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【二章】爆・炎・王・女
10.ワルキューレの性能
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次の日。俺はシルヴィアを連れ、例の特訓場所へと来ていた。シルヴィアに新たな魔動人形に慣れてもらうのがメインの目的だ。
午前中はお互い魔動人形に乗り、操作に慣れることや、タッグ戦ならではの連携の練習に励んだ。
昼休憩を挟み、試しに俺もワルキューレに乗ってみたのだが、やっぱり機体によって操作感は違ってくるようだ。
シルバライザーと同じ感覚で動かしていると、スラスター移動の際の魔力管理に違和感があった。そもそもの魔力容量の違いと、機体重量が軽い分、スラスターの消費魔力が少ないのだろう。
だが最高速度はシルバライザーの方が速く感じられた。スラスターの最高出力にも差があるようだ。
ついでにワルキューレの情報もスマホに登録しておいた。俺の乗る機体じゃないとはいえ、ステータスが見れた方が色々と便利だしね。
どれ、早速じっくりと確認してみよっと。
――――――――――――――
【ワルキューレ】
火力:500(+200)
装甲:1800(+900)
推力:5200(+600)
魔力:2600
2600/2600
【武装】
empty
【特殊機構】
empty
――――――――――――――
やっぱり軽量な分火力や装甲が低いな。推力が高いのはまぁ納得だが……最高速度ならシルバライザーの方が速いと思うんだが……。
多分、ステータス画面の『推力』って項目は、純粋な推進力の大きさだけでなく、機動力や敏捷性なんかも含めた総合値っぽいな。『火力』や『装甲』もそんな感じなんだろう。
いつか機能がグレードアップして、その辺のステータスも細かく見れるといいな。ロボット好きはそういう数字見てるだけでテンションが上がるのだ。
「ケイタさん? 何を見ているんですか?」
「うわっ! ――っとと」
いい感じの石に座ってスマホを眺めていたのだが、突然シルヴィアが至近距離で覗き込んできたので、思わずのけぞってバランスを崩してしまう。
だが幸いなことに、転倒するまでには至らなかった。しかしギリギリのところで踏ん張ったのはいいが、イナバウアーのようなポーズになってしまった。恥ずかしい。というかこの体勢から戻れない。
「す、すいません。驚かせるつもりではなかったのですが……よいしょ!」
シルヴィアに引っ張られ、なんとか元の体勢に戻ることができた。助かった、あのままだと危うく腰をやってしまうとこだったぜ。
「ありがとうシルヴィア」
「いえ、私こそケイタさんが集中していたのを邪魔してしまったようで、すみませんでした」
「邪魔だなんて、そんなことないよ。シルヴィアも見る?」
俺はシルヴィアにスマホ画面を向けるが、当のシルヴィアは頭を傾げていた。
「これは……何が書いてあるんでしょうか? 数字……のようなものは読み取れますが、あとはさっぱりです」
あ……そっか。こっちの世界の文字が何故か読めるから気にしてなかったけど、スマホの表記は完全に日本語だ。この世界の住人であるシルヴィアには古代文字より難解かもしれないな。
「これは『スマホ』っていうんだけど、色々な機能があるんだよ。その一つに、魔動人形のステータスを確認できるものがあるんだ」
ていうかこれ見た目はスマホだけど、中身は実際なんなんだろうな。まあ……気にしても仕方がないか。
今まで誰かに見せたりしたことはなかったけど、まあシルヴィアにならいいか。隠すような凄いものでもないだろうし。
「えっ……本当ですか!? だとしたら凄いことですよ!」
あれ……予想より反応が大きいぞ。ステータス鑑定の魔法ぐらいありそうなものだけどなあ。
「そんなに凄いの?」
「はい。魔動人形の研究は各国で進められていますが、未だ解明されていない点が多く存在します。ステータスもその一つです。人物のステータスを確認する手段はあるのですが、同様の方法では魔動人形のステータスを確認することができないんですよ」
「そうなんだ……」
「そのため、厳密なステータスは誰も知りません。もしステータスが見れるのだとすれば、それは画期的なことですよ」
確かにそうかもな……具体的な数値がわかれば研究も捗るだろうし、戦いにおいても有利だろうな。
「えっと……じゃあこのことは内緒にしておいてもらっていいかな?」
「そうですね、もしその事が知れれば研究者……特に隣国の技術大国プラセリアから執拗に追われるかもしれませんし」
怖っ。今は王女様だけで手一杯だってのに、これ以上厄介事が増えたらたまらんぞ。これからは不用意にスマホのことは言わないでおこう。
「私以外には誰か知っているのですか?」
「あ、いや……今のところシルヴィアにしか言ってないよ」
