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第六章
ルパルナのいない旅
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翌日にはラウルは荷物をまとめていた。ルパルナも手伝ってくれていたため、思ったより早く準備が出来てしまった。この日発つという話を朝の食事中に母と妹に話すと、やはり止められたが、ラウルの決意は変わらなかった。
「申し訳ありません。俺はどうしても行かねばなりません。このままここにいたら居心地の良さにいつまでも留まってしまう。くれぐれもルパルナをお願いします」
「それは安心して欲しいですけれど・・・残念ですわ」
母はそう言ってくれた。
「お兄様、お義姉様を寂しがらせないように、頻繁にお手紙をくださいましね」
「ああ、わかったよ。ジル」
「ラウル、私ちゃんと待ってるから・・・」
「うん、待っていてくれ。更なる力を手に入れて戻ってくる」
後ろ髪を引かれる思いでラウルは屋敷を発った。いつも傍にいた可愛らしい笑顔のルパルナはいない。そんな荷馬車は二人だけでは思っていたより広く、別れたばかりだというのに寂しさが募る。
(これは、フランクの時に妻が消えたあの時に似ている・・・。こればかりは何度も経験したくないものだな)
ベルはラウルの頭の上に乗っかって昼寝をしているようだ。
目指すは王都。先ずは王都のアイシャと合流することが先決だ。
アルベルド領から王都ルヴァーツに行くには、南の街道を1週間以上進まなければいけない。
途中の街や村に寄って急がずに向かうつもりなので、もう少しかかるだろうか。
「ラウル―。ギルドで依頼とか受けないでこのままいくの?」
「そうだな・・・。街でいいのがあれば受けてもいいか。なあ、ルパルナ」
「・・・俺とベルの二人きりだったな」
「あ、そうよね・・・。私もうっかりしてた」
「依頼をこなしながら行こう。仲間も募集しながら王都に向かったほうがいい」
「うん。仲間ができたとして、金貨の事どう話すの?」
「アイシャに話した程度は明かそう。でないと面倒になる」
「あなたが封印の解除者であるということは隠すのね。あとは魔神ソルゼウデルの復活が近いということも」
「魔神復活に関しては陛下には話してもいいかもしれないが、その時の状況にもよるな」
「わかったよー」
「仲間か・・・。都合よく集まってくれればいいけどな」
「魔法職は欲しいわよね。あとは治療師。ルパルナのように強い戦士ももう一人いれば完璧?」
「そうだなあ」
「で、全部女の人が理想よね?」
「そうだなあ・・・ってそっちは気にしない!」
「あんたは男なんだし、ちゃんとわかってるわよぉ」
「五月蠅いぞ!ベル!」
ケタケタ笑いながら飛び回る黒妖精。
(確かに男ばかりなのはむさ苦しくて嫌だけどな。でも、そう都合よく行かないさ。強さ優先で探してみよう)
数日後、2つの村を経由して、ラウル達はアルベルド領南端にある街アンセルムスにやってきた。
ちなみに村には共に旅をするに値するような冒険者はいなかった。
初心者に毛の生えた程度の冒険者ばかりだったので仕方なかったのだ。
「ベル、ギルドに行くぞ」
「はぁい」
ギルドは多くの冒険者で賑わっていた。
ラウルはいつも通りに受付に登録証を提出した。すると、受付の女性が声を掛けてきた。
「ラウル様、過日のステラス領での貢献により、星ランクが一つ上がりました。今後は星3黄金級冒険者となります。おめでとうございます!」
「ラウルおめでとう!」
ギルドの中が一気に盛り上がって、皆が歓声を上げた。
皆が口々にラウルを称え、畏敬の眼差しを向ける。
「ここに単独で旅をしている者はいないだろうか。他のパーティには訳があって俺が入るわけにはいかないんだ・・・」
「そうですねぇ・・・でしたら募集の掲示板をご利用してみてはいかがでしょうか」
「そうだな。いつもすぐに旅立ってしまっていたし、仲間がいたから利用しなかったんだが、今回はやってみよう。」
ラウルは渡された羊皮紙にメンバーを募集することを書いて、掲示板に張り付けた。
そして次に何か依頼は無いか問いかけた。
「ラウル様に相応しい内容の物は今のところ無いのですが、少し時間を置かれてはいかがでしょうか」
「無駄に待つよりは何かしていた方がいい」
「では、今ある最難関の依頼をお願いします。報酬は・・・」
紹介されたのは街の西にある開拓地に出没する大型モンスターの討伐だった。出現するモンスターはトロールの他にジャイアントアントが確認されているが、他にも存在しているかもしれない。
