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第二章
宿の夜②
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その夜は満月だった。煌煌と輝く2つの月は、あらゆる生きる者たちの気持ちを昂らせるという。
その為、こんな日は心を落ち着かせる香を焚いて寝る者もいるのだ。
部屋に立ち込めるのは、昼間ルパルナ達が露店で買ってきた香。
リラックスできるものらしかったが、全くラウルは眠れないでいた。
(くそ!酒を仕入れておかなかったのは失敗だったな。眠れない・・・)
何度も寝返りを打つが、心も体も整わない。
(酒場に行くか・・・。装備を整えていたら煩いよな、寝てる二人を起こすのは悪いからこのまま行くとしよう)
ラウルは頭を掻きながら体を起こす。が、その時───
突然ベッドに何かが潜り込んできた。熱く柔らかい肌触り・・・ルパルナだった。
「どこにいくの?」
下着姿の彼女は囁くように言う。
「すまない。起きてしまったか?眠れなくてな・・・。酒場に行こうかと」
「・・・ダメ。いっちゃヤダ」
そう言って体をぎゅっと寄せてくるのだった。
「ルパルナ・・・。」
「あのね、私もう我慢できない。今までずっと気持ちを話さずにいたけど、もう耐えられなくなっちゃった。私、あなたが好き!あった時からずっとずっと好きだったの」
幼い想いだった。以前の二人にどんな出会いがあったのかは全くわからない。だが、短い間でも共に旅をして、彼女の明るく優しい性格が、時々襲ってくる不安を度々拭い去ってくれたこと。その真っすぐな心根は時に不安にされるものの、生涯で経験したこともないくらい清々しく、そして何より求められている事が嬉しかった・・・
ラウルはルパルナを強く抱きしめた。
「ラウル・・・」
「言われたからじゃない。俺もずっと君の事を想っていた。最初はむす・・・いや、妹のようだったけど、いつしか異性として見ていた」
「愛してる。ルパルナ」
ラウルはルパルナの唇を奪う。彼女もゆっくりと目を閉じてそれに応える。そして、唇を離してもう一度見つめ合うと、今度は激しく求め合った・・・
「・・・んっ・・・」
ルパルナは必死で声を押し殺しながらも吐息が漏れ出てしまう。それはラウルも同じで、お互いに今までせき止めてきた想いをぶちまけたこともあり、その解放感に体が敏感になっていたのだ。
ラウルの腕に抱かれながら、嬉しさで胸が張り裂けそうだった。
幸せだった。こんなに満たされて───。
だが同時に怖さもあった。あまりに幸せすぎると、その代償に全てを失うような恐怖があったのだ。
ルパルナはゆっくりと顔を上げ、ラウルを見つめる。瞳が潤んで揺れていた。そして何かを求めるように顔を少し上げると、目を閉じて唇を上に向けた。
ラウルはその意味をすぐに理解すると、唇を重ねた。そして・・・ 二人は一晩中愛し合った。ラウルはルパルナを求め続け、彼女もまたそれを受け入れ続けた。
まだ陽が昇りそうにない時刻。だが空はすでに白み始めていた。二人は抱き合うようにして眠りに落ちていた。
その為、こんな日は心を落ち着かせる香を焚いて寝る者もいるのだ。
部屋に立ち込めるのは、昼間ルパルナ達が露店で買ってきた香。
リラックスできるものらしかったが、全くラウルは眠れないでいた。
(くそ!酒を仕入れておかなかったのは失敗だったな。眠れない・・・)
何度も寝返りを打つが、心も体も整わない。
(酒場に行くか・・・。装備を整えていたら煩いよな、寝てる二人を起こすのは悪いからこのまま行くとしよう)
ラウルは頭を掻きながら体を起こす。が、その時───
突然ベッドに何かが潜り込んできた。熱く柔らかい肌触り・・・ルパルナだった。
「どこにいくの?」
下着姿の彼女は囁くように言う。
「すまない。起きてしまったか?眠れなくてな・・・。酒場に行こうかと」
「・・・ダメ。いっちゃヤダ」
そう言って体をぎゅっと寄せてくるのだった。
「ルパルナ・・・。」
「あのね、私もう我慢できない。今までずっと気持ちを話さずにいたけど、もう耐えられなくなっちゃった。私、あなたが好き!あった時からずっとずっと好きだったの」
幼い想いだった。以前の二人にどんな出会いがあったのかは全くわからない。だが、短い間でも共に旅をして、彼女の明るく優しい性格が、時々襲ってくる不安を度々拭い去ってくれたこと。その真っすぐな心根は時に不安にされるものの、生涯で経験したこともないくらい清々しく、そして何より求められている事が嬉しかった・・・
ラウルはルパルナを強く抱きしめた。
「ラウル・・・」
「言われたからじゃない。俺もずっと君の事を想っていた。最初はむす・・・いや、妹のようだったけど、いつしか異性として見ていた」
「愛してる。ルパルナ」
ラウルはルパルナの唇を奪う。彼女もゆっくりと目を閉じてそれに応える。そして、唇を離してもう一度見つめ合うと、今度は激しく求め合った・・・
「・・・んっ・・・」
ルパルナは必死で声を押し殺しながらも吐息が漏れ出てしまう。それはラウルも同じで、お互いに今までせき止めてきた想いをぶちまけたこともあり、その解放感に体が敏感になっていたのだ。
ラウルの腕に抱かれながら、嬉しさで胸が張り裂けそうだった。
幸せだった。こんなに満たされて───。
だが同時に怖さもあった。あまりに幸せすぎると、その代償に全てを失うような恐怖があったのだ。
ルパルナはゆっくりと顔を上げ、ラウルを見つめる。瞳が潤んで揺れていた。そして何かを求めるように顔を少し上げると、目を閉じて唇を上に向けた。
ラウルはその意味をすぐに理解すると、唇を重ねた。そして・・・ 二人は一晩中愛し合った。ラウルはルパルナを求め続け、彼女もまたそれを受け入れ続けた。
まだ陽が昇りそうにない時刻。だが空はすでに白み始めていた。二人は抱き合うようにして眠りに落ちていた。
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