「じゃあ……私とケイタさん、二人だけの秘密……ですね」
うむ。是非とも墓まで持っていってほしい。
午前中はお互い魔動人形に乗り、操作に慣れることや、タッグ戦ならではの連携の練習に励んだ。
昼休憩を挟み、試しに俺もワルキューレに乗ってみたのだが、やっぱり機体によって操作感は違ってくるようだ。
シルバライザーと同じ感覚で動かしていると、スラスター移動の際の魔力管理に違和感があった。そもそもの魔力容量の違いと、機体重量が軽い分、スラスターの消費魔力が少ないのだろう。
だが最高速度はシルバライザーの方が速く感じられた。スラスターの最高出力にも差があるようだ。
ついでにワルキューレの情報もスマホに登録しておいた。俺の乗る機体じゃないとはいえ、ステータスが見れた方が色々と便利だしね。
どれ、早速じっくりと確認してみよっと。
――――――――――――――
【ワルキューレ】
火力:500(+200)
装甲:1800(+900)
推力:5200(+600)
魔力:2600
2600/2600
【武装】
empty
【特殊機構】
empty
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やっぱり軽量な分火力や装甲が低いな。推力が高いのはまぁ納得だが……最高速度ならシルバライザーの方が速いと思うんだが……。
多分、ステータス画面の『推力』って項目は、純粋な推進力の大きさだけでなく、機動力や敏捷性なんかも含めた総合値っぽいな。『火力』や『装甲』もそんな感じなんだろう。
いつか機能がグレードアップして、その辺のステータスも細かく見れるといいな。ロボット好きはそういう数字見てるだけでテンションが上がるのだ。
「ケイタさん? 何を見ているんですか?」
「うわっ! ――っとと」
いい感じの石に座ってスマホを眺めていたのだが、突然シルヴィアが至近距離で覗き込んできたので、思わずのけぞってバランスを崩してしまう。
だが幸いなことに、転倒するまでには至らなかった。しかしギリギリのところで踏ん張ったのはいいが、イナバウアーのようなポーズになってしまった。恥ずかしい。というかこの体勢から戻れない。
「す、すいません。驚かせるつもりではなかったのですが……よいしょ!」
シルヴィアに引っ張られ、なんとか元の体勢に戻ることができた。助かった、あのままだと危うく腰をやってしまうとこだったぜ。
「ありがとうシルヴィア」
「いえ、私こそケイタさんが集中していたのを邪魔してしまったようで、すみませんでした」
「邪魔だなんて、そんなことないよ。シルヴィアも見る?」
俺はシルヴィアにスマホ画面を向けるが、当のシルヴィアは頭を傾げていた。
「これは……何が書いてあるんでしょうか? 数字……のようなものは読み取れますが、あとはさっぱりです」
あ……そっか。こっちの世界の文字が何故か読めるから気にしてなかったけど、スマホの表記は完全に日本語だ。この世界の住人であるシルヴィアには古代文字より難解かもしれないな。
「これは『スマホ』っていうんだけど、色々な機能があるんだよ。その一つに、魔動人形のステータスを確認できるものがあるんだ」
ていうかこれ見た目はスマホだけど、中身は実際なんなんだろうな。まあ……気にしても仕方がないか。
今まで誰かに見せたりしたことはなかったけど、まあシルヴィアにならいいか。隠すような凄いものでもないだろうし。
「えっ……本当ですか!? だとしたら凄いことですよ!」
あれ……予想より反応が大きいぞ。ステータス鑑定の魔法ぐらいありそうなものだけどなあ。
「そんなに凄いの?」
「はい。魔動人形の研究は各国で進められていますが、未だ解明されていない点が多く存在します。ステータスもその一つです。人物のステータスを確認する手段はあるのですが、同様の方法では魔動人形のステータスを確認することができないんですよ」
「そうなんだ……」
「そのため、厳密なステータスは誰も知りません。もしステータスが見れるのだとすれば、それは画期的なことですよ」
確かにそうかもな……具体的な数値がわかれば研究も捗るだろうし、戦いにおいても有利だろうな。
「えっと……じゃあこのことは内緒にしておいてもらっていいかな?」
「そうですね、もしその事が知れれば研究者……特に隣国の技術大国プラセリアから執拗に追われるかもしれませんし」
怖っ。今は王女様だけで手一杯だってのに、これ以上厄介事が増えたらたまらんぞ。これからは不用意にスマホのことは言わないでおこう。
「私以外には誰か知っているのですか?」
「あ、いや……今のところシルヴィアにしか言ってないよ」
「じゃあ……私とケイタさん、二人だけの秘密……ですね」
うむ。是非とも墓まで持っていってほしい。
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