猫目の伯爵令嬢は今日も今日とて労働に従事する(ФωФ)

てん

文字の大きさ
55 / 56

第55話 分かりやすい人は結構好きです(ФωФ)

しおりを挟む
「リリアンヌ!!?

双子じゃなくてリリアンヌがルイスの自宅を急襲したって言うのか!!?」







「…………」








今日もシュナイダーの執務室でシュナイダーとルイスとリンツが仕事をしていると、ルイスの自宅周辺を警備している近衛騎士の一人が執務室に駆け込んできた。

近衛騎士はルイスが朝食を王宮で食べないことを怪しんだリリアンヌがルイスの自宅を急襲し、運悪く外に出てきたエヴァと鉢合せし、エヴァがリリアンヌに拉致されて街に馬車で買い物に行ってしまったと報告した。







「それでいかがしましょう?」






近衛騎士は眉を八の字にしてシュナイダーにきいた。






「いかがしましょうって言われても、放っておけないだろ!!

おい、ルイス、無視してるんじゃない!!

うちのリリアンヌがしでかしたこととはいえ、エヴァ嬢は今は歴としたお前のところの使用人だろ!?

雇用主には使用人を守る義務があるんだ!!」








「……俺は別に……」







「別にもくそもない!!

ええい!!

問答無用!!

リンツ!!

引き摺ってでもルイスをエヴァ嬢のところに連れていくぞ!!」









「かしこまりました!!

ルイス様!!

これはシュナイダー様からの、王族からの命令ですから!!

決して『こいつあれだけエヴァ嬢に世話になってて肝心なときに逃げ腰ってどんだけチキンなんだよ!?』なんて私怨じゃありませんから!!

そんなこと全然、全く、微塵もありませんから!!

『あんなごみ屋敷を綺麗にしてくれて、朝食に美味しいサンドイッチを作ってくれるエヴァ嬢がリリアンヌ様に急襲されてさぞ困っているだろうに、雇用主であるルイス様が知らぬ存ぜぬはあり得ないだろ!?馬鹿なんじゃないの!?』とか、全然、全く、微塵も思ってませんから!!」








「………クソッ!!」








悪態をつくルイスを無視して、シュナイダーとリンツはルイスを引きずるようにして、エヴァとリリアンヌの後を追いかけることにした。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「それで貴女、何を買いたいの?」







「小麦粉とチーズと玉子と、あとは鶏肉とベーコンと魚と………(ФωФ)」








「そんなに買って何作るのよ!!」







「サンドイッチです(ФωФ)

公爵様が、明日の朝食べる分と、明日のお昼にシュナイダー様とリンツ様と一緒に食べる分の注文をいただいたのですが、朝も昼も同じ具はつまらないから、色々工夫してみようかと(ФωФ)」







「サンドイッチなんて工夫の仕様ないでしょ!?」







「うーん(ФωФ)

とりあえず明日の朝はホットサンドにしようかな~と(ФωФ)

中身は玉子とカリカリに焼いたベーコンとトマトベースのソースを入れてチーズも入れてトロトロになるようにして、昼の分はハーブで味付けして焼いたチキンを具にしたものや、白身魚のフライとタルタルソースを入れたものとか、あとは甘いものもいいかなーと(ФωФ)

美味しいジャムがあるんですよ~(ФωФ)

先日様子見ついでに兄が届けてくれましてね(ФωФ)

昔うちの使用人だったばあやが時々作って送ってくれるんですが、色んな季節の果物を使ってて、甘すぎなくて美味しいですよ(ФωФ)

塩味の効いたバターをたっぷり塗って、ジャムもたっぷり塗ったものがシンプルで一番美味しいですよ(ФωФ)」







「……貴女、シュナイダー兄様の分も作るの?」







「はぁ、公爵様からそのように指示がありましたので(ФωФ)」







「………貴女!!

明日は私の分も作りなさい!!」







「え?(ФωФ)?」







「いいから!!

私の分も作りなさい!!

そうね!!

俗に言う『口止料』と言うものね!!」







「おお~~(ФωФ)

それならサンドイッチは安いものですが、公爵様が持っていってくださるかどうか?(ФωФ)?」








「ルイスには私が言っておくわよ!!

とにかく!!

貴女はサンドイッチを私の分も作ればいいの!!」








「……ジャムを使ったクッキーも焼きましょうか?(ФωФ)?」







エヴァは珍しく空気を読んで気をきかせて聞いてみた。






「貴女、中々見所があるわね!!

いい心がけよ!!

そうとなったら早く店に着くように馬車を急がせなさい!!」







リリアンヌは控えていた侍女に命じて馬車を急がせたのだった。


エヴァはなんだかんだ言いつつお人好しそうで
意思がはっきりしているリリアンヌがなんだか好きになり始めていた。





『素直じゃないところはアンナ様に似ているな(ФωФ)

フフッ。やっぱり姉妹だな(ФωФ)』




エヴァはこれまた珍しく空気を読んで思いを口にはしなかった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

出来レースだった王太子妃選に落選した公爵令嬢 役立たずと言われ家を飛び出しました でもあれ? 意外に外の世界は快適です

流空サキ
恋愛
王太子妃に選ばれるのは公爵令嬢であるエステルのはずだった。結果のわかっている出来レースの王太子妃選。けれど結果はまさかの敗北。 父からは勘当され、エステルは家を飛び出した。頼ったのは屋敷を出入りする商人のクレト・ロエラだった。 無一文のエステルはクレトの勧めるままに彼の邸で暮らし始める。それまでほとんど外に出たことのなかったエステルが初めて目にする外の世界。クレトのもとで仕事をしながら過ごすうち、恩人だった彼のことが次第に気になりはじめて……。 純真な公爵令嬢と、ある秘密を持つ商人との恋愛譚。

婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています

ゆっこ
恋愛
 「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」  王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。  「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」  本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。  王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。  「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」

【完結】シュゼットのはなし

ここ
恋愛
子猫(獣人)のシュゼットは王子を守るため、かわりに竜の呪いを受けた。 顔に大きな傷ができてしまう。 当然責任をとって妃のひとりになるはずだったのだが‥。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた

今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。 レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。 不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。 レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。 それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し…… ※短め

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

処理中です...