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3話 仲間を集める姫
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「赤竜ーーアカーリンネルダルスは、『情熱』や『焦燥』、あとは『戦い』を象徴してるとも言われるわね。『旅立ちの祝砲』と謳われる、勢いはあるけど、勢いだけしかない浅慮な若者ーーみたいに描かれることが多いわ」
赤竜ーーアカンテと「知恵比べ」すんなってクロは言ってたが、人口に膾炙してる伝承からすっと、別竜じゃねぇかってくれぇ的外れなんだが。
「アカンテと最も異なるのは、『浅慮な若者』という箇所ですね。『人化』した際の竜の姿は、概ね竜に相応したものになっています。十五歳ほどに見えるシロンは、成竜ーー人間であれば成人と見做されます。私が二十歳相応で、チャエンが十八歳。そしてアカンテが、爺様です」
「お爺さんということは、クロッツェの四倍くらい長生きってこと?」
「ええ、アカンテは竜種の長となります。これは『五色の竜』の長、ということではなく、『神竜大戦』以前からの長ということになります」
おおっ、つまりは竜種切っての大物ってことか?
ただ、爺ってことは、能力自体は衰えてる可能性もあるか。或いは竜だから、そんなことはねぇのか?
「アカンテは話を聞いてくれますし、私とシロンが頼めば、普通に手伝ってくれると思います。おかしな勘違いをしないよう姫さまには竜のことを知っていただきます。見返り、ということではありませんが、そこで、未だ姫さまが秘密になされている『極秘計画』について語っていただきます」
「やめて、クロッツェ。『五色の竜』を集めようとしてるのはとんでもないことだけど、やろうとしてることは、ほんとぉ~に、大したことじゃないから」
「ええ、だからこそ楽しみなのです」
「竜化」してんときのクロの声は、普段より深味があって肌に響く。楽しみを見出したクロほど厄介なものはねぇからな、用心に越したことはねぇか。
下手すっと本音がぽろっと出ちまいそうなんで、白竜に密航して、竜の尻尾と遊んでた猫どもを呼び寄せとくか。
にゃー。にゃ~。
にゃー。にゃ~。
はいは~い、にゃんこたち、私の背中にでもくっついてなさい。
シロンの塒を出発してから、ずっと背中にくっついてるから丁度いいわ。
「できればシロンの背中を定位置にしたいけど、無理やりというのは趣味じゃないから、嫌なら我慢なんてせずにはっきりと『人間ごときにくっつかれたら、鱗が汚れるぜ』と言ってね」
「なふ? リップスさんは、クロッツェさんの魔力が染みついているので、問題ありません。それに、リップスさんは僕に勝って『半クロッツェさん』になったので、どんどんくっついてきてください」
「半クロッツェ」って、シロンの基準は、どこまでいってもクロッツェなのね。
まあ、ありがたいことね。クロッツェの半分ということは、竜から途轍もない祝福を受けたようなものだもの。
実際、この感触は正しく「祝福」だわ。
「シロン。クロッツェと一緒に寝ないのなら、私と一緒に寝るわよ」
「もふ? クロッツェさんは僕と一緒に寝てくれるんですか?」
「ーー姫さまは、男性より女性のほうが好きだったのですか?」
何だか話が噛み合ってないわね。流れからいって、私が答えるのが先かしら。
「一緒にいるなら、女の子がいいってだけよ。私だって、将来、納得のいく男と結ばれて、子供を育てたいーーそんなことを夢見てる、普通の乙女よ」
「普通の乙女ーーぷぷっ、などと笑ってしまっては失礼になりますね。ただ、傅役としましては、『納得のいく』ではなく、そこは『好きな』としていただきたいところです。どうも姫さまは、そこのところを打算や妥協といったもので誤魔化そうとしてしまわれますので。このクロッツェ、心配で心配で、今にも胸が張り裂けそうでございます。ああ、あと、シロンは『半クロッツェ』としっぽりしていてください。ーー尻尾だけに」
振り返ると、尻尾をふりふり。
乗ってる竜頭が揺れるから、ほどほどにね。