3日程滞在して狩れるだけ狩ってほしいとのこと。依頼主はアルベルド伯・・・、ラウルの父だった
。開拓地と言うことだから領主からの依頼というのは尤もだった。
ラウルはこの依頼を受けると、颯爽とギルドを後にした。
「申し訳ありません。俺はどうしても行かねばなりません。このままここにいたら居心地の良さにいつまでも留まってしまう。くれぐれもルパルナをお願いします」
「それは安心して欲しいですけれど・・・残念ですわ」
母はそう言ってくれた。
「お兄様、お義姉様を寂しがらせないように、頻繁にお手紙をくださいましね」
「ああ、わかったよ。ジル」
「ラウル、私ちゃんと待ってるから・・・」
「うん、待っていてくれ。更なる力を手に入れて戻ってくる」
後ろ髪を引かれる思いでラウルは屋敷を発った。いつも傍にいた可愛らしい笑顔のルパルナはいない。そんな荷馬車は二人だけでは思っていたより広く、別れたばかりだというのに寂しさが募る。
(これは、フランクの時に妻が消えたあの時に似ている・・・。こればかりは何度も経験したくないものだな)
ベルはラウルの頭の上に乗っかって昼寝をしているようだ。
目指すは王都。先ずは王都のアイシャと合流することが先決だ。
アルベルド領から王都ルヴァーツに行くには、南の街道を1週間以上進まなければいけない。
途中の街や村に寄って急がずに向かうつもりなので、もう少しかかるだろうか。
「ラウル―。ギルドで依頼とか受けないでこのままいくの?」
「そうだな・・・。街でいいのがあれば受けてもいいか。なあ、ルパルナ」
「・・・俺とベルの二人きりだったな」
「あ、そうよね・・・。私もうっかりしてた」
「依頼をこなしながら行こう。仲間も募集しながら王都に向かったほうがいい」
「うん。仲間ができたとして、金貨の事どう話すの?」
「アイシャに話した程度は明かそう。でないと面倒になる」
「あなたが封印の解除者であるということは隠すのね。あとは魔神ソルゼウデルの復活が近いということも」
「魔神復活に関しては陛下には話してもいいかもしれないが、その時の状況にもよるな」
「わかったよー」
「仲間か・・・。都合よく集まってくれればいいけどな」
「魔法職は欲しいわよね。あとは治療師。ルパルナのように強い戦士ももう一人いれば完璧?」
「そうだなあ」
「で、全部女の人が理想よね?」
「そうだなあ・・・ってそっちは気にしない!」
「あんたは男なんだし、ちゃんとわかってるわよぉ」
「五月蠅いぞ!ベル!」
ケタケタ笑いながら飛び回る黒妖精。
(確かに男ばかりなのはむさ苦しくて嫌だけどな。でも、そう都合よく行かないさ。強さ優先で探してみよう)
数日後、2つの村を経由して、ラウル達はアルベルド領南端にある街アンセルムスにやってきた。
ちなみに村には共に旅をするに値するような冒険者はいなかった。
初心者に毛の生えた程度の冒険者ばかりだったので仕方なかったのだ。
「ベル、ギルドに行くぞ」
「はぁい」
ギルドは多くの冒険者で賑わっていた。
ラウルはいつも通りに受付に登録証を提出した。すると、受付の女性が声を掛けてきた。
「ラウル様、過日のステラス領での貢献により、星ランクが一つ上がりました。今後は星3黄金級冒険者となります。おめでとうございます!」
「ラウルおめでとう!」
ギルドの中が一気に盛り上がって、皆が歓声を上げた。
皆が口々にラウルを称え、畏敬の眼差しを向ける。
「ここに単独で旅をしている者はいないだろうか。他のパーティには訳があって俺が入るわけにはいかないんだ・・・」
「そうですねぇ・・・でしたら募集の掲示板をご利用してみてはいかがでしょうか」
「そうだな。いつもすぐに旅立ってしまっていたし、仲間がいたから利用しなかったんだが、今回はやってみよう。」
ラウルは渡された羊皮紙にメンバーを募集することを書いて、掲示板に張り付けた。
そして次に何か依頼は無いか問いかけた。
「ラウル様に相応しい内容の物は今のところ無いのですが、少し時間を置かれてはいかがでしょうか」
「無駄に待つよりは何かしていた方がいい」
「では、今ある最難関の依頼をお願いします。報酬は・・・」
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ラウルはこの依頼を受けると、颯爽とギルドを後にした。
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