ダンジョンの魔族たちと融合してえっちな女の子になる話

ドライパイン

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ダンジョンの魔族たちと融合してえっちな女の子になる話

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「ど、どうして……!? 初心者用ダンジョンって聞いてたのに……!」

 ギルドからの任務クエストという形で新米冒険者のエドワードが受けたのは、弱い魔物が群生しているものの、薬師が大量に必要とする薬草の収集クエスト。しかし、洞窟の奥で出会ったのは。
 
「Grrr...おいテメェ、何を久々の飯の邪魔しようとしてんだよォ!?」
「おやおや、この優秀な実験動物をわざわざ逃すとでも? ただ喰らうだけよりも多くの智慧が得られるというのに……」
「貴公らはやはり相容れないな──戦士たるもの、戦で斃れる事こそ誉。剣を向けている彼の者を食料や実験動物として扱おうとは……嘆かわしいことよ」

 エドが冒険者になる前。彼が読んだ魔物図鑑で記載があった魔物たち。狼型の漆黒獣、赤い瞳のライカン。
 その強力な魔力により、スケルトンになってもなお身体と意志を保つ高位の魔術師、リッチ。
 そして、鋼鉄の鎧に無数の傷が入って、頭部には顔がない。紫色の炎がメラメラと燃えている、デュラハン。
 
 どれを1体相手取ったとしても──今のエドには、勝機どころか。マトモにやり合うことすら出来ないだろう。そんな魔物が3体も。勝ち目どころか……生きて帰れるかどうかすらわからない。
思わず、エドは不条理を口にする。
 
「おか……っ、おかしいだろ! なんでこんな危険な魔物が、3体も辺鄙な村にっ……!」
「知るか、んなもん。俺らだって突然飛ばされたんだよ、ムシャクシャして余計に腹減ってきたじゃねえか!」
「ほう、そこの能無しの獣風情とは違って──私は視察がてらにですけどねぇ?」
「……語る理由はない。戦士たるもの、剣と戦いで語るのみ」

 ああダメだ、話して説得できる相手じゃないとは分かっていても。自分に迫る死の気配たちを前に、エドは思わず身震いして。一歩、後ずさる。
 
 その時であった。何か少し、盛り上がっていた地面を踏んだのか。
 「カチリ」と音が響く。……トラップだ。次の瞬間、足元からカッ、と青白い閃光が光って──
 
 ■■■
 
 「うわっ……!?」
 
 眩しさに目をつぶったエド。少しして目を開くと。先程までの薄暗い洞窟とは打って変わって。
 堅牢な石造りの部屋に、無数の宝箱、溢れるような金貨、輝く宝石たち。まるで物語に出てきた宝物庫だ、とエドは思う。
 
 「さ、さっきの魔物は──い、居るっ……!!」
 
 だが。今にも襲いかからんとしていた魔物たちだが、何か金色の鎖に縛られるかのように、身動ぎしながらもこちらを睨むことしかしていない。
 
「チッ、小僧! 何しやがった!!? この俺様の身体を縛ろうなどと……くっそ、すぐ引き千切ってやる!!」
「魔力で編まれた鎖のようですねぇ……解呪にも少し時間が掛かるかと。ふむ……」
「搦手を使うか。少し失望したぞ、少年」

 そんな事を言われたところで。そもそも何がどうしてこんな事になっているのか分からない。このまま逃げ出したとしても。そもそも宝物庫の入口には大きな閂が掛かっていて、その先に何があるか、どうやったら出口に出られるかもわからない。
 魔導書や魔道具、そんな類のもので。なにかこの状況を抜け出すことは出来ないだろうか、そう思いエドは必死で宝物庫の中身を掻き回す。
 
 読めない魔導書をあさり、金銀財宝をかき分けて。ふと──1つの、指輪に視線が吸い込まれる。
 金色のリングに、緑色の宝石。指輪の箱に書かれていた文書を読む。
 
 『この指輪扱いし者、3つまでの存在を指定する。それらの存在は汝を傷つけること決して能わず。約定に背くならば、死が訪れるであろう』
 「こ……これだっ!」
 
 エドは震える手で、右手の人差し指に指輪を嵌めた後、慌てて振り向く。すると、彼らを縛っていた金色の鎖はひび割れており、もはや次の瞬間には襲ってきそうな状況であった。まずい。慌てて宣言する。
 
