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第1話 異世界
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ふんわりとした、弾力のある何かに体全体を受け止められたような感覚。
それと同時に鉄槌で頭を殴られているかのような激しい痛みに、俺はゆっくりと上体を起こし、痛む頭を押さえながらぼんやりとする意識の中で考える。
ベッドの上?
あれ? 何してたんだっけ、俺?
「……よう…………しゅさま」
俺は痛みに耐えながら、微かに聞こえた声の方に目をやる。
するとそこには少し青みがかったドレスに、いかにも高そうなティアラを頭にのせている、見た事もない絶世の美女が居た。
「大丈夫ですか? どこか痛みますか?」
「頭が、かなり……」
「頭……まさか適応が不十分!? ……やむを得ません。アラン、今すぐアレを!!」
「わかりました。それじゃ少し失礼して」
気だるそうな声と共に美女の後ろから突如男性らしき人影が現れたかと思うと、瞬時に俺の口を押さえ、俺の口に弾力性がある液体らしき何かを無理矢理流し込んできた。
俺はあまりにも唐突過ぎる出来事に拒むことが出来ず、咄嗟に口に入ったそれを飲み込んでしまう。
すると飲み込んだと同時に、その液体が体中を物凄い勢いで巡っていくのを感じとる事が出来た。
仮に例えるとすれば、体内に生物が入って物凄い速度で動いているような、そんな寒気のするような感覚として。
「いっ、たい、なにを……」
俺は体の違和感が少しでも緩和するよう自身の体を抱え込むようにしながら、俺の口に液体らしき何かを入れてきた男性と、それを命令したであろう女性を交互に見る。
「手荒くなってしまったのは誠に申し訳ありません。ですが事態は急を要しましたので」
美女はそう言って頭を下げた後、真剣な眼差しで俺の事を見つめる。
「それよりも頭の方はまだ痛むか?」
「もち……」
もちろんと言いかけて、俺は言葉に詰まる。
何故なら先程までの激痛が嘘のように消えているからだ。
それに体の中を巡っていた寒気のするような感覚もなくなっている。
「その表情は大丈夫って事でよさそうだな」
「一先ずは安心ですね」
美女はそう言って、安堵の表情で胸をなでおろした。
心底安心したかのような彼女の表情を見て、俺は疑問に思う。
彼女は何故、見ず知らずのはずの俺をそこまで心配してくれるのか、と。
それに、先程俺に何かを無理やり飲ませた男性。
見た目は少しチャラそうな雰囲気で気だるそうにしているのだが、腰に剣と思わしき物をたずさえており、明らかにヤバい人だ。
それにしても俺はどうして知らないベッドの上で、知らない二人に見守られながら目覚めたんだ?
全く状況が理解できない。
一体俺は意識を失う前何をしていたんだ?
確か教室に入って……その後……
そうだ!
クラスの皆が消えた中で、少年に会ったんだ!
という事はあの少年が言っていた通り、ここは異世界だという事か?
いや、そうだと断定するのはやめておくべきだろうな。
もし違った時、かなり恥ずかしい事になりかねない。
「あの、何か考え事をされているようですが、少しよろしいですか?」
「え? あ、ハイ。大丈夫ですよ」
美女は優しく微笑みながらも、どこか申し訳なさそうにそう言ってきた。
俺は考え事をしている最中に声をかけられたので少し驚いたものの、特に拒否する理由もなかったので大丈夫だと答える。
「ありがとうございます。ですがその前にまずは自己紹介を、私はリリアン・ザ・サヴィオス、気安くリリアンとお呼びください」
美女は優しく微笑みながらドレスの裾を持ち、軽く頭を下げながらそう言った。
その姿はまるで物語に出てくるお姫様のような、そんな雰囲気を感じさせる。
「俺はアラン・ルーク。呼び方はあまり気にしないから、好きなように呼んでくれていいぞ」
剣を腰にたずさえた男性は、気だるそうにあらぬ方向を見ながらそう言った。
そしてリリアン・ザ・サヴィオスと名乗った女性は、次は貴方ですよ? と言わんばかりに、微笑みながら俺の事を見つめる。
相手に名乗ってもらっておいて自分は名乗らない、何てのダメだよな。
「僕は緒方 章丞です」
「オガタショウスケ……ショウスケ様とお呼びしても構いませんか?」
「様はちょっと……普通に章丞でお願いできますか?」
リリアンと名乗った女性が確認するよに聞いてきたので、俺はそう答える。
すると彼女は少し悩んだ後、渋々といった様子で「わかりました」と言ってくれた。
流石に様付けで呼ばれるような人間じゃないからな。
「では軽く自己紹介が終わったところで本題へ。まずショウスケは現状をしっかりと理解されていますか?」
「……いいえ、正直全く」
「やはりそうですよね。では説明させていただきます」
俺は彼女の言葉に内心ホッとする。
何故なら正直に答えて、なら貴方は用済みです見たいことになって何も教えてもらえないという可能性があったからだ。
「まず理解していただきたいのは、ここが貴方が元居た世界とは別の世界だという事です」
彼女は、そんな荒唐無稽な事を当たり前のように真顔で言った。
本来ならば、「そんな事はあり得ない!」そう返すのが普通だろう。
