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23. はじまりはフォスティーヌ夫人じゃありませんか
「そうは言ってもフォスティーヌ夫人。なぜラングレー会長は『別れさせ屋』なるものをなさってるんですの?」
やはり、ご贔屓のお客様向けの闇サービスなのかしら?会長にも何かしらのメリットがあるはずですわね。
「それはね、まず大きな誤解があるのだけれど……アルフォンスは『別れさせ屋』を自らの意思でしているわけではないのよ。」
アルフォンス……。
フォスティーヌ夫人が、ラングレー会長のことをアルフォンスとお名前で呼んだことに胸のあたりがモヤっといたします。
夫人は何故そんなに会長のことをよくご存知なのでしょう?ただの取引先の会長にしては距離感が随分近いような気がいたしますわ。
「これは私が原因の一つでもあるのだけれど、まずアルフォンスがあまりにモテ過ぎるからいけないのよ。」
「はい?」
えーっと、話が全く見えてきませんわ。
「つまりね……アルフォンスに心奪われた御令嬢方が、婚約者や恋人を捨ててアプローチをかける、なんてことが多々あったのよ。それで私がついつい『あなたはとても優秀な別れさせ屋だこと。』と皮肉を言ったことがどこからか噂で伝わってしまって。」
「……それで、噂が回り回ってフェルナンド様もラングレー会長に別れさせ屋として依頼をしたということですか?」
どうしてかフォスティーヌ様のことを半目で見つめたくなってしまうのは許していただきたいですわ。
つまり、会長は『別れさせ屋』の闇サービスなどしていなくて、たまたま噂を耳にしたフェルナンド様が依頼をしたということですのね。
「それならどうしてラングレー会長はフェルナンド様に本当の事情をお話しなかったのかしら?まるで会長が依頼を受けたというようなことをフェルナンド様はおっしゃっていましたけれど。」
「それは色々と事情があるのよ。本当に、色々とね。」
何か含みを持たせたような言い方をされるなんて、フォスティーヌ夫人らしくありませんわ。
「事情とは一体何ですの?」
私、別れさせ屋として接触してきたラングレー会長のことで、胸を痛めて悩んだ日も相当ありましたのよ!
「ヴィオレット、怒らないで?何もかも貴女の為だったのだから。ね?」
私があんまり怒った顔をしたものですから、フォスティーヌ夫人は目を泳がせて必死に両手を振っています。
「夫人、お話してくださいますわよね?」
「分かったわよ。そう睨まないでちょうだいな。」
諦めたようにため息をついて、フォスティーヌ夫人はお話してくれました。
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