珍しく戯けてみせたようだけど、反応したら負けのような気がするから、無視が最適解かしら。
「ん?」
何かがお腹に当たったので見てみると。シロンのスカートの下から出ていた、白いもふもふの尻尾がくねくね。
ーー当の然、勿の論、撫でまくりよ、愛でまくりよ。
「人化」した状態でも尻尾を生やせるのね。尻尾を生やしたままのほうがいいような気もするけど、これは甲乙つけがたいわね。
「茶竜は、黄竜とも言われてるわね。どっちが正しいのかしら?」
「物語では混同されることもありますが、チャエンという偽名からわかる通り、茶竜が正解です」
「ふ~ん。そのチャエンという名前だけど、クロッツェとシロンのあとに、自分から名乗るようになったのかしら?」
「ふな? リップスさん、どうしてわかったんですか? 僕がクロッツェさんに名づけてもらったあとに、チャエンさんは『そーすっと、俺ぁチャエンだな』と言いました」
「どうしてって。クロッツェの『エ』とシロンの『ン』。それでチャエンよ」
「…………」
「…………」
「ちょっ、クロッツェ! 失速してるわよっ、そのまま落っこちてるんじゃないわよ! シロンもっ、ばったり倒れないで!?」
「ーーーー」
「ーーーー」
「二竜とも、どうしたのよ? 私のは、ただの推察よ。合ってるかどうかなんて、本人ならぬ本竜から聞いてみないとわからないじゃない」
「いえ、姫さまの推察は、恐らく当たっています。チャエンは、そういう竜ですので。……一度ならず二度までも姫さまに負けてしまいました。このクロッツェ、もはや脱帽、そのうち脱皮してしまうのではないかと危惧してしまうくらい自信喪失にございます」
変な比喩を用いるくらいには余裕があるみたいだけどね。
シロンも同様に落ち込んでいるかと思ったら、逆に晴れ晴れとした顔で、「クロッツェ度」を上げてくれた。
「だふっ! リップスさんはっ、凄いです! 『だいたいクロッツェさん』にします!」
「そうなると、次は『ほとんどクロッツェ』かしら?」
「いえ、私水準になるには、もう千歩くらい、努力が必要かと。ですので『だいぶクロッツェ』や『大まかクロッツェ』、『極めてクロッツェ』などを設定したほうが良いかと」
そんなどうでもいいことは措いて。シロンの前に回って、膝の上に座ってみる。
背中にくっつかれて、お腹に手を回されて。うん、これも悪くないわね。玉座だって、これ以上の座り心地じゃないことは保証できるわ。
「あら? シロンったら、私のお腹が気に入ったの?」
「むふ。何だか不思議なんです。こうしてリップスさんのお腹を撫でていると、安心できます。ーークロッツェさんの足の裏を触っていたときと同じです」
……困ったわ。私としたことが、どう反応したものか、まるで答えがわからない。
やっぱりあれかしら。人の姿をしていても、竜は竜。人間とは感性がどこか違うのかもね。クロッツェほどではないにしても、シロンもちょっとおかしなところがあるし。
「アカンテのいる北の国ーーボレアス国までは距離があります。二日後の到着予定ですので、まずは食料を買い込みましょう」
「ボレアス国というと、北の大国の一つだけど、『最果ての国』とも呼ばれていたわね。赤竜というと炎を連想するけど、寒いところが好きなのかしら?」
「いえ、違いますよ。『神竜大戦』時の拠点が、ボレアス国の近くにあったのです。アカンテからすると、長く過ごした場所になるので、離れ難いのかもしれません」
「五色の竜」を集めようとしている割には、ずいぶんまったりしているけど。クロッツェの言い様からすると、チャエンからが本番ーーということなのかしら。
今のところ、青竜については多く語ってないし、二竜には何かありそうね。
「ふふっ、楽しみね」
この先、どうなるかなんてわからないけど、一つだけ決めてることがあるわ。
それは、目一杯楽しむってこと。
ひょんなことから、これまで誰一人として叶わなかった、物語のような出来事を体験できているんですもの。この物語を最後まで楽しまないなんて嘘よ。
それが私だって、私自身で決めたんだから。
世界の果てまでだって、突っ走ってやるわ!