だが俺は聞いてしまった、少年の話を……
見てしまった、少年の超常の所業を……
だからこそ俺は内心思ってしまう。
やっぱりそうだったのか、と。
「……あまり驚かれないのですね」
「いぇ、十分に驚いていますよ。ただ何と言うか、あまりに驚き過ぎて言葉が出ないというか……」
俺は彼女の言葉に対して、そううそぶく。
その時、アランと名乗った男性が鋭い視線を向けてきたが、俺は気づかないふりをする。
何故ならこの場で少年の事を正直に話すメリットよりも、デメリットの方が大きいと考えたからだ。
もしかしたら話すことで信用を得られるかもしれないし、逆に敵視される可能性だってある。要は情報不足のせいで、不確定要素が多すぎるという事だ。
にしてもこんな状況で冷静に考え、ましてやこうも平然と嘘をつける人間だったとは、自分でも驚きだ。
「そうでしたか。確かにこんな事を急に言われてはそんな風になってしまうかもしれませんね」
彼女はそう言うと、何かを思考し始めた。
俺の嘘を信じてもらえたかは置いておくとして、とりあえず話が先に進みそうで良かった。
俺は表情や態度に出さないように注意しながら、そう思い内心で息をつく。
「ショウスケ、すみませんが話をする場所を変えたいのですが動けますか? 私としては、ここがショウスケの元居た世界とは違う世界だと理解してもらうのに、もっと時間を要すると考えていたのですが、それが予想よりも遥かに早く理解して頂けたみたいなので」
「構いませんが、理由をお聞きしてもいいですか?」
「はい、もちろん。実はこれからお話しする内容には、あまり大声で話せないような事があると言えば理解していただけますか?」
なるほど。
一瞬嘘がバレていてそれを追求する為に場所を変えるのかとも思ったが、どうやら召喚した側も一枚岩ではないという事らしい。
だが今の言葉を全面的に信用するのは危険だ。
もし仮に嘘がバレていたとしても、それを追求する為に場所を変えるなどとは正直に言ってくれないだろう。
現状起こりうる最悪の状況を、頭の片隅にでもおきながら行動すべきだろうな。
とは言え、今の俺は彼女の提案に頷く以外の選択肢はないんだけれどな。
ここで断ってしまえば、逆に怪しまれてしまう。
迂闊に理由を聞いたのは失敗だったな。
俺はそう思いながら、無言で首を縦に振る。
「ありがとうございます」
彼女は微笑みながら俺に向かってそう言うと、アランと名乗った男性の方に目配せする。
アランと名乗った男性はそれを軽く確認すると、先に部屋を出た。
「では移動しますので、離れずについて来てください」
出来れば俺の考えている最悪の状況にはならず、更に話される内容もそれ程深刻なものではありませんように。
俺はそう心の中で祈りながら立ち上がり、彼女の後に続く。
それと同時に鉄槌で頭を殴られているかのような激しい痛みに、俺はゆっくりと上体を起こし、痛む頭を押さえながらぼんやりとする意識の中で考える。
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「……よう…………しゅさま」
俺は痛みに耐えながら、微かに聞こえた声の方に目をやる。
するとそこには少し青みがかったドレスに、いかにも高そうなティアラを頭にのせている、見た事もない絶世の美女が居た。
「大丈夫ですか? どこか痛みますか?」
「頭が、かなり……」
「頭……まさか適応が不十分!? ……やむを得ません。アラン、今すぐアレを!!」
「わかりました。それじゃ少し失礼して」
気だるそうな声と共に美女の後ろから突如男性らしき人影が現れたかと思うと、瞬時に俺の口を押さえ、俺の口に弾力性がある液体らしき何かを無理矢理流し込んできた。
俺はあまりにも唐突過ぎる出来事に拒むことが出来ず、咄嗟に口に入ったそれを飲み込んでしまう。
すると飲み込んだと同時に、その液体が体中を物凄い勢いで巡っていくのを感じとる事が出来た。
仮に例えるとすれば、体内に生物が入って物凄い速度で動いているような、そんな寒気のするような感覚として。
「いっ、たい、なにを……」
俺は体の違和感が少しでも緩和するよう自身の体を抱え込むようにしながら、俺の口に液体らしき何かを入れてきた男性と、それを命令したであろう女性を交互に見る。
「手荒くなってしまったのは誠に申し訳ありません。ですが事態は急を要しましたので」
美女はそう言って頭を下げた後、真剣な眼差しで俺の事を見つめる。
「それよりも頭の方はまだ痛むか?」
「もち……」
もちろんと言いかけて、俺は言葉に詰まる。
何故なら先程までの激痛が嘘のように消えているからだ。
それに体の中を巡っていた寒気のするような感覚もなくなっている。
「その表情は大丈夫って事でよさそうだな」
「一先ずは安心ですね」
美女はそう言って、安堵の表情で胸をなでおろした。
心底安心したかのような彼女の表情を見て、俺は疑問に思う。
彼女は何故、見ず知らずのはずの俺をそこまで心配してくれるのか、と。
それに、先程俺に何かを無理やり飲ませた男性。
見た目は少しチャラそうな雰囲気で気だるそうにしているのだが、腰に剣と思わしき物をたずさえており、明らかにヤバい人だ。
それにしても俺はどうして知らないベッドの上で、知らない二人に見守られながら目覚めたんだ?
