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プロローグ
娼年の情事
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豪華絢爛と表現するには、あまりにもセンスが悪い成金趣味な屋敷。
統一感のない奢侈な調度品は玉石混合で、『洗練された美』なんて概念とはてんで無縁だ。
その屋敷の一角、主の寝室。
時間は既に深夜だが、魔石のランプはいまだ消えず、ちょうど薄暗い電球のような色の光を放っている。
その明かりの下に居るのは、少女とも見紛うほどに美しい少年だ。
ピンクブロンドの髪に、サファイア色の瞳。
白磁か象牙のような柔肌は美術品のようで……唯一頬に残った傷痕も、彼の美しさを損なうことはできていない。
その細い首筋を、初老の男がいやらしく撫でる。
聖職者を自称する大司教は、今宵も“聖歌隊”候補の少年を欲望のはけ口にする。
その愛でる手つきはまるで、最高級の芸術品を、自分のものだと主張するがごとく。あるいは、天使を快楽に穢して、手籠めにせんがばかりで。
しかし、そんな破戒僧に対し、発情した雌ネコのように蕩けた表情で甘える少年。
その従順な仕草は、大司教の気分ををますます高揚させた。
薄暗い中、明かりに照らされるキングサイズなベッドの上。
欲にまみれた大司教が、娼年をさらに貪ろうと手を伸ばす――まさにその瞬間、夜の静寂を打ち砕くような爆裂音が空から響いた。
「な、なんだ!?」
驚いた大司教は窓の外を見やる。すると、何か光の粉がパラパラパラパラ……と音を立てながら落ちていくところだった。
せっかくのお楽しみが、台無しである。
「だ、誰ですか!? こんな真夜中に花火なんて上げたのは!?」
せっかくの良いムードをぶち壊しにされて憤慨する大司教。しかし、彼とは対極に、ベッドの中で目を輝かせる少年。
「わぁ。綺麗ですね。ボク、あれが何か知ってますよ!」
「ん? ミト? 貴方はあれが、誰が打ち上げた花火か知っているのですか?」
ミトと呼ばれた少年は、まるで穢れを知らない笑顔で微笑む。
会話は微妙にかみ合ってないが、少年は気にせず大司教の質問に答えた。
「ハイッ! もちろんです! あれはですねー……」
少年は逸る気持ちを押さえつつ、ニコニコと無垢で無邪気な天使の笑みを浮かべた。
「――もう、あんたをぶっ殺していいって合図だよ」
次の瞬間、少年の笑顔は帰り血にまみれて真っ赤に染まった。
ただし、笑顔と言ってもその表情は、さっきまでの媚びるような蕩けた笑顔とは打って変わって、ひたすらに冷たく、鋭く、そして仄暗い笑みだ。
被っていた純白のシーツも、今は鮮血に染まり――その姿はまるで、赤い頭巾をかぶった少女のようだった。
統一感のない奢侈な調度品は玉石混合で、『洗練された美』なんて概念とはてんで無縁だ。
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時間は既に深夜だが、魔石のランプはいまだ消えず、ちょうど薄暗い電球のような色の光を放っている。
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その細い首筋を、初老の男がいやらしく撫でる。
聖職者を自称する大司教は、今宵も“聖歌隊”候補の少年を欲望のはけ口にする。
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しかし、そんな破戒僧に対し、発情した雌ネコのように蕩けた表情で甘える少年。
その従順な仕草は、大司教の気分ををますます高揚させた。
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欲にまみれた大司教が、娼年をさらに貪ろうと手を伸ばす――まさにその瞬間、夜の静寂を打ち砕くような爆裂音が空から響いた。
「な、なんだ!?」
驚いた大司教は窓の外を見やる。すると、何か光の粉がパラパラパラパラ……と音を立てながら落ちていくところだった。
せっかくのお楽しみが、台無しである。
「だ、誰ですか!? こんな真夜中に花火なんて上げたのは!?」
せっかくの良いムードをぶち壊しにされて憤慨する大司教。しかし、彼とは対極に、ベッドの中で目を輝かせる少年。
「わぁ。綺麗ですね。ボク、あれが何か知ってますよ!」
「ん? ミト? 貴方はあれが、誰が打ち上げた花火か知っているのですか?」
ミトと呼ばれた少年は、まるで穢れを知らない笑顔で微笑む。
会話は微妙にかみ合ってないが、少年は気にせず大司教の質問に答えた。
「ハイッ! もちろんです! あれはですねー……」
少年は逸る気持ちを押さえつつ、ニコニコと無垢で無邪気な天使の笑みを浮かべた。
「――もう、あんたをぶっ殺していいって合図だよ」
次の瞬間、少年の笑顔は帰り血にまみれて真っ赤に染まった。
ただし、笑顔と言ってもその表情は、さっきまでの媚びるような蕩けた笑顔とは打って変わって、ひたすらに冷たく、鋭く、そして仄暗い笑みだ。
被っていた純白のシーツも、今は鮮血に染まり――その姿はまるで、赤い頭巾をかぶった少女のようだった。
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