指と声で支配された日

mayu

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誰にも見せない顔をあの人は知っている

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久しぶりに届いた彼からのメッセージは、たった一文だけだった。

> 「最近どうしてる?元気にしてた?」



その文字を見た瞬間、なぜだろう、心臓が跳ねた。

──ずっと連絡はなかったのに。

夫との平凡な日々。

何も不自由はしていないはずなのに、心のどこかでずっと、この“何か”を待っていた気がする。

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迷うふりをしながら、私は数分後に返信を送っていた。

> 「元気だよ。少し疲れてるけど。○○さんは?」





──そして、会うことになった。

待ち合わせは前と同じ、あの駅前のロータリー。

夜風が少し冷たくなってきた10月の夜。

車がゆっくりと近づいてきて、運転席の窓が下がる。

「……久しぶりやな、まゆ」

その声だけで、全身が少し震える。

車の中に入ると、空気がすっと変わるのがわかる。

何でもない会話をしながらも、時折、彼の視線が私の手元や首筋に留まる。

以前と同じ──いや、もっと強く、意識されているのを感じた。

「なぁ、今日……ちょっと顔が赤い」

「えっ……?」

「会えて嬉しいんやろ?俺もや」

にやりと笑う彼の口元に、思わず目を逸らす。

車が静かな道へ入り、人気の少ない場所へと停まった。

「ちょっとだけ。触れてもええ?」


断れるはずもなかった。

彼の手がゆっくりと私の頬に触れ、顎をそっと引き寄せる。

「前みたいに、声、出したらアカンからな。……でも我慢できるか?」

唇が重なった瞬間、理性がふっと溶けた。



彼の指が、私の太ももをなぞる。

スカートの中へ、迷いなく滑り込んでくるその手つきは、私の“奥”がすでに覚えていた。

「まゆ……やっぱり、ここ、もう濡れてるやん……」

「っ……違う……のに……」

「違わん。身体は正直や。俺のこと、思い出してたんちゃうん?」

その言葉に、何も言い返せなかった。

彼の指が下着の中に入り、指の腹で敏感な部分をゆっくり撫でる。

「はぁ……んっ……」

「しー……声、出すなって。まゆのこういうとこ、ほんま好きや……すぐ感じるんやもんな」

静まり返った車内。

窓の外には、誰もいない。

なのに、こんなにも息苦しいほどの密室。


彼の指が奥へ進むたびに、理性が削られていく。

「まゆ……もう一度、ホテル行こか」

私は、息を整えながら、ただ黙って頷いた。



ホテルの部屋の空気は、入った瞬間から甘く湿っていた。

まるで“前の夜”の記憶が、この部屋にまだ染みついているかのように──。

ドアが静かに閉まる音がして、私は壁の方を向いて立ったまま、息を整えていた。

彼がすぐ背後に立ち、私の首筋にそっと唇を寄せる。

「会ってなかった間……誰かに触れられた?」

その言葉に、全身がびくんと震えた。

「……してないよ」

「ほんまに? ……俺以外の男に、舐められてへん?」

彼の声は低く、どこか怒っているような、でもそれ以上に欲望を孕んでいた。

私は答えられないまま、彼に背後から抱きしめられる。

その腕は力強くて、まるで「逃がさない」と言っているみたいだった。

「じゃあ……ここ、見せて。ほんまに俺だけのもんなんか、確認させて」

彼の手がスカートの中に滑り込み、下着をそっとずらす。

私の足元には、すぐに熱が降りてくる。

「……やっぱり、濡れてる。俺のこと、思い出してたんやろ?」

言葉責めとともに、舌が後ろからそっと這ってくる。

首筋から耳、うなじまで、丁寧に、まるで“所有の証”を刻みつけるように。

彼に手を引かれて、ベッドに仰向けに寝かされる。


その視線は、まるで宝物を確かめるように、私の身体を上から下まで辿っていく。

「今日の下着、俺に見せるために選んだんか?」

「……ちが、っ……そんな……」

「でも、俺に脱がされる気まんまんやん。……なあ、まゆ、脚ひらいて?」

彼の手が私のひざを外へ導き、指が敏感な突起に触れたとき、私は思わず声をもらした。



