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如月ゆすら

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12巻

12-1

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   第一章 思いがけない再会


 時には、自ら危険に飛び込むことも必要だと思いませんか?


 あたたかい日が続くようになった三月中旬。
 レングランド学院では、学力試験が行われていた。
 学院では、基本的な座学は三年目まで。四年目からは各自選択した授業を中心に講義をとっていく形式のため、クラスメイトが揃って受ける授業は極端に減る。
 しかし、年に二回ある基礎学力試験は、全員が受ける必要があった。そのため、教室の席はすべて埋まっている。
 聞こえるのは、筆記用具のたてるわずかな音だけ。そこに、唐突に試験の終わりを告げる鐘の音が響いた。

「はい、ペンを置いて」

 キビキビと指示を出す試験監督に従い、教室にいた生徒たちは手にしていた筆記具を机に置く。

「これですべての試験が終わりましたね。明後日あさってからは一か月の長期休暇に入りますが、試験が終わったからといって気を抜きすぎないように。その後には、各専門講座の試験も控えているんですからね」

 試験用紙を回収した教師の言葉に、試験が終了してホッと息を吐いていた生徒たちは、うめくようなため息を漏らす。
 そんな生徒たちに苦笑しつつ、教師は解散を告げると教室から出ていった。途端、静かだった教室がざわめきだす。

「ふう……」

 試験特有の緊張感から解放され、銀髪の少女は小さく息を吐きだした。彼女の様子に、周囲の生徒たちは男女問わず顔を赤くする。
 ただでさえ見惚れるような美貌の彼女。そんな少女の雪花石膏せっかせっこうのような肌は今、ほんのりと桜色を帯びている。加えて、緑の瞳が嬉しそうにきらめいているのだ。
 その破壊力たるや、というわけだ。
 少女――ルーナが机の上の筆記具を片付けていると、彼女の席に四人の男女が近づいてくる。
 全員が、入学当初からのルーナのクラスメイトだ。当時から何かと一緒に行動しており、今ではすっかり仲良くなった仲間たちだった。

「はぁ、やっと終わったなぁ」

 コキコキと肩を回しながら、四人のうちの一人――エルネストは、晴れやかな笑顔をルーナに向けた。
 彼のツンツンとした赤銅色しゃくどういろの髪は、あちこち好き勝手にはねている。そばかすの浮いたやんちゃそうな顔立ちの彼に、その髪型はよく似合っていた。

「ご機嫌だな、エル」

 そう声をかけたのは、エルネストとは別の少年。
 おとぎ話に出てくる王子を彷彿ほうふつとさせる、金髪碧眼の少年――ラザラスは、ニコニコとご機嫌な様子のエルネストに呆れた視線を投げた。

「だって、やっと試験が終わったんだぜ? しかも明後日あさってから試験休みだしな! これが喜ばずにいられるかっての」

 だろっと同意を求めるエルネストだが、返ってきた反応は期待したものではなかった。

「はぁ……。この、天然・お馬鹿・暑苦しいと三拍子揃ったエルが、毎度成績上位者五名に入るんだからなぁ。こういうキャラって普通、頭脳より運動神経が勝ってるはずだろ?」

 答えたのは、また別の少年だ。
 真っ直ぐな紺色の髪と薄紫色の目を持つ少年――ファビアンは、肩を竦めながら毒を吐く。

「それは言えるな」

 四人の中の紅一点の彼女が頷いて同意した。
 青藍の髪と瞳を持つ長身の少女――コーデリアだ。りんとした雰囲気をもつ、クライン伯爵令嬢である。
 真面目な顔でうなずき合う三人に、エルネストは目をいて抗議する。

