとて舵を握るのが恐ろしかったと言っていたな」
「それをたった一人の人間が起こしているとは……考えたくはないですね」
「そう言ってやるな。彼らは、皆、最も命を危険に晒して、戦っているのだ」
デドリィなどというバケモノを相手に、誰よりも前で戦い続ける。
それこそ、命が尽きるその時まで、デドリィと戦い続けることが定められている魔導士。
それが、契約魔導士だ。
副艦長は、静かに目を閉じた後、おもむろに艦長に問いかけた。
「共闘する契約魔導士を、もし選べるとしたら、艦長はどなたを選びますか?」
「ふむ……性質だけで話をするなら、重力だな」
”重力”
契約魔導士の中でも、特に数が少ない。
前回の大規模の戦いにおいて、もっとも功績を遺した、終戦の魔導士と呼ばれているマイクが、重力の精霊と契約している。
それ故に、戦場での武勇伝を含めた記録も多く残っているが、その一部は、もはや現実に起こるとは思えないような事実も書かれていた。
「自分は、空を飛ぶ船は、観光地だけで十分と思っていますが」
「ハッハッハッ! それは私もご免被りたいな! しかしまぁ、アレは既に沈んだ船の話だろう」
すぐに副艦長の頭に浮かんだのは、船を浮かせて、デドリィに叩きつけたという武勇伝。
記録の上では、船員も既に脱出済みの沈没しかけていた船であったというし、全てが全て事実であるかは、わからない。
とにもかくにも、契約魔導士たちの起こす攻撃は、規格外過ぎて、記録すら全てを信じていいのか、疑いたくなる。
「だがまぁ、氷山による座礁、炎に焙られステーキ気分、不意に触った壁で感電、強風による横転、高波による横転……うん。消去法だな! 全く!!」
選ぶ余地がほとんどないと、正直どれでもいいとばかりに笑う藤堂に、聞き耳を立てていた船員たちも、苦笑いになってしまう。
「では、艦長は、加賀谷契約魔導士殿より、マイク契約魔導士の方が好みであると」
「まさか。恩人たる我が国の契約魔導士殿を差し置くことなどないさ」
座礁は私も怖いがな。と付け加える藤堂に、副艦長も含め、少し頬が引きつるが、聞こえてきた警告音に、すぐにモニターへ目をやる。
「随分と、魔力を放出してるな」
「群れのリーダーの反応は、既にロストしてますが、不測の事態でしょうか……」
先程と同様、画面が真っ白になるような温度に、この警告音を鳴らしているのは、ガリーナの方であることが想像がつく。
モニターでは、群島型デドリィの群れのリーダーである核の破壊を確認しているが、それ以外に何か潜んでいたということか。
状況を確認するよう、甲板での監視任務についていた船員たちへ指示が飛ぶ中、藤堂はひとり、怪訝そうにそのモニターを睨んでいた。
「外にいる隊員たちに、即時艦内に入れる位置で待機するよう伝えろ」
藤堂の言葉に、副艦長を含めた全員が、表情を強張らせた。
その現場にいたオニたちは、荒れ狂う熱波に、ガリーナを恐ろしいものでも見るかのように、見上げていた。
炎の矢の射撃の威力も、精度も、速度も上がり続ける中、ただガリーナだけが苦し気に背を丸め、喘いでいた。
「副隊長! アレ!」
隊員たち全員の脳裏に過ったのは、同じ文言だった。
「暴走……」
契約魔導士が、その精霊の力を制御できず、魔力が溢れ出す状態であり、暴走状態に陥った契約魔導士は、無差別な自然災害と変わりない。
そんな力に、隊員が巻き込まれれば、死ぬ可能性が高い。
「隊長! しっかりしてください! このままでは我々も――」
「わかってる!!」
オニの声に、ガリーナも怒鳴り返すが、体の中から溢れ出す焼かれるような魔力の奔流を抑えきれない。
炎の精霊と契約してから、感じることがなかった、皮膚の焼け付く痛みと、ベタつくような嫌な匂い。
「なんで……! また……っ!!」
視界を覆い尽くすような炎の波。
焼ける、熱い。痛い。苦しい。
「――ッッ」
違う。私は、あの試練を、この炎の波を突破した。
