マシュマロ王子と無愛想な婚約者の前途多難な婚約破棄(-_-)

第58話 リーゼロッテ

それまでのリーゼロッテのシャルロットに対する態度はあまり良いものではなかったが、

会えば嫌味をいう程度だった。

シャルロットは大変鈍かったので、

リーゼロッテの嫌味にも気づかないことが多く、

大した問題にはならなかった。

しかしリーゼロッテのシャルロットに対する態度が急激に悪化し、

さすがのシャルロットも、

自分がリーゼロッテに嫌われていることは分かったが、

なぜ急にリーゼロッテの態度が悪化したのか分からなかった。

リーゼロッテは正妃の縁戚であったため、

正妃の宮の侍女は皆、

リーゼロッテの味方だった。

シャルロットは度々リーゼロッテに正妃の宮に呼び出された。

その度にシャルロットはリーゼロッテにひどい言葉を度々あびせられたが、

控えている侍女たちはリーゼロッテに追従して、

クスクス冷たく笑うだけだった。

シャルロットは

『自分が何かリーゼロッテに対して悪いことをしてしまったのだ』

と思い込んで、

リーゼロッテに対しても逆らわなかった。

また両親にもリーゼロッテに辛く当たられていることは言わなかった。

正妃の宮でリーゼロッテがシャルロットに対して辛く当たっていることを

正妃が把握していないわけがなかった。

自分が何か言ったら、

父と正妃の関係が悪化することは、

子供のシャルロットにも分かったからだ。

シャルロットはリーゼロッテからの仕打ちに黙って耐えたが、

ストレスから食欲がなくなり、

次第に痩せていったのだった。