「ちょ、おまえら酷いぞ!」
「いや、だがそれって皆思うことだよな……」

 ラザラスもあっさりと反対意見に同意したため、エルネストはルーナの机に両手を置いて項垂うなだれた。

「ひでぇ……俺、もう泣いちゃうよ」

 くすん、と大袈裟に鼻をすすったエルネストに、全員が我慢できないとばかりに噴き出す。

「むぅ……」

 一人笑えない彼は、不満げにうなる。

「はは、ごめんって。冗談だよ、冗談」
「なんだ、冗談か。そっか、よかった」

 ファビアンが謝罪すると、エルネストはすぐに機嫌を直した。
 この素直な反応が、彼の長所であり、またいじられる所以ゆえんでもあることに、エルネスト本人は気づいていない。

(なんていうか、反応が楽しいからつい構っちゃうんだよね)

 心の中でつぶやくルーナと、同じことを皆が考えていたのだろう。すぐに、謝罪したはずのファビアンがポロリと発する。

「まぁ……正直に言うと真実だけどな」
「なんだとー!」
「ファビアン、それは酷いぞ。まぁ……僕もそう思うけど」
「いや、ラザラス。それも微妙に酷いぞ? 真実であっても気を使ってやるのが友人としてのやさしさだ」

 真面目な顔で議論し出すラザラスとコーデリアに、エルネストが我慢できずに口を挟む。

「いやいやいや、コーデリア? それかばってないからな? むしろ俺の傷口を広げてるぞ」
「ああ、すまない。だが間違ったことは言ってないぞ」

 申し訳なさそうな表情のわりに、言葉は正反対のコーデリア。しかも、本人に毒を吐いた自覚がないのだからたちが悪い。

「おい、それもっとだめだろ……」

 力なく抗議するエルネストに、我慢できなくなった皆がまたしても笑い出す。

「はぁ、皆の俺への扱いって酷くないか?」
「皆、エルのことが大好きってことだよ」

 ルーナが苦笑しつつ答えた。

「……そうなのか?」

 疑わし気なエルネストに、ここぞとばかりに皆がコクコクとうなずいてみせる。

「そうだな。エルは愛されキャラだよな」
「まぁ、そうかもな」
「確かに」
「そ、そうか。俺って愛されキャラか!」

 嬉しそうなエルネストに、その場にいた全員が生あたたかい視線を向けた。

(ああ……馬鹿な子ほど可愛いとかって真理かも……。でもエルってば、こんなんで大丈夫なのかな? 一応子爵家の嫡男様だけど)

 ルーナは、単純明快なエルネストの将来を、ちょっぴり不安に思ったのだった。


「そういえば、ルーナとコーデリアはこの後どうするんだ?」

 話が一段落したところで、ラザラスがルーナとコーデリアに尋ねる。

「どうするって?」

 ルーナは不思議そうに聞き返す。
 するとラザラスは、驚いた様子でエルネストを振り返った。

「おい、エル。おまえ、ルーナたちに訊いてないのか?」

 ラザラスに詰め寄られたエルネストは、「あ」の形のまま口を開けている。どうやらルーナたちに、何かを伝え忘れていたらしい。

「はぁ、成績優秀だけど頭脳明晰ずのうめいせきって言葉がエルネストと結びつかないのは、そういうところが原因だよね……」

 ファビアンは呆れたように言うと、ルーナとコーデリアに向き合った。

「エルに訊いておいてって頼んでたんだけど、どうやらすっかり忘れてたみたいだね」
「何かあるの?」

 ルーナが尋ねると、ラザラスが代わって答えた。

「実は、スワイドが見せたいものがあるから、店の方に来ないかって言ってきたんだ。それでせっかくだし、ルーナたちも誘おうって話になったんだよ」
「そういうことだったのか」

 コーデリアはエルネストを見ながら苦笑すると、納得とばかりにうなずいた。

「それにしてもスワイドかぁ」

 ルーナは懐かしそうに目を細める。
 スワイドは、レングランドに入学した当初のクラスメイトだ。今いる四人と共に、ルーナが仲良くしていた友人である。
 もっとも、皆より年上だったスワイドは、一昨年、一足先に学院を卒業していた。
 レングランド学院で、念願の魔道具マジックツール技師の資格を取った彼は、現在、王都の魔道具専門店でいきいきと働いている。