だから――――
『ガリーナ・ニムファ。契約魔導士としての使命を全うせよ』
無線から聞こえてきた、しわがれた声。
契約魔導士になってから、何度も聞いたその声。
自分の最期を言い渡すと定められていた、その声の命令。
「ぁ……っっ了解」
せめて、ここに残ってるデドリィたちは、全員、道連れにしてやる。
「総員、退避。日本の連中も、さっさと離れなさい」
絞り出すようなガリーナの命令に、隊員たちも一瞬、ガリーナに目を向けるが、すぐに距離を取るように背を向けた。
ただ一人、オニだけは足を止めていたが、海上のデドリィたちに向かうガリーナを見送ると、他の隊員たちと同じようにガリーナへ背を向けた。
「クソ、クソクソクソっ……!! なんで、なんでよ……!!」
まだ何も成し遂げていない。
まだ誰も助けられていない。
こんな、デドリィと戦って死ぬわけじゃなく、精霊に負けて死ぬなんて、イヤだ。
これじゃあ、私は、弱いままだ。
「いやだ……」
――まだ、死にたくない。
溢すことすら許されない言葉の代わりに、小さく呼吸が震えた。
『――高度を上げろ!!』
全身を焼き焦がす音を切り裂いて、鼓膜を震わせる声が響いた。
作戦通りに進むならば、このまま契約魔導士を含む魔導部隊を回収して、輸送任務に移れる。
だが、もし契約魔導士が落とされるなどの不測の事態が起きれば、海上戦力でデドリィを対処する必要が出てくる。
「しかし、ロシアのも凄まじいものだな……」
今のところ、デドリィとの直接的な戦闘の必要は無く、作戦を終了できそうだ。
つい先ほど、魔力の計器が大きく警告音を響かせ、大きく船が揺れた直後、モニターされているデドリィたちの核の反応が一斉に消えた。
サーモグラフィーでの探知も一部を除いて、あまりの高温に白く飛んでいる。
「炎の完全顕現……この距離でも、甲板で戦況を見ていた隊員が悲鳴を上げていましたよ」
「軟弱だな。炎が飛んできたわけでもあるまい」
あくまで熱気だけだ。
突然、高温の風に晒されこそしたが、火傷を負うほどではない。
「戦闘海域方向の監視任務についている者は、ゴーグルの着用を指示しろ。戦闘は、継続している。次は、炎が飛んで来るやもしれんぞ」
契約魔導士の完全顕現での戦闘の余波は、広範囲に及ぶ。
かつて、加賀谷が東京湾を凍らせ、数週間海路が使えなくなったように、どの契約魔導士が完全顕現をしたとしても、功績と共に、その被害は大きい。
「艦長は、完全顕現した契約魔導士との共闘経験はおありなのですか?」
「風ならある。下手な指示を出せば、船が軽く横転するのは、ベテランとて舵を握るのが恐ろしかったと言っていたな」
「それをたった一人の人間が起こしているとは……考えたくはないですね」
「そう言ってやるな。彼らは、皆、最も命を危険に晒して、戦っているのだ」
デドリィなどというバケモノを相手に、誰よりも前で戦い続ける。
それこそ、命が尽きるその時まで、デドリィと戦い続けることが定められている魔導士。
それが、契約魔導士だ。
副艦長は、静かに目を閉じた後、おもむろに艦長に問いかけた。
「共闘する契約魔導士を、もし選べるとしたら、艦長はどなたを選びますか?」
「ふむ……性質だけで話をするなら、重力だな」
”重力”
契約魔導士の中でも、特に数が少ない。
前回の大規模の戦いにおいて、もっとも功績を遺した、終戦の魔導士と呼ばれているマイクが、重力の精霊と契約している。
それ故に、戦場での武勇伝を含めた記録も多く残っているが、その一部は、もはや現実に起こるとは思えないような事実も書かれていた。
「自分は、空を飛ぶ船は、観光地だけで十分と思っていますが」
「ハッハッハッ! それは私もご免被りたいな! しかしまぁ、アレは既に沈んだ船の話だろう」
すぐに副艦長の頭に浮かんだのは、船を浮かせて、デドリィに叩きつけたという武勇伝。
