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第四章
戦い終わって
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「───ラウル、ちょっといい?」
アイシャはまじめな表情で、ラウルに真っすぐ問いかけた。
「水路であのヴァサニスという魔物が言っていたソルゼウデルの眷属とか封印の解除とか・・・いったい何の話なのだ?あんな強力な奴が話していて、なんだかとても嫌な予感がしてならないんだが」
ラウルはベルを見た。だが、ベルは素知らぬ顔でラウルの肩に留まっている。
(俺が判断して答えるのか・・・。)
「アイシャ、これは今身心に大事な時期のルパルナには秘密にしているんだが。実は・・・」
ラウルはアイシャにアストラ金貨の事を話した。1000年以上昔に世界を神に代わって手にしようとした魔界の頂点に立つ魔神ソルゼウデルという存在がいて、それをアストラ王という英雄が倒したとの事。
だが完全に消滅させることはできず、封印という形を取った。それがアストラ金貨だった。
その封印を解くことで、魔神復活を狙う存在がいる事を話した・・・。もちろん、自分がアストラ金貨を引き寄せる運命を背負った存在であること、魔神の復活は間もなくに迫っている事は伏せた。
「重大なことだぞ!それは!陛下のお耳に入れないといけない事だ」
「うむ・・・だが、魔神の事を知らないものが多い中で、騒ぎ立てるのもどうかと思う。それに封印の解除方法が分からない」
「・・・そのフェアリーが知っているのでは?それに眷属って・・・」
アイシャはベルを冷たい目で睨む。
「知らないわけじゃないわよ。でも、この広い世界で流通しまくっている金貨の中からアストラ金貨だけを探し出して封印を解除するなんて、どだい無理な話だと思わない?」
「・・・それはそうだが・・・。何があるかわからない。私はこれから王都に向かい、陛下に話をする。できればラウル、貴方も来てほしい」
「そうしたいが、故郷に向かわないといけないんだ。実は弟のカレルが・・・死んでな。それを伝えに戻る道中なのさ」
「か、カレルが!?そんな・・・そうだったの。貴方に憧れて、追いかけて旅に出たって言う話は聞いていたんだけれど・・・。残念だわ。ラウル。あの子はいつも私たちが遊んでいた時、後ろからついてきてましたね。いい子だった」
アイシャは残念そうに項垂れた。
「ラウル、そういうことなら私は先に王都に向かいます。貴方は予定通りになさってください。そして・・・踏ん切りがついたら王都に私を訪ねてくださいね」
「わかった。ありがとうアイシャ。くれぐれも言っておくが、すぐ陛下に話すのではなく、そういう知識のある人物に先に話してソルゼウデルの存在の裏どりをしてから・・・」
「大丈夫ですよ。ラウル。私はそこまで考え無しじゃありません」
笑顔で答えるアイシャ。
その後、二人は別れた。ラウルとベルは、ルパルナの待つ宿に。アイシャは兵営に。金貨の引き上げの残務はラウルが関わるわけにもいかないので、全て彼女に任せる事になった。
(真面目そうなアイシャならまかせても何の問題もないだろう)
宿に戻るとルパルナが起きて待っていた。
「おかえり!二人とも・・・ってすごい傷!!何!?強敵がいたのね!私も行けばよかったー-」
「そんな無茶言うんじゃない。いたら危なかったんだぞ」
「そうよー。ラウルもボロボロでアイシャが居なかったら本当に死んでたかも」
「アイシャ!?」
「ああ・・・あ、そうだ!取り返してきたよ。財布。中身もちゃんとあった」
「ありがとう!」
「それを見つけたのもアイシャよ」
「そ、そうなんだ・・・今度会ったらお礼言わなくちゃ」
「うんうん、あなたは正式な奥様なんだからぁ、赤ちゃんも作ったんだし堂々としてなさい」
「まあ、側室でアイシャが嫁いで来るなんてこともあるかも?どのみち仲良くした方がいいかもー」
「側・・・室?」
「あら?貴族ってそういうのが普通でしょ?」
「ベル!余計なことを!!」
「まさか、ほんとに側室をつくるつもりだった?」
「違う違う!思わない!」
「じゃ、ぎゅってして」
「もちろん」
「あー-もー-始まった。ちょっとラウルダメージ深いんでしょ?薬湯に入りに行くわよ」