「んっ……っ、あ……っ」



「舐めるで。さっき答えられへんかったぶん、今からちゃんと俺に従うんやで」

彼の顔がゆっくりと沈んでいき、舌が、唇が、私の一番奥をやさしく、でも執拗に愛し始める。

「はぁっ……あっ、そんな……んんっ……!」



「気持ちええか? ……ほら、声我慢せんと、もっと聞かせて」



彼の舌は濡れた音を立てながら、敏感な芯を巻き込むように舐めてくる。

吸い上げ、撫でつけ、舌先でトントンと刺激して。

「あかん、そんな……それ、やばい……!」


「やばいってことは、好きってことやろ?」



指も同時に中へと挿入され、舌と指の二重の刺激で、私の腰が反射的に浮いてしまう。

「まゆ……俺のこと、忘れられへんようにしたる」

耳元で囁かれながら、私は何度も絶頂へ引きずり込まれていった。





「もう、限界やろ?」

そう言って、彼はゆっくりと私の脚を抱え、身体の重みをかけながら奥へと入ってくる。

「っ……ん……」

彼が私の中に滑り込んだ瞬間、全身の神経が逆立ったようにざわついた。

久しぶりの感覚なのに、まるでずっと身体が覚えていたように、私の中がきゅうっと彼を迎え入れてしまう。



「……ほんま、やばいな。まゆの中、気持ちよすぎる」



「……やだ、そんな……っ、言わないで……」


「なんで? もっと言ってほしいんやろ? ほら……奥、こっちが好きなんやろ?」



彼の動きは最初こそゆっくりだったが、私が小さく喘ぐたびに、まるでその反応を誘うように、ピストンの速度と角度を変えてくる。



「んんっ……あぁ……やばい、だめ……っ」



「なあ、他の男と……してへんって言ったよな?」



彼は私の髪を後ろから束ねて引き寄せるようにしながら、じっと目を見てくる。

その視線が、どこか哀しげで、でも深く欲望を秘めていた。



「ほんまに……俺だけなんやろ?」



「……うん……○○さんだけ……」



その言葉を聞いた瞬間、彼の腰がぐっと深く沈み込んだ。

ずん、と奥にあたる感覚に、私は声を押し殺しながら背中をそらす。


「俺だけに……こんな顔、見せてるんやもんな」



彼の手が私の胸を強く揉みながら、指先が固くなった先端を擦ってくる。

その感触と、彼の熱が交差するたびに、私の中にまた波が起こる。



「ねえ……○○さん……」



「なに?」



「もっと……きて……ちゃんと、奥まで……」



その一言で、彼の動きが変わった。

一気に深く突き上げるように、激しく、でも丁寧に、私の一番奥をえぐってくる。



「まゆ……やばい、ほんまに……このまま、一緒にイこ」



「うん……いっしょに、いきたい……!」


背中を抱きしめられたまま、ふたりの身体がひとつになって波打つ。

熱くて、苦しくて、でも涙が出るほど、嬉しかった。



絶頂の瞬間、彼の名前を何度も呼んだ。





---



しばらくベッドで沈黙が続いた。

彼の指が私の髪を優しく撫でるたびに、まるで罪を忘れてしまいそうになる。



「……まゆ」



「ん?」



「次、いつ会える?」



その問いかけが、胸に優しく沈んだ。



私は黙って頷き、そっと彼の胸元に顔をうずめた。

ホテルのドアの前。

帰る直前、私が靴を履こうとしたとき、彼が後ろから抱き寄せてきた。



「……まだ、名残惜しい」



そう言って、彼は私の太ももを撫でながら、スカートの中に手を入れてくる。



「……っ、ここ、まだ感じてるな」



そのまま膝を立てさせ、壁際で静かに舐められる。

まるで「最後に刻んでおきたい」というような、ゆっくりした動きで、もう一度、私をとろとろに溶かしていく。



立ったまま何度も震え、彼の口元で小さく声を洩らした。



「……なあ、まゆ」



「……なに?」


「もう他の男とは、絶対に会うな」



目が合った。

彼の目は、言葉以上に熱く、独占欲で満ちていた。



「約束するまで、離したらへん」



私は小さく頷いて、そっと目を閉じた。

また会ってしまうとわかっていても──私の身体は、彼を選んでいた。
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