赤竜ーーアカンテと「知恵比べ」すんなってクロは言ってたが、人口に膾炙してる伝承からすっと、別竜じゃねぇかってくれぇ的外れなんだが。
「アカンテと最も異なるのは、『浅慮な若者』という箇所ですね。『人化』した際の竜の姿は、概ね竜に相応したものになっています。十五歳ほどに見えるシロンは、成竜ーー人間であれば成人と見做されます。私が二十歳相応で、チャエンが十八歳。そしてアカンテが、爺様です」
「お爺さんということは、クロッツェの四倍くらい長生きってこと?」
「ええ、アカンテは竜種の長となります。これは『五色の竜』の長、ということではなく、『神竜大戦』以前からの長ということになります」
おおっ、つまりは竜種切っての大物ってことか?
ただ、爺ってことは、能力自体は衰えてる可能性もあるか。或いは竜だから、そんなことはねぇのか?
「アカンテは話を聞いてくれますし、私とシロンが頼めば、普通に手伝ってくれると思います。おかしな勘違いをしないよう姫さまには竜のことを知っていただきます。見返り、ということではありませんが、そこで、未だ姫さまが秘密になされている『極秘計画』について語っていただきます」
「やめて、クロッツェ。『五色の竜』を集めようとしてるのはとんでもないことだけど、やろうとしてることは、ほんとぉ~に、大したことじゃないから」
「ええ、だからこそ楽しみなのです」
「竜化」してんときのクロの声は、普段より深味があって肌に響く。楽しみを見出したクロほど厄介なものはねぇからな、用心に越したことはねぇか。
下手すっと本音がぽろっと出ちまいそうなんで、白竜に密航して、竜の尻尾と遊んでた猫どもを呼び寄せとくか。
にゃー。にゃ~。
にゃー。にゃ~。
はいは~い、にゃんこたち、私の背中にでもくっついてなさい。
シロンの塒を出発してから、ずっと背中にくっついてるから丁度いいわ。
「できればシロンの背中を定位置にしたいけど、無理やりというのは趣味じゃないから、嫌なら我慢なんてせずにはっきりと『人間ごときにくっつかれたら、鱗が汚れるぜ』と言ってね」
「なふ? リップスさんは、クロッツェさんの魔力が染みついているので、問題ありません。それに、リップスさんは僕に勝って『半クロッツェさん』になったので、どんどんくっついてきてください」
「半クロッツェ」って、シロンの基準は、どこまでいってもクロッツェなのね。
まあ、ありがたいことね。クロッツェの半分ということは、竜から途轍もない祝福を受けたようなものだもの。
実際、この感触は正しく「祝福」だわ。
「シロン。クロッツェと一緒に寝ないのなら、私と一緒に寝るわよ」
「もふ? クロッツェさんは僕と一緒に寝てくれるんですか?」
「ーー姫さまは、男性より女性のほうが好きだったのですか?」
何だか話が噛み合ってないわね。流れからいって、私が答えるのが先かしら。
「一緒にいるなら、女の子がいいってだけよ。私だって、将来、納得のいく男と結ばれて、子供を育てたいーーそんなことを夢見てる、普通の乙女よ」
「普通の乙女ーーぷぷっ、などと笑ってしまっては失礼になりますね。ただ、傅役としましては、『納得のいく』ではなく、そこは『好きな』としていただきたいところです。どうも姫さまは、そこのところを打算や妥協といったもので誤魔化そうとしてしまわれますので。このクロッツェ、心配で心配で、今にも胸が張り裂けそうでございます。ああ、あと、シロンは『半クロッツェ』としっぽりしていてください。ーー尻尾だけに」
振り返ると、尻尾をふりふり。
乗ってる竜頭が揺れるから、ほどほどにね。
珍しく戯けてみせたようだけど、反応したら負けのような気がするから、無視が最適解かしら。
「ん?」
何かがお腹に当たったので見てみると。シロンのスカートの下から出ていた、白いもふもふの尻尾がくねくね。
ーー当の然、勿の論、撫でまくりよ、愛でまくりよ。
