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9. ワイルド系イケメンのおかげで繁盛してます
しおりを挟む近頃、変わった料理があると噂を聞いた漁師の方がたくさんフォンドールへ来てくれるようになった。
「いらっしゃいませ」
「ソフィアー!とりあえず骨付鳥と麦酒、ソーセージとフィッシュ&チップス、あとエビのフリッターを七人前ずつな!」
「こんばんは、ロルフ船長。今日は大漁でしたか?」
「おう!大漁大漁!なっ?お前ら!」
「うっす!ソフィアさん、今日もこの店繁盛してますね!」
「皆さんのおかげです。では、少々お待ちくださいね。」
最近常連さんのロルフ船長は漁師で、近くから遠くの海まで出て珍しい魚を獲っているんだという。
多分私より少しだけ年上だと思うのに、自分の船を持って乗組員もいて、そして漁に出ているなんて本当に尊敬する。
もしかして、イリコや鰹に似た魚も知ってるかも?
「はい、お待たせしました!これでお揃いですか?」
「おう、とりあえず届いたな。ありがとな!」
「ロルフ船長、実は魚のことで聞きたいことがあって……。」
「魚のこと?なんだ?」
「探している魚があるんですけど、ここらの市場じゃ見つからなくて。」
「そういうことか。それじゃまたソフィアの都合が良い時にアキン港へ来いよ。朝市なら探してる魚があるかも知れねぇぞ。」
「本当ですか!じゃあ明日早速行ってみます。」
もしかしたらイリコと鰹の代わりが見つかるかも。
次の日、早速早起きした私はアキン港へと向かった。
アキン港では市場が開かれていて、たくさんの魚が置いてあるけれど、私は魚の種類にあまり詳しくはないから港の人に聞いてみようと思う。
「ソフィア!おい、こっちだ!」
「ロルフ船長?どうしたんですか?」
アッシュブロンドの髪とエメラルドグリーンの瞳が特徴的なロルフ船長が、こちらへ向かって手を挙げている。
「ソフィアが来ると思って待ってたんだ。俺が案内してやるよ。探してる魚あるんだろ?」
「わあ、助かります。お願いします。」
「で、どんな魚なんだ?」
「まず一つは、口の形が下顎が小さくて口が片方しかないように見える魚で、背中が暗青色、腹は銀白色。全身が薄くて剥がれやすい大きな鱗で覆われてるような魚なんです。」
「で、あとは?」
「横長のアーモンドみたいな形で、五十センチくらいの大きさで、背中は薄い青色、お腹は白っぽい色。あと、お腹に横向きにシマシマ模様があって、死ぬと横縞が縦縞になるんです。そんな魚、居ますか?」
うーん……と腕を組んで考えるロルフ船長は、やっぱり海の男だけあって体が逞しくて、顔立ちは結構整っているワイルド系のイケメンってやつかも知れない。
アントン騎士団長さんとはまた違ったタイプだけど、最近ロルフ船長が店に来る時を狙ってお姉さん方が来るようになったから。
おかげでフォンドールは前にも増して繁盛している。
「ありがたや、ありがたや。」
「なんだ?」
「いや、何でもないです。それで、そんな魚居ますか?」
期待を込めて聞いてみると、味と身の色を聞かれたので前世の記憶に沿った説明をした。
「それならアレかもな。見た目はちょっと聞いたのと違うとこがあるけど、多分よく似たやつじゃないかな。」
「本当ですか?教えてください!」
「じゃ、とりあえず市場に行くか。」
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