「ルーナにも会いたがってたよ。この前訪ねた時は、一緒に行けなかったから。ちょうど君が学院を休んでた時でね」
「ああ、そうだったんだ……」

 ファビアンの言葉に、ルーナは思い返す。

(きっとその頃、わたし、リカール王国にいたのよね……)

 ルーナの暮らすクレセニア王国の王太子、リュシオン。そのリュシオンがかつて、禁呪によって生命の危機におちいったことがある。その時、彼を救うべく、ルーナはリカール王国へ行った。そこに、リュシオンに禁呪をかけた元凶である禁呪使いがいるとわかったためだ。その者を倒すため、リカールを訪れたのだが、それがもうずいぶん前のことのように思える。

(もう一年ちょっとになるんだ……)

 ルーナが感慨深く思っていると、ラザラスが尋ねてくる。

「それで、どうする?」
「行きたいな。わたしも久しぶりにスワイドに会いたいし。コーデリアはどうする?」
「ルーナが行くなら、わたしも行く」
「よし、じゃあ早速向かうか!」

 ルーナとコーデリアの返事を聞くや否や、気を取り直したエルネストが元気よく宣言する。なんとも調子の良い彼に、皆はクスリと笑みを漏らしたのだった。


     †


 王都の南に位置する商業区。
 スワイドが勤める魔道具専門店は、学院のある東区と隣接した地域にあった。
 そのため、馬車ならさほどかからずに辿り着くことができる。けれどせっかくの機会だ。ルーナたちは馬車ではなく、徒歩でスワイドのところに行くことにした。
 レングランド学院では、寮の門限までに帰宅するのであれば生徒の行動に対する制限は少ない。それは、すでに成人している生徒がいるように入学年齢の異なる生徒たちに配慮したためである。
 とはいえ、ルーナやコーデリアのような貴族令嬢の場合は、そう簡単ではないのも事実。
 誘拐のおそれはもちろん、見目麗みめうるわしい少女ということだけでも危険が多く、街に出るとなれば、護衛の手配も必要だからだ。
 そうしたわけで、彼女たちの気軽な外出はむしろ珍しい。
 しかし、今日の場合は、同じく貴族令息であるエルネストたちの計らいで護衛も手配済み。その条件であれば、ルーナたちに同行を断る選択などなかった。


 五人は、人の行き来が多い通りを選んで進んでいく。
 学院近くの通りといえば、生徒やその家族向けの集合住宅と共に、学用品や生活雑貨を扱う店が多く並んでいる。
 それらの店を眺めながら歩くため、それなりの距離の移動も、ルーナたちにとっては苦にならなかった。
 一行はのんびり歩き続け、東区と南区を分かつ大通りに辿り着く。
 スワイドの勤める店は、そこからほんの目と鼻の先だ。

「あとちょっとだな!」

 通りを渡り終えたエルネストの言葉に、全員がうなずく。
 それからすぐ、ルーナの視線の先に目的地が見えた。

『ライデール魔道具店』

 王都の名をいただいた魔道具専門店。それが、スワイドが勤める店だ。
 このあたりは大通りのような賑わいはないが、人の行き来はそれなりにある。行きかう人の多くは、この地域に住んでいるのか、飾らない服装の者が多い。そんな、地域密着型の店が立ち並ぶ場所に魔道具店はあった。
 店構えは、周りに立ち並ぶ商店と変わりない。しかし、入り口のショーウィンドウに並べられているのは、用途が謎のものばかりだった。
 一応、目は引く。しかしその目の引き方は、「素敵」とか「これがほしい」という内容ではなく、「これは何だろう?」という意味合いでだろう。

「お、これって新しくできたうつってやつか?」

 一見すると、正面に穴がある四角い箱――
 その魔道具を指さし、エルネストがつぶやいた。

「ほんとだ。いいよな、これ。誰でも念写みたいなことができるんだよな」
「うん、綺麗な風景なんかをそのまま写し取れるんだ。僕もほしいんだよね」

 エルネストを中心に、ラザラスとファビアンがはしゃいでいる。
 そんな男子三人を眺めて、ルーナはコーデリアに苦笑した。

「男の子ってああいうの好きだよね」
「本当に」

 コーデリアは肩を竦めると、ショーウィンドウの前でわいわいと意見を述べ合っている三人をよそに、店の扉に手をかけた。
 扉を開けると、カランカランと呼び鈴が音を立てる。
 コーデリアを先頭に、ルーナも店内へと足を踏み入れた。

「わぁ」

 ルーナは、室内の様子に感嘆の声をあげた。
 店内は左側に小さめの魔道具、右側に大型の魔道具が陳列してある。通信の魔道具のような装飾品型のものは、奥にあるショーケースの中に納まっているようだ。
 そのショーケースの向こうに、老年の男性がにこやかに立っていた。

「やぁ、いらっしゃい、お嬢さん方」
「こんにちは」
「お邪魔する」

 ルーナとコーデリアが挨拶したところで、エルネストたちも店内に入ってきた。
 彼らの姿を見て、男性がおやっと片方の眉を上げる。

「これはこれは。スワイドの友人たちだね」
「こんにちは、ネッドさん。久しぶり」

 エルネストが片手を上げて挨拶すると、それに続いてファビアンとラザラスも挨拶する。

「お久しぶりです」
「こんにちは」
「よく来たね。スワイドは奥にいるからどうぞ」
「はい、ありがとうございます」

 ラザラスは礼を言ってから、ルーナたちをうながした。そんな彼に、ネッドが驚いた顔をみせる。

「おや、このお嬢さんたちもそうなのかい?」
「ああ、ネッドさんは初めて会うかもしれませんね。彼女たちも僕たちと同じ、スワイドの友人ですよ」

 ファビアンが答えると、ネッドはなるほどと何度も頭を上下させる。

「そうかそうか。それじゃあ、皆ゆっくりしていくといい。今日はあいつ、休みのはずなんだが出てきていてね。奥で作業しているから」
「わかりました。ありがとうございます」

 ラザラスは、再度ネッドに礼を言って歩き出す。
 彼が向かうのは、店の奥にある扉だ。

(従業員さん用の扉? いいのかな……)

 ルーナは落ち着かない気分でラザラスに続く。
 しかし、ラザラスをはじめとした男子たちに、躊躇ためらう様子はない。
 シンプルな木製のドアにラザラスが手をかけて押すと、キィとわずかな音を立てて扉が開く。扉の向こうには、店内の半分ほどのスペースの部屋があった。
 一面は窓だが、他の壁面は本棚や大小の棚で隙間なく埋められている。中央には大きな作業台があり、その周りにまばらに椅子が置かれていた。
 その作業台の、窓を背にした場所に一人の青年がいる。
 長身でがっしりとした体格。短く刈り上げた暗褐色の髪とかんらん石ペリドットのような黄緑色の瞳をした青年――スワイド・リーガルは、ニカッと笑うと片手を上げた。

「よう、久しぶりだな、皆!」

 良く通る声が、楽し気に室内に響く。

「スワイド!」

 ルーナは、久しぶりに会う友人に思わず駆け寄った。
 それに続くように、全員がスワイドの周りを囲む。

「元気そうだな!」

 挨拶をしつつも、キョロキョロと周囲に視線を向けるエルネスト。そんな彼に、スワイドは呆れまじりに笑った。

「おう! エルの方も相変わらず落ち着きねぇな」
「確かに言えてる」

 スワイドの言葉に、ファビアンがくくっと笑いを押し殺す。

「そんなことないだろ、俺だってもう子供じゃないんだからな!」

 エルネストはムキになって言い張るが、周りの視線は生あたたかい。

(でも確かに、わたしの周りのリューやカイン、フレイルに比べると、エルは幼いっていうか無邪気だよねぇ)