全く状況が理解できない。
一体俺は意識を失う前何をしていたんだ?
確か教室に入って……その後……
そうだ!
クラスの皆が消えた中で、少年に会ったんだ!
という事はあの少年が言っていた通り、ここは異世界だという事か?
いや、そうだと断定するのはやめておくべきだろうな。
もし違った時、かなり恥ずかしい事になりかねない。
「あの、何か考え事をされているようですが、少しよろしいですか?」
「え? あ、ハイ。大丈夫ですよ」
美女は優しく微笑みながらも、どこか申し訳なさそうにそう言ってきた。
俺は考え事をしている最中に声をかけられたので少し驚いたものの、特に拒否する理由もなかったので大丈夫だと答える。
「ありがとうございます。ですがその前にまずは自己紹介を、私はリリアン・ザ・サヴィオス、気安くリリアンとお呼びください」
美女は優しく微笑みながらドレスの裾を持ち、軽く頭を下げながらそう言った。
その姿はまるで物語に出てくるお姫様のような、そんな雰囲気を感じさせる。
「俺はアラン・ルーク。呼び方はあまり気にしないから、好きなように呼んでくれていいぞ」
剣を腰にたずさえた男性は、気だるそうにあらぬ方向を見ながらそう言った。
そしてリリアン・ザ・サヴィオスと名乗った女性は、次は貴方ですよ? と言わんばかりに、微笑みながら俺の事を見つめる。
相手に名乗ってもらっておいて自分は名乗らない、何てのダメだよな。
「僕は緒方 章丞です」
「オガタショウスケ……ショウスケ様とお呼びしても構いませんか?」
「様はちょっと……普通に章丞でお願いできますか?」
リリアンと名乗った女性が確認するよに聞いてきたので、俺はそう答える。
すると彼女は少し悩んだ後、渋々といった様子で「わかりました」と言ってくれた。
流石に様付けで呼ばれるような人間じゃないからな。
「では軽く自己紹介が終わったところで本題へ。まずショウスケは現状をしっかりと理解されていますか?」
「……いいえ、正直全く」
「やはりそうですよね。では説明させていただきます」
俺は彼女の言葉に内心ホッとする。
何故なら正直に答えて、なら貴方は用済みです見たいことになって何も教えてもらえないという可能性があったからだ。
「まず理解していただきたいのは、ここが貴方が元居た世界とは別の世界だという事です」
彼女は、そんな荒唐無稽な事を当たり前のように真顔で言った。
本来ならば、「そんな事はあり得ない!」そう返すのが普通だろう。
だが俺は聞いてしまった、少年の話を……
見てしまった、少年の超常の所業を……
だからこそ俺は内心思ってしまう。
やっぱりそうだったのか、と。
「……あまり驚かれないのですね」
「いぇ、十分に驚いていますよ。ただ何と言うか、あまりに驚き過ぎて言葉が出ないというか……」
俺は彼女の言葉に対して、そううそぶく。
その時、アランと名乗った男性が鋭い視線を向けてきたが、俺は気づかないふりをする。
何故ならこの場で少年の事を正直に話すメリットよりも、デメリットの方が大きいと考えたからだ。
もしかしたら話すことで信用を得られるかもしれないし、逆に敵視される可能性だってある。要は情報不足のせいで、不確定要素が多すぎるという事だ。
にしてもこんな状況で冷静に考え、ましてやこうも平然と嘘をつける人間だったとは、自分でも驚きだ。
「そうでしたか。確かにこんな事を急に言われてはそんな風になってしまうかもしれませんね」
彼女はそう言うと、何かを思考し始めた。
俺の嘘を信じてもらえたかは置いておくとして、とりあえず話が先に進みそうで良かった。
俺は表情や態度に出さないように注意しながら、そう思い内心で息をつく。
「ショウスケ、すみませんが話をする場所を変えたいのですが動けますか? 私としては、ここがショウスケの元居た世界とは違う世界だと理解してもらうのに、もっと時間を要すると考えていたのですが、それが予想よりも遥かに早く理解して頂けたみたいなので」
「構いませんが、理由をお聞きしてもいいですか?」
「はい、もちろん。実はこれからお話しする内容には、あまり大声で話せないような事があると言えば理解していただけますか?」
なるほど。
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現状起こりうる最悪の状況を、頭の片隅にでもおきながら行動すべきだろうな。
とは言え、今の俺は彼女の提案に頷く以外の選択肢はないんだけれどな。
ここで断ってしまえば、逆に怪しまれてしまう。
迂闊に理由を聞いたのは失敗だったな。
俺はそう思いながら、無言で首を縦に振る。
「ありがとうございます」
彼女は微笑みながら俺に向かってそう言うと、アランと名乗った男性の方に目配せする。
アランと名乗った男性はそれを軽く確認すると、先に部屋を出た。
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