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第74話 アーノルドの考察

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マリアンナは性格は悪いし、ワガママだった。

ジョージアの前では猫を被っているようだったが、

兄は賢いから、多分マリアンナの本性に気がついているだろう。

リーゼロッテはよく知らないが、

兄があそこまで悪く言うなら性格は最悪だろう。

もう一人のクリスティー本人はよく知らないが、

熊みたいな国軍の将軍の孫娘であることは知っていた。

本人も将来は騎士になりたいといって憚らず、

騎士団に出入りして、

中々の腕前だと噂を聞いたことがあった。

クリスティーの顔はしらなかったが、

アーノルドの想像では、

熊みたいな国軍の将軍が女装している顔しか思い浮かばなかった。

アーノルドの想像力は貧弱であった。

そしてシャルロットだ。

シャルロットは無表情で、

何を考えているかわかりにくい子だが、

何にでも一生懸命で、

優しくていい子だ。

どう考えても四人の中で一番ましな気がする。

『それに可愛いし………』

アーノルドはシャルロットがふにゃっと笑った顔を思い出してジタバタした。

アーノルドの馬鹿は悪化の一途を辿っている。







『兄上はシャルロットのことが好きだったのかな……』







アーノルドそう考えると、

なんだか背筋がざわざわして落ち着かなかった。

アーノルドはシャルロットがジョージアの婚約者候補だったころ、

どんな風だったのか、

今までも気にはなっていたが、

なんだか知るのが怖くて結局何もしなかった。







『母上なら何か知っているかな………』
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