記録の上では、船員も既に脱出済みの沈没しかけていた船であったというし、全てが全て事実であるかは、わからない。
とにもかくにも、契約魔導士たちの起こす攻撃は、規格外過ぎて、記録すら全てを信じていいのか、疑いたくなる。
「だがまぁ、氷山による座礁、炎に焙られステーキ気分、不意に触った壁で感電、強風による横転、高波による横転……うん。消去法だな! 全く!!」
選ぶ余地がほとんどないと、正直どれでもいいとばかりに笑う藤堂に、聞き耳を立てていた船員たちも、苦笑いになってしまう。
「では、艦長は、加賀谷契約魔導士殿より、マイク契約魔導士の方が好みであると」
「まさか。恩人たる我が国の契約魔導士殿を差し置くことなどないさ」
座礁は私も怖いがな。と付け加える藤堂に、副艦長も含め、少し頬が引きつるが、聞こえてきた警告音に、すぐにモニターへ目をやる。
「随分と、魔力を放出してるな」
「群れのリーダーの反応は、既にロストしてますが、不測の事態でしょうか……」
先程と同様、画面が真っ白になるような温度に、この警告音を鳴らしているのは、ガリーナの方であることが想像がつく。
モニターでは、群島型デドリィの群れのリーダーである核の破壊を確認しているが、それ以外に何か潜んでいたということか。
状況を確認するよう、甲板での監視任務についていた船員たちへ指示が飛ぶ中、藤堂はひとり、怪訝そうにそのモニターを睨んでいた。
「外にいる隊員たちに、即時艦内に入れる位置で待機するよう伝えろ」
藤堂の言葉に、副艦長を含めた全員が、表情を強張らせた。
その現場にいたオニたちは、荒れ狂う熱波に、ガリーナを恐ろしいものでも見るかのように、見上げていた。
炎の矢の射撃の威力も、精度も、速度も上がり続ける中、ただガリーナだけが苦し気に背を丸め、喘いでいた。
「副隊長! アレ!」
隊員たち全員の脳裏に過ったのは、同じ文言だった。
「暴走……」
契約魔導士が、その精霊の力を制御できず、魔力が溢れ出す状態であり、暴走状態に陥った契約魔導士は、無差別な自然災害と変わりない。
そんな力に、隊員が巻き込まれれば、死ぬ可能性が高い。
「隊長! しっかりしてください! このままでは我々も――」
「わかってる!!」
オニの声に、ガリーナも怒鳴り返すが、体の中から溢れ出す焼かれるような魔力の奔流を抑えきれない。
炎の精霊と契約してから、感じることがなかった、皮膚の焼け付く痛みと、ベタつくような嫌な匂い。
「なんで……! また……っ!!」
視界を覆い尽くすような炎の波。
焼ける、熱い。痛い。苦しい。
「――ッッ」
違う。私は、あの試練を、この炎の波を突破した。
だから――――
『ガリーナ・ニムファ。契約魔導士としての使命を全うせよ』
無線から聞こえてきた、しわがれた声。
契約魔導士になってから、何度も聞いたその声。
自分の最期を言い渡すと定められていた、その声の命令。
「ぁ……っっ了解」
せめて、ここに残ってるデドリィたちは、全員、道連れにしてやる。
「総員、退避。日本の連中も、さっさと離れなさい」
絞り出すようなガリーナの命令に、隊員たちも一瞬、ガリーナに目を向けるが、すぐに距離を取るように背を向けた。
ただ一人、オニだけは足を止めていたが、海上のデドリィたちに向かうガリーナを見送ると、他の隊員たちと同じようにガリーナへ背を向けた。
「クソ、クソクソクソっ……!! なんで、なんでよ……!!」
まだ何も成し遂げていない。
まだ誰も助けられていない。
こんな、デドリィと戦って死ぬわけじゃなく、精霊に負けて死ぬなんて、イヤだ。
これじゃあ、私は、弱いままだ。
「いやだ……」
――まだ、死にたくない。
溢すことすら許されない言葉の代わりに、小さく呼吸が震えた。
『――高度を上げろ!!』
全身を焼き焦がす音を切り裂いて、鼓膜を震わせる声が響いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる