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第18話 従者の土産

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毒を摂取しなくなったジュリアの熱は下がったが、

一切食べ物を受け付けなくなってしまった。

無理矢理食べ物を飲み込んでもすぐに吐いてしまった。

国王夫妻も、

フィーの両親も、

城中のものがジュリアを心配したが、

食べ物を受け付けないジュリアはどんどん弱っていった。

バジリスク将軍は、

毎日ジュリアを見舞っていた。

妻のターニャもジュリアを心配していたが、

ターニャは産後のひだちがあまりよくなく

とても城までは来れなかった。

ジュリアがほとんど何も食べなくなってから、

七日目の朝、

見舞いに来たバジリスク将軍は、

ジュリアの側にいるはずの娘が見当たらないことを不審に思い、

ジュリアの看病をしている医師と看護師に、

「フィーは何をしている?」

と聞いた。

皆ジュリアの看護に忙しく、

フィーには構っていられなかったので、

誰もフィーの居場所を知らなかった。
















フィーはその頃王宮の庭の木に登っていた。

フィーは木登りが得意ではなかったので、

何度も木からずり落ちて、

あちこちに擦り傷を作っては、

再び登っていた。

何度目かの登頂で、

フィーは目当てのものを手に入れた。















「とかげの丸焼きじゃないけど、

これでいいかな?」











一人呟くフィーの手には、

王宮の庭の木になっていた、

固い皮に包まれた大人の手のひらくらいの大きさの果実があった。
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