「人化」した状態でも尻尾を生やせるのね。尻尾を生やしたままのほうがいいような気もするけど、これは甲乙つけがたいわね。
「茶竜は、黄竜とも言われてるわね。どっちが正しいのかしら?」
「物語では混同されることもありますが、チャエンという偽名からわかる通り、茶竜が正解です」
「ふ~ん。そのチャエンという名前だけど、クロッツェとシロンのあとに、自分から名乗るようになったのかしら?」
「ふな? リップスさん、どうしてわかったんですか? 僕がクロッツェさんに名づけてもらったあとに、チャエンさんは『そーすっと、俺ぁチャエンだな』と言いました」
「どうしてって。クロッツェの『エ』とシロンの『ン』。それでチャエンよ」
「…………」
「…………」
「ちょっ、クロッツェ! 失速してるわよっ、そのまま落っこちてるんじゃないわよ! シロンもっ、ばったり倒れないで!?」
「ーーーー」
「ーーーー」
「二竜とも、どうしたのよ? 私のは、ただの推察よ。合ってるかどうかなんて、本人ならぬ本竜から聞いてみないとわからないじゃない」
「いえ、姫さまの推察は、恐らく当たっています。チャエンは、そういう竜ですので。……一度ならず二度までも姫さまに負けてしまいました。このクロッツェ、もはや脱帽、そのうち脱皮してしまうのではないかと危惧してしまうくらい自信喪失にございます」
変な比喩を用いるくらいには余裕があるみたいだけどね。
シロンも同様に落ち込んでいるかと思ったら、逆に晴れ晴れとした顔で、「クロッツェ度」を上げてくれた。
「だふっ! リップスさんはっ、凄いです! 『だいたいクロッツェさん』にします!」
「そうなると、次は『ほとんどクロッツェ』かしら?」
「いえ、私水準になるには、もう千歩くらい、努力が必要かと。ですので『だいぶクロッツェ』や『大まかクロッツェ』、『極めてクロッツェ』などを設定したほうが良いかと」
そんなどうでもいいことは措いて。シロンの前に回って、膝の上に座ってみる。
背中にくっつかれて、お腹に手を回されて。うん、これも悪くないわね。玉座だって、これ以上の座り心地じゃないことは保証できるわ。
「あら? シロンったら、私のお腹が気に入ったの?」
「むふ。何だか不思議なんです。こうしてリップスさんのお腹を撫でていると、安心できます。ーークロッツェさんの足の裏を触っていたときと同じです」
……困ったわ。私としたことが、どう反応したものか、まるで答えがわからない。
やっぱりあれかしら。人の姿をしていても、竜は竜。人間とは感性がどこか違うのかもね。クロッツェほどではないにしても、シロンもちょっとおかしなところがあるし。
「アカンテのいる北の国ーーボレアス国までは距離があります。二日後の到着予定ですので、まずは食料を買い込みましょう」
「ボレアス国というと、北の大国の一つだけど、『最果ての国』とも呼ばれていたわね。赤竜というと炎を連想するけど、寒いところが好きなのかしら?」
「いえ、違いますよ。『神竜大戦』時の拠点が、ボレアス国の近くにあったのです。アカンテからすると、長く過ごした場所になるので、離れ難いのかもしれません」
「五色の竜」を集めようとしている割には、ずいぶんまったりしているけど。クロッツェの言い様からすると、チャエンからが本番ーーということなのかしら。
今のところ、青竜については多く語ってないし、二竜には何かありそうね。
「ふふっ、楽しみね」
この先、どうなるかなんてわからないけど、一つだけ決めてることがあるわ。
それは、目一杯楽しむってこと。
ひょんなことから、これまで誰一人として叶わなかった、物語のような出来事を体験できているんですもの。この物語を最後まで楽しまないなんて嘘よ。
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