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第28話 決意

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結局アーノルドはアデリアへのお土産用に

『苺生クリームドラヤキ』を沢山もって、

公爵家の面々に礼を言って、

馬車に乗って王宮へ帰っていった。

アーノルドの馬車を見送ったあと、

「シャルロット!

アーノルド殿下はとても気さくでお優しい方ね!」

母親のルミリアがニコニコしながら言ったので、

シャルロットはコクリとうなずいた。

「まぁまぁ!

シャルロット!

ジョージア殿下とのお話がなくなって、

すぐにアーノルド殿下とのお話が出たから、

本当はちょっと心配していたの!

でも今日はとても安心したわ!」

ルミリアはシャルロットが不器用で、

そんなにうまく切り替えられるか心配していたのだが、

今日料理場で、

シャルロットや使用人たちと一緒にとても美味しそうにパクパクドラヤキを食べているアーノルドと、

非常に分かりにくいがそれを嬉しそうに見ているシャルロットを見て安心したのだった。

シャルロットはやはり母親に心配をかけていたのかと思った。







『アーノルド様とも将来的には婚約破棄することになるだろうし……(-_-)』





そう思うとシャルロットは母親に申し訳なかった。

シャルロットはアーノルドと一緒にいると楽しかったが、

自分のように可愛げもなくて、

愛想もなくて、面白みもなくて、

陰気な者はアーノルドにはふさわしくない。






ご機嫌な母親をぼんやり見ながら

『中々うまくいかないけど、やっぱり婚約破棄頑張ろう…(-_-)』

シャルロットは決意を新たにした。









シャルロットの決意をよそに、

『苺生クリームドラヤキ』はアデリアに絶賛され、

シャルロットはアデリアに非常に気に入られることになる。
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