 「お、俺は! この指輪の力を以て、お前たちの行動を制限するッ!」
 
 金色の鎖に縛られていた魔物が一気に近寄り、ライカンの爪が振り上げられる。恐怖のあまり、エドは目をつぶってしまった。
 ──しかし。
 
 「ぐ……ゔっ……なんだ、これ……! コイツを爪でぐちゃぐちゃにして、内臓モツ啜りたいのによォ……!」
 「不可思議ですね……あの少年の内側まで解析したいのですが……『出来ない』。これは……」
 「………………」
 
 呼吸が完全に止まっていたエド。3体の魔物が動きを止めたことで、ようやく息ができるようになった。かといって、『襲われない』だけ。
 他の様々な方法を取られるのではないかと危惧する。すると──
 
 『ほう──予定から幾分と逸れたが、指輪は御前を選んだようだね』
 
 魔物たちとも、エドとも違う。落ち着いた女性の声が響く。しかし、その実体がどこかにあるわけではない。探したが──この部屋全体から声が発せられているようで。
 
 「あ、あなたは一体……!?」
 『其の指輪の設計者。他に数多の魔道具を造ったが、其の話は止そう。その指輪の本質は──其の魔族共との契約だよ』
 
 その発言に、魔物達が怒りの声をあげる。
 
 「不服ですねぇ。私がこの少年と契約を? 到底飲めるものではない──対等な立場にあるとでも?」
 「オレがこのクソガキに従うとでも? 馬鹿な事抜かすなよ!?」
 「腹立たしいな。姿も現さなければ、理に適わぬ事を語る」
 『勿論、対等に従わせる契約ではない。指輪の持ち手を『指揮者』とし、調律を行うモノだ』
 
 すると。指輪に嵌っている緑色の宝石が輝き始める。
慌てて指輪を外そうとするが、全く動かない。
 
 「な、何!? 何が起こってるんですか!?」
 『案ずるな。御前の望むカタチを想像するだけだよ』
 
 すると。魔物達も慌てた声を出す。
 
 「な、何だァ!? 身体が、あのクソスライムみたいにッ……!」
 「これ……は……!? 魔力が、分解されている──!?」
 「魂の分離を──クッ、出来ないだと──」
 
 魔物たちの身体も、エドの身体も。ドロドロと足元から融解し、スライムのような粘液へと変わってゆく。違う事と言えば、エドは緑色の輝くスライムに、他の魔物たちは紫色のスライムになっている事。
 身体のバランスが取れない、と倒れた瞬間。水に落ちるかのようにスライムの池に落ち──エドの身体全てが、スライムになってしまった。
 彼の身体に纏っていた装備だけが残されていたが……指輪だけは。スライムに吸収されたかのように、消えていた。
 
 紫色のスライム溜まり。その中に緑色のスライムが混ざると──わずかに、それを押しとどめようとする力が働いたが。
 すぐに、螺旋を描くようにして混ざってゆく。紫色から、不可思議に光り輝く。赤く、青く、白く。様々な色に輝いた後──
 
調律・倍音奏法ダブル・ハーモニクス》』

 形を探すように色を変え続けるスライムに対して。部屋の声が伝わる。スライムの表面が波打ち、震える。ブルブルと震えながら──ソレは青色と黄色のスライムに分離する。

『ふむ……手綱を放さないよう気を付けるんだ。もっとも……『彼ら』の方から離れる事は無いだろうね?』

 ──渦が回る。スライムが螺旋を作り、立ち昇る。『調律』される。より美しく、綺麗な形になる様に。理想とする形。そのイメージは、少年冒険者であるエドの深層心理から作り上げられた姿。
 
 片方は、少年であるエドよりもかなり背の高い姿。すらっと伸びた脚、紫色のロングヘア、金色の瞳。そして、たわわに実ったおっぱい。
 もう片方は、エドと同じぐらいの背丈で。黒髪のボブヘア、その頭頂部には犬のような耳が生えている少女。
 そして──渦巻いていたスライムの螺旋が止まり。完全に『彼女』たちの変形は止まった。
 
 へたり、と座り込んだ彼女たち。犬耳少女は少し遅れて目を開く。そして──紫髪の女性を目にした瞬間。
 
 「ぁ……♡♡♡」
 
 ぽっ、と。犬耳少女の顔が火照る。自分の胎が疼く、心地よい感覚。自分の心が揺らぐ、初めての感情。融合した彼らにとって『自分』というものの定義がはっきりとは分からなかったが。
 それを考えるよりも先に、目の前の女性への強い感情が抑えられない。もっと近づきたい。この人を抱きしめたい。抱きしめられたい。
 
 「お姉様っ……♡♡♡♡ アタシの、御主人様っ……♡♡♡♡♡」
 「へ……あ、えぇぇ!? ど、どうなってんだ俺ッ!?」
 
 一方の紫髪の女性は、慌てて立ち上がる。自分の意識がドロリと溶けるように沈んだ後、何かに惹かれ合うような感覚が走ったが──眼の前で裸体になりながら自分を求めてくる犬耳少女にも困惑しているし、何より。自分の身体を確かめると。胸元に大きな膨らみがあって。背も元々の自分エドよりも高くなっていて。
 
(ふむ……この感覚は。不思議と悪くない。我が空の鎧の姿だったのは、エド。お主を包み込むためかもしれぬ)
「は──何、何が起こってるの!?」
「ごしゅじんっ♡♡♡♡ ごしゅじんを見てるだけでお漏らししちゃうのですっ♡♡♡ こんな駄犬にどうかお仕置きを……っ♡♡♡♡」

 頭の中に響く『もう一人の女性自分』の声。それがデュラハンの口調に近い事を考えると。先程の指輪の効果によって、ライカンとリッチはこのような犬耳少女になって。自分エドとデュラハンが背の高い女性になったのでは、と推測する。
 眼の前の少女からは敵愾心を一切感じない。それどころか、ぽた、ぽたっ♡ と股間から漏れ出すほどの愛液がこぼれ落ちていて。
顔も紅潮して、今すぐにでも自分エドに擦り寄りたい、という感情を隠せていないほど尻尾が揺れている。
 
 確かに、可愛らしい。そう想った。いつもならば股間に勃つものがあるはずだが、むず痒いだけで勃起するものが無い。だけど、愛おしく思う感情に突き動かされて。彼女エドは少女を抱きしめる。思わず抱きしめてしまったものだから、自分の高くなった背と大きな胸の事を考えておらず。
 
 「むぅぅ♡♡♡ むぐぐぅ♡♡♡♡♡ すぅぅ~っ♡♡♡♡」
 「あ、わわっ! ごめん、顔が、おっぱいにっ……!」
 「い、いえっ♡♡♡ これは、ご褒美……? ごしゅじんのおっぱいがふわふわで……♡♡♡ あっ♡♡♡ もっと好きになっちゃいまひゅっ♡♡♡♡」
 
 トロンと蕩けた犬耳少女の瞳。彼女エドの胸もドキンと弾む。まるで、お互いがお互いに惹かれ合う事が『調律決定』されているかのようで。
 慌てて話題をそらそうとした。
 
 「そ、それよりっ! キミの名前って……」
 「──私は『たった今出来た』存在なので、魔術使いの獣人族という以外は何も。なので──ごしゅじんに決めてほしいのです♡♡♡」
 「そう、言われてもっ……!」
 
 『エド』は困惑する。自分の中に『混ざった』デュラハンは満足そうにしているし、リッチとライカンが混ざったであろう彼女は、自分に付き従う少女になっていて。
 悩みに悩み抜いた末──といっても、自分の胸の真下でシッポをブンブンと興奮させて振っている彼女に急かされるように。
 
 「よく分からないけど、女になったこの状態で『エド』と名乗るのも変だし……一旦の偽名でボクは『エリーゼ』と名乗る」
 「エリーゼ……エリーゼ様……♡♡♡ えへへっ♡♡ 素敵なお名前です、御主人様♡♡♡」
 「それで……安直で申し訳ないんだけど、魔術使いウィザードだから……『ウィズ』って名前で呼んでも良いかい」
 
 すると、犬耳少女は。
 
 「──えへ、えへへへっ♡♡♡ 『ウィズ』……『ウィズ』♡♡ とても好きですっ♡♡♡ 御主人様のお側に居られる、大好きな名前ですっ♡♡♡」
 
 照れた表情で、耳をピンと立てながら。『エリーゼ』を見つめる『ウィズ』。すると──我慢ならないと言わんばかりに、ウィズはエリーゼに抱きつき、押し倒す。
 
 「わ、わわっ!?」
 「ちゅぅう♡♡♡ ぺろっ、ぺろっ♡♡♡ はぁぁあっ♡♡♡♡ ごしゅじんっ♡♡♡ だいすき、だいすきっ♡♡♡♡」
 
 小柄な少女なのに、抵抗できないほど強い力で、くちびるにペロペロと舐め取るようなキスをされる。だけど、痛くはない。怖くもなかった。ウィズと同じように──ドキドキする気持ちが、エリーゼにも湧き上がってきて。されるがままなのに、甘えてくる少女のことが愛おしい。このまま彼女を愛してあげたい。
 