 ルーナの思考を知れば、すかさす「比べる対象が悪すぎる!」と言われそうだが、幸いそれを知る者はいない。
 ねるエルネストをなだめ、スワイドは皆に椅子をすすめた。
 落ち着いたところで、ルーナはスワイドに尋ねる。

「スワイド、この部屋は?」
「ああ、ここは持ち込まれた魔道具を修理したり、開発、改良なんかをする作業部屋だ」
「へぇ……じゃあ、これもそういったものか?」

 スワイドの返答を聞き、コーデリアが机の上の箱を指さした。
 買い物かごより少しだけ大きな箱は、木製でなんの飾りもない簡素なものだ。それゆえに、魔道具とはとても思えなかった。

「これもれっきとした魔道具だぜ。というか、これを見せてやりたかったから、おまえらを呼んだんだよな」
「これが?」

 ラザラスは、なんの変哲もない箱を前に首を傾げた。

「な、な。早く動かして見せてくれよ!」

 待ちきれないエルネストが強請ねだると、スワイドは笑って箱に手を伸ばした。

「ここに魔石があるだろ? これに触れて、っと」

 スワイドが箱についていた、小さな赤色の魔石に触る。
 その途端、箱の側部から女性の声が聞こえてきた。

『――です。ユレイ地方では、オルという珍しい植物が自生し、それはこの地方の特産であるユレイ織物の原料となっています』

 少しだけ緊張がうかがえる声音。
 どうやら、何かの本の一文を誰かが朗読したものらしい。

(これって、レコーダー?)

 ルーナは、前世の記憶に基づいて、箱の正体を察する。
 一方、ルーナとスワイド以外の者たちは、箱からまったく知らない女性の声がすることに驚きを隠せないでいた。

「これって、〈通信〉の魔道具じゃないよな?」
「ああ。これはな、人の言葉をそのままこの箱に記憶する魔道具だ」

 ラザラスの質問に、スワイドはドヤ顔で答えた。
 双方が魔道具を持ち、それぞれの間でやり取りする〈通信〉の魔道具。それはルーナが幼い時に開発したものだ。現在までに多くの改良がなされ、一般まで普及したため、クレセニアではさほど珍しいものではない。
 だが、目の前にある魔道具は、やり取りをするものではなく、『声』を記憶するものだ。

「すげぇ。声のうつってことか! これがあれば、劇場に行かなくても流行りの歌姫の声が聞けちゃったりするってことだよな?」
「それだけじゃないよ、エル。大事なやり取り……聞き逃したくない講義の内容とかも、ここに記憶しておけば、いつでも聞き返せるってこと。これはすごいね、スワイド」

 エルネストが興奮して言えば、ファビアンも食いつくように同意する。
 彼らの反応に、スワイドが満足げにうなずいた。

「まぁ、まだ数秒の記憶しかできなくてな。これから改良していくところなんだ」
「え? ということは、この録音機ってスワイドが作ったの?」

 ルーナが驚いて訊くと、スワイドはあっさりと首肯する。

「そうだぞ。てか、録音機か。いいなその名前」

 一人納得しているスワイドをよそに、ルーナは内心で舌を巻いた。

(レングランドの研究所ならともかく、街の魔道具屋さんに勤めながら、商品開発までしているって……。スワイド、すごすぎでしょ……)

 彼女の前世――高崎千幸たかさきちゆきであった頃の日本であれば、国ではなく、一企業が商品開発や研究をすることも珍しくなかった。
 しかし、ここはサンクトロイメという世界だ。
 魔法技術では、他国の追随ついずいを許さないクレセニア王国だが、それでも商品開発や研究といえばレングランドの研究所でやるのが一般的だ。
 それを、個人で成し遂げるのはとても困難なはず。
 日本で例えるならば、街の電器屋さんが、家電の販売だけではなく、商品開発までやってのけたということだ。
 そう考えれば、スワイドがどれだけすごいのかよくわかる。
 レングランド学院で学んだとはいえ、普通の一個人がやれることではないのだ。


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