「ふふっいってらっしゃい」
ルパルナの冗談だったようだ。
アイシャはまじめな表情で、ラウルに真っすぐ問いかけた。
「水路であのヴァサニスという魔物が言っていたソルゼウデルの眷属とか封印の解除とか・・・いったい何の話なのだ?あんな強力な奴が話していて、なんだかとても嫌な予感がしてならないんだが」
ラウルはベルを見た。だが、ベルは素知らぬ顔でラウルの肩に留まっている。
(俺が判断して答えるのか・・・。)
「アイシャ、これは今身心に大事な時期のルパルナには秘密にしているんだが。実は・・・」
ラウルはアイシャにアストラ金貨の事を話した。1000年以上昔に世界を神に代わって手にしようとした魔界の頂点に立つ魔神ソルゼウデルという存在がいて、それをアストラ王という英雄が倒したとの事。
だが完全に消滅させることはできず、封印という形を取った。それがアストラ金貨だった。
その封印を解くことで、魔神復活を狙う存在がいる事を話した・・・。もちろん、自分がアストラ金貨を引き寄せる運命を背負った存在であること、魔神の復活は間もなくに迫っている事は伏せた。
「重大なことだぞ!それは!陛下のお耳に入れないといけない事だ」
「うむ・・・だが、魔神の事を知らないものが多い中で、騒ぎ立てるのもどうかと思う。それに封印の解除方法が分からない」
「・・・そのフェアリーが知っているのでは?それに眷属って・・・」
アイシャはベルを冷たい目で睨む。
「知らないわけじゃないわよ。でも、この広い世界で流通しまくっている金貨の中からアストラ金貨だけを探し出して封印を解除するなんて、どだい無理な話だと思わない?」
「・・・それはそうだが・・・。何があるかわからない。私はこれから王都に向かい、陛下に話をする。できればラウル、貴方も来てほしい」
「そうしたいが、故郷に向かわないといけないんだ。実は弟のカレルが・・・死んでな。それを伝えに戻る道中なのさ」
「か、カレルが!?そんな・・・そうだったの。貴方に憧れて、追いかけて旅に出たって言う話は聞いていたんだけれど・・・。残念だわ。ラウル。あの子はいつも私たちが遊んでいた時、後ろからついてきてましたね。いい子だった」
アイシャは残念そうに項垂れた。
「ラウル、そういうことなら私は先に王都に向かいます。貴方は予定通りになさってください。そして・・・踏ん切りがついたら王都に私を訪ねてくださいね」
「わかった。ありがとうアイシャ。くれぐれも言っておくが、すぐ陛下に話すのではなく、そういう知識のある人物に先に話してソルゼウデルの存在の裏どりをしてから・・・」
「大丈夫ですよ。ラウル。私はそこまで考え無しじゃありません」
笑顔で答えるアイシャ。
その後、二人は別れた。ラウルとベルは、ルパルナの待つ宿に。アイシャは兵営に。金貨の引き上げの残務はラウルが関わるわけにもいかないので、全て彼女に任せる事になった。
(真面目そうなアイシャならまかせても何の問題もないだろう)
宿に戻るとルパルナが起きて待っていた。
「おかえり!二人とも・・・ってすごい傷!!何!?強敵がいたのね!私も行けばよかったー-」
「そんな無茶言うんじゃない。いたら危なかったんだぞ」
「そうよー。ラウルもボロボロでアイシャが居なかったら本当に死んでたかも」
「アイシャ!?」
「ああ・・・あ、そうだ!取り返してきたよ。財布。中身もちゃんとあった」
「ありがとう!」
「それを見つけたのもアイシャよ」
「そ、そうなんだ・・・今度会ったらお礼言わなくちゃ」
「うんうん、あなたは正式な奥様なんだからぁ、赤ちゃんも作ったんだし堂々としてなさい」
「まあ、側室でアイシャが嫁いで来るなんてこともあるかも?どのみち仲良くした方がいいかもー」
「側・・・室?」
「あら?貴族ってそういうのが普通でしょ?」
「ベル!余計なことを!!」
「まさか、ほんとに側室をつくるつもりだった?」
「違う違う!思わない!」
「じゃ、ぎゅってして」
「もちろん」
「あー-もー-始まった。ちょっとラウルダメージ深いんでしょ?薬湯に入りに行くわよ」
「ふふっいってらっしゃい」
ルパルナの冗談だったようだ。
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