 「よし、よし……♡♡ 可愛いね、ウィズちゃん♡♡♡♡」
 「きゃ、ぅぅぅん♡♡♡♡ あ、頭撫でられるとっ♡♡♡ えへへ、ふわふわって♡♡♡♡」
 
 コロコロと表情の変わる少女ウィズを見て──エリーゼは、少し悪戯したくなった。何も身につけていない彼女の胸元を、軽く触る。
 
 「ひゃわわっ!? も、もうっ♡♡♡ 御主人様じゃなきゃ噛みついてましたよっ♡♡♡ もっと触ってくださいっ♡♡♡」
 「さ、触っちゃった……おっぱい……」
 
 小さいとはいえ、女性的な膨らみ。衝動的に触れてしまったが、それを拒絶することもなく、ウィズはもっと愛して欲しいとばかりに胸を張る。
 おそるおそる、乳首の先をゆっくりと、くり、くりといじる。甘い吐息が返ってきた。
 
 「く、くすぐったぃっ♡♡♡ えへへっ♡♡♡ ごしゅじんっ♡♡♡ ……ねぇねぇ、私だけ気持ちよくなってるのは嬉しいけど……」
 「ふぇ?」
 「気持ちよくなって欲しいの──ごしゅじんにも♡♡♡♡」
 
 ウィズが抱きつき、エリーゼのおっぱいにキスをする。そのまま、赤子のようにおっぱいをちゅう、ちゅうと吸い始めた。可愛い。そう想った次の刹那。エリーゼのおっぱいから、何かが吹き出す感覚。エドにとっては、射精のようなゾクゾクする感覚で。
 
 「ん゛~~~っ!? な、なにっ、これっ♡♡♡♡ おっぱい、ぞくぞくってっ♡♡♡♡」
 「ぢゅぅぅっ♡♡♡ こくっ、ごくっ♡♡♡ エリーゼ様のおっぱいミルク、おいひぃ……♡♡♡」
 
 エリーゼは、自分に新たにできた器官──乳腺が疼くのを感じる。少女に吸われるたびに、おっぱいが吹き出す。
 もっと彼女に授乳したい。もっと彼女を甘やかしたい。そんな熱望と火照りが彼女に襲いかかる。
 
 「っ……♡ ウィズちゃん、おっぱいミルク、もっとも~っと、ちゅうちゅうして良いからね♡ よ~しよしっ♡♡♡」
 「ごしゅっ……♡♡♡ むちゅぅぅぅ♡♡♡♡ ぺろっ、ぺろっ♡♡♡ ごっくんっ♡♡♡♡♡」
 
 可愛らしい少女が、自分の胸から出されたものを満足気に飲み干している。その姿の愛らしさに、また胸が高まる。体が熱くなる。エリーゼ自身も気が付かぬ間に、彼女は右腕でウィズを抱きしめたまま……左手で、自分の秘部を弄っていた。
 それに気がついたのか、ウィズも。自分のおっぱいを弄り始める。
 
 「ごしゅじんっ♡♡♡ 一緒にっ♡♡♡ おっぱいとおまんこで、イこっ♡♡♡ ちゅぅぅっ♡♡♡」
 「はぁ゛っ♡♡♡ あひゅっ♡♡♡ これ、む゛りかも゛っ♡♡♡♡♡♡」
 
 ビクン、と2人の身体が震え。
 
 「ん゛~~~~っ♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
 「わぅんっ♡♡♡ きゃふっ♡♡♡♡ あぁあ゛~~っ♡♡♡♡♡ ……ごしゅじんっ、おっぱいミルク溢れちゃった……♡♡♡ ぺろ、ぺろっ……♡♡♡」
 
 吸っていない方の胸からも溢れた母乳。イって脱力したエリーゼを貪るように、ウィズは彼女の胸をペロペロと舐めながら、互いに幸せな表情をしていた。
 
■■■
 
 「い、いつの間にこんな建物が……?」
 「どうやら我々が念じる理想的な環境が出現するようだ。デュラハンである我は城を、リッチ殿は己の研究室を。ライカン殿は自由に走り回れる狩り場を」
 
 数刻程前。日が沈む頃、宝物庫から持ちきれる程度(とはいっても、宝物庫全体と比べたらほんの僅かな程度)の財宝を持ち帰り、エドワードと──3対の魔物は地上に出てきた。
 しかし、エドワードはそのまま村に帰るわけにはいかず。なにせ、強力な魔物が姿を隠すこともなく着いてきているのだ。
 
 「どうにか魔物たちを隠す方法はないか」と思考すると、彼の手が輝き。魔物たちを隠すための空間ポータルが出現した。
 一旦3体の魔物をそこに隠し、一時的にクエスト完了の手続きなどをして──再び自分が発生させたポータルに戻る。すると、先程まではただっ広い平原だった土地に、3つの建屋が出来上がっていた。デュラハンの言葉を信ずるなら、彼には城。リッチには怪しげに輝く研究室。そしてライカンは弱い魔物が自然発生する草原と小屋が心地よいスペースとして現れたようだ。
 
 「このような異能を、元々主殿あるじどのが持っていた──そういう訳では無いようだな?」
 「は、はいっ! 俺も何が何だか……それにその……御三方が普通に着いてきて暴れていないのも含めて……」
 「リッチ殿がその件について話したいと伝言があった。一度訪れてみると良い」
 「すっごい紫色に輝いてて怖いんですけど……いや主殿あるじどのって呼びました!?」
 「事実ゆえ、そう呼ぶほかあるまい。さあ、行くが良い」
 
 とはいえ。自分の身に降り掛かった状況を分析するために、彼らの助力が必要なのも事実だった。重い金属製のドアを開くと、内部は様々な薬液が怪しく輝き、大鍋にはぶくぶくと泡立つ何かがある。錬金術師のアトリエという印象だが、それよりもおどろおどろしさが勝っていて、思わずエドの腰が引ける。
 
 「おお、丁度良い所にいらした。エドワード殿。こちらも工房アトリエの準備が整いましたのでな」
 「凄いね、この空間……望んだものが何でも出てくるってこと?」
 「どちらかというと、エドワード殿の能力の一部と思われますぞ。それを確かめるためにも……個体性能分析Analizo de rendimento
 
 骸骨姿に紫のローブを被ったリッチ。どこから声を出しているのかはわからないが、僅かにその骸骨が笑ったかのように見えると──
 リッチは片眼鏡モノクルを装備し、エドワードを凝視する。自分の奥底までを見通されているようで、エドワードは少し居心地の悪さを感じる。
 骸骨は、納得したとばかりに深く頷いた。
 
 「ふむ、エドワード様。どうやら貴方の特性ジョブは『魔物使い』というものに分類されるようです」
 「初めて聞いたんだけど、そんなジョブ……」
 「ちなみに、我々には『従属』の状態異常が付与されております。『魔物使い』に付き従うという意味でしょうな」
 
 つまり。ジョブの名前だけ聞けば、エドワードは3体の魔物を従えているということになる。こんな強力な魔物たちを。戸惑いと困惑が強くなる。
 
 「以前の我々ならば我慢ならなかったでしょうが……このような工房で自由に研究ができるというものもあり、我々に反抗心が浮かばないのですよ」
 「えっと……他の2体……じゃなかった、ふたりは?」
 「『2体』で宜しいです。儂たちはニンゲンなどという下等な存在ではないので。──失礼、エドワード殿は勿論除いてですよ。デュラハンは大人しいですが、ライカンはもっと広い所を走りたいと不満げですね。ただ、ここも悪くないとは言っていますが」
 「う、うーん……『魔物使い』のスキルもよく分からないし、大変なことがあったし……さっきは、女の人にもなってたし……」
 
 頭を抱えるエドワード。自分の身に降り掛かったことの情報量が多く、頭の中で処理しきれない。疲労感も強い。ため息を着いたエドワードを気遣うように、リッチは声を掛ける。
 
 「ところでエドワード殿。この空間ポータルの向こう側……本来の世界のエドワード殿はどちらにいらっしゃいますか」
 「冒険者ギルド直系の宿屋の一室を借りてます。狭い部屋ですけど、眠るには十分なので……」
 「ならば……この空間内にエドワード殿の寝室を作ればよいのではないですか? 我々は魔力を使わず、これらの建屋や設備が勝手に発生したのです。居るものの望みを叶えるのがこの空間の性質と思われますぞ」
 
 ならば、と1人と1体の骸骨はアトリエの外に出る。エドワードは目を瞑り、快眠を得られる部屋を想像する。すると────蛍火のような光が集まったかと思うと、一つの形を作る。やがて光が落ち着くと、1つの小屋が現れた。
 一瞬リッチの顔を見るエドワード。リッチが頷き、エドは扉を開く。
 
 「うわ……すっご……」
 
 ぱちぱちと暖かい暖炉。いろいろな飲み物と食べ物がしまわれた戸棚。テーブルに4脚の椅子、部屋の奥にはキングサイズの、いくら寝返りを打