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【三章】技術大国プラセリア
23.最終調整
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「――さて、まずはコンセプトをどうするかだな」
現在サイクロプスは接近戦仕様の改造が施されている。
射撃武器は遠距離から攻撃できるぶん、魔力の消費が激しい。正直なところ、一般等級のコアでは魔力量不安があるため、バカスカと撃てないのだ。
バトルロイヤルの時に、敵がハンドガンタイプの軽火器を使用していたのもそれが理由だろう。
おかげで対魔力攻撃のエーテルコーティングが存分に活かせたわけだが、次の相手はそう甘くはないと想定して間違いないだろう。
「……そう考えると接近できるかどうか怪しいな」
ハンドガンタイプの低出力武装なら無効化できたが、それ以上の攻撃がどこまで軽減できるかは未知数だ。
どれだけ機体が優れていても、俺自身の操縦技術は良くて平凡。銃弾の雨をすり抜けて接近できる保証はない。
「ねえねえ、ケーくん。リンが考えたのはこれ!」
俺が思考を巡らせている間、リンは紙に何かを書いていたのだが、どうやら案を練ってくれていたようだ。
ドヤ顔で渡された紙に目を通す。
「どれどれ……お? これは……おおっ!?」
手渡された紙には絵が描かれていた。
(な、何が描いてあるのか全然わからない……!)
かろうじて魔動人形の絵だということは判別できるのだが、具体的な説明文もなければ、絵自体も上手くない。
これは口頭での説明が必須だろう。そう思ってリンに問いかける。
「えと……リン、これはどんな魔動人形なんだ?」
「えとね、ここがビューンって飛んでね、ここからどばーって出るの!」
「――――な、なるほど~」
いかん、忘れていた。リンは説明がヘタクソだったのだ。
天才肌というか、感覚で色々とこなすタイプなので、うまく言語化できないでいるみたいだ。
しかし俺は時間をかけてリンの意見を読み解き、取り入れたいと思っている。
リンのように、魔動人形はこうあるべきだと先入観を持たない自由な発想ができる人物の意見は、時に常識を覆すほどの成果をもたらすことが往々にしてある。
それはリンが今までに作り出した創作物が物語っているし、実際に前回の戦いでは役に立ったのだ。
今度の相手は一筋縄ではいかないだろう。だからこそ、相手の意表を突くような戦術が必要不可欠であると思う。
「えーと、どばーっと出るのはこの辺からか? というか何が出てくるんだ?」
「そうだよ。ここから出てくるの! 魔力がビビビッて! それでね――」
こうして、リンに細かく質問しながらその意図を読み取っていった。
リンの設計を取り入れつつ、イマジナリークラフターを使って色々な実験を繰り返し、気が付いたら夜になってしまっていた。
カティアも帰宅し、食事を済ませた頃にはリンは疲れが溜まっていたのか眠ってしまっていた。
その後一人で最後の調整をし、なんとか完了させる。
「……よし、これで準備万端だな。あとは運を天に任せて挑むしかないか」
俺は明日のために十分な睡眠を取るべく、ベッドへと潜り込んだ。
現在サイクロプスは接近戦仕様の改造が施されている。
射撃武器は遠距離から攻撃できるぶん、魔力の消費が激しい。正直なところ、一般等級のコアでは魔力量不安があるため、バカスカと撃てないのだ。
バトルロイヤルの時に、敵がハンドガンタイプの軽火器を使用していたのもそれが理由だろう。
おかげで対魔力攻撃のエーテルコーティングが存分に活かせたわけだが、次の相手はそう甘くはないと想定して間違いないだろう。
「……そう考えると接近できるかどうか怪しいな」
ハンドガンタイプの低出力武装なら無効化できたが、それ以上の攻撃がどこまで軽減できるかは未知数だ。
どれだけ機体が優れていても、俺自身の操縦技術は良くて平凡。銃弾の雨をすり抜けて接近できる保証はない。
「ねえねえ、ケーくん。リンが考えたのはこれ!」
俺が思考を巡らせている間、リンは紙に何かを書いていたのだが、どうやら案を練ってくれていたようだ。
ドヤ顔で渡された紙に目を通す。
「どれどれ……お? これは……おおっ!?」
手渡された紙には絵が描かれていた。
(な、何が描いてあるのか全然わからない……!)
かろうじて魔動人形の絵だということは判別できるのだが、具体的な説明文もなければ、絵自体も上手くない。
これは口頭での説明が必須だろう。そう思ってリンに問いかける。
「えと……リン、これはどんな魔動人形なんだ?」
「えとね、ここがビューンって飛んでね、ここからどばーって出るの!」
「――――な、なるほど~」
いかん、忘れていた。リンは説明がヘタクソだったのだ。
天才肌というか、感覚で色々とこなすタイプなので、うまく言語化できないでいるみたいだ。
しかし俺は時間をかけてリンの意見を読み解き、取り入れたいと思っている。
リンのように、魔動人形はこうあるべきだと先入観を持たない自由な発想ができる人物の意見は、時に常識を覆すほどの成果をもたらすことが往々にしてある。
それはリンが今までに作り出した創作物が物語っているし、実際に前回の戦いでは役に立ったのだ。
今度の相手は一筋縄ではいかないだろう。だからこそ、相手の意表を突くような戦術が必要不可欠であると思う。
「えーと、どばーっと出るのはこの辺からか? というか何が出てくるんだ?」
「そうだよ。ここから出てくるの! 魔力がビビビッて! それでね――」
こうして、リンに細かく質問しながらその意図を読み取っていった。
リンの設計を取り入れつつ、イマジナリークラフターを使って色々な実験を繰り返し、気が付いたら夜になってしまっていた。
カティアも帰宅し、食事を済ませた頃にはリンは疲れが溜まっていたのか眠ってしまっていた。
その後一人で最後の調整をし、なんとか完了させる。
「……よし、これで準備万端だな。あとは運を天に任せて挑むしかないか」
俺は明日のために十分な睡眠を取るべく、ベッドへと潜り込んだ。
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