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25. やだ、やめないで※
しおりを挟むそもそも、今から交わろうって時に風呂上がりに何を着て出たらいいんだろう。
僕はそれすらもスマホで検索してみたけど、何だかどれもしっくりこなかったから結局新しい下着だけ身につけてバスタオルを肩から掛けて出ることにした。
部屋着でも風呂場に持って来ておけば良かったなあ。
僕が居間に戻ると、宗次郎はスマホをいじりながら待っていたようだ。
風呂上がりの僕に気付いてフッと笑った顔は何だか艶めいて見えた。
「おかえり。ねえ、俺も風呂借りて良い?」
「は、はい。勿論いいですよ。こっちです」
廊下を先導して風呂場に案内すると、バスタオルを渡してから僕はささっと部屋に戻ることにした。
「何か不便があったら呼んでくださいねー」
「うん、ありがとう」
とりあえずそれだけ脱衣所の外から声を掛けて。
「ど、どうしたらいいんだ。ちょっと今のうちに部屋着でも着ておこう」
僕は結局部屋着のスウェットを着るために居間の奥の自室へと向かい、ついでに布団の様子を確認する。
「ここでするのかな? 部屋、汚くはないけど殺風景でおしゃれも何もないけど大丈夫かな?」
畳の間にラグを敷いて、小さなローテーブルとチェストだけのベッドすらない布団敷きの部屋。
「はあ……。布団しかないんだけど……。普通ベッドとかあるよね?」
ばあちゃんの部屋には寝起きが楽なようにベッドを置いたけれど、僕はそんなにこだわりがなかったから床に布団を敷いて寝ていた。
こんな時に僕のセンスの悪さが悪手となる。
「ふ、布団を確認するとか、僕何でこんなにやる気なんだろう。はあ……、どうなるんだ」
自分でも、この先どんな展開になるのか分からないし不安と少しの期待で頭が混乱している。
とりあえずドライヤーで髪を乾かして居間に戻ろう……。
居間に戻ってすぐくらいに、宗次郎は腰にバスタオルを巻いて戻ってきた。
まだ少し髪の先からポタリポタリと雫が落ちている。
「よ、良かったらこのタオルもどうぞ」
僕はフェイスタオルを宗次郎に渡して、髪を拭くように促した。
「ごめんね、髪長めだからなかなか乾かなくて」
「ドライヤー使います?」
「ああ、借りたいな」
「じゃあ、部屋にあるんで……」
部屋⁉︎ 今から宗次郎をあの布団の部屋に連れて行くのか?
ばあちゃんはドライヤーを使わないから、ドライヤーはいつも僕の部屋に置いていたのがこんな時に裏目に出るなんて……。
「伊織の部屋? じゃあ行こうか」
心なしか上半身の見事な筋肉を晒した宗次郎が、嬉しそうに笑ったような気がした。
居間との境目の襖を開けて部屋に入ると、僕にとっては見慣れた布団敷きの殺風景な部屋。
「すみません、何にもないしオシャレも何もなくて殺風景な部屋で」
「真面目な伊織っぽいね。ここ、誰か入るの初めて? 同僚くんは?」
「明は来たことないです。宗次郎が初めて……」
僕が宗次郎にドライヤーを手渡すと、手慣れた手つきでさっさと乾かしてしまった。
「ねえ、布団って逆にエロいね」
「ベッドはばあちゃんのしかなくて……」
「なんか余計に興奮しちゃうな」
そう言って宗次郎は僕の髪に手を入れてスウッと梳いた。
そのまま頬に手を滑らせて、もう既に何度となく交わした優しい口づけをする。
「伊織のこと抱いていい? 嫌なことあったらやめるし、伊織のこと大事にするから」
ゼロ距離で顔を突き合わせて甘く溶けるような表情の宗次郎にそんな事を聞かれて、僕は頷くことしか出来なかった。
「服、脱がせるよ」
宗次郎はいちいち僕に確認する。
僕が嫌なことはしたくないからと、僕の意思を確認する。
それは初めからずっとそうだった。
強引に見えてもこの人は、僕の気持ちを優先してくれるんだ。
部屋着のスウェットは上を脱がされて、続いて下も脱いだ。
身につけているのは黒のボクサーパンツだけで。
時々僕の身体に口づけと鬱血痕を散らせながら、宗次郎は僕を布団の上にそっと寝かせた。
「ねえ、どうしよう。伊織のことどんどん好きになっちゃって、もう逃してあげられそうにない」
「……僕も宗次郎になら、素直に好きって言えるんです」
「やば……。そんな顔してそんな事言ったら、必死に我慢してるのにヤバいって」
どんな顔なんだろう?
今僕はどんな顔で宗次郎を見てるんだろう?
宗次郎はもう一度優しく口づけを落としてから、僕の首筋、鎖骨、胸を舐めて吸い上げた。
そして宗次郎の手は僕のボクサーパンツにかかって、また硬くなってしまった部分を撫で上げてから、その布をずり下ろした。
「あ……っ、やぁ……」
僕はそんな刺激に耐えきれず、本能的にビクンと身体を震わせて眦から涙が溢れた。
「伊織……、嫌だったら絶対言って」
「そ、そうじろぉ……」
名を呼ぶ声は女みたいに甘えた声で、何だか僕はとても情けないけど、それでも宗次郎が喜んだ顔をするから。
宗次郎が僕の剥き出しになった亀頭を口に含んだ時、それだけで僕は腰から力が抜けたようになった。
僕の亀頭を宗次郎の熱くて長い舌が包み込んで、口腔内の粘膜の滑らかな感触がとんでもなく気持ち良い。
「あぁ……ッ、んぅ……」
硬さをどんどん増す僕の昂りを咥えられて舐め上げられて、止められない艶声に宗次郎は嬉しそうに笑ってからジュプリと頭を上下させる。
右手で僕の硬く膨張したものの根元を握りつつ、左手は陰嚢をやわやわと揉みしだく。
「や、やぁ……ッ……、そうじ……ろぉ……」
事務的に自分で処理する時とは全く違う、未知の刺激による快楽の度が過ぎた僕の目からは、ポロポロと涙が零れ落ちた。
「伊織、辛いの? やめる?」
心配そうに、それでも僕の昂りを咥えたままの宗次郎がそう問いかけるから、僕は本能のままに答えた。
「やだ……、やめないで……」
にやりと笑った宗次郎は、愛しげに僕の昂りをその舌で撫でてから口の中の粘膜で刺激し続ける。
もう僕はこの人とならどうなってもいいと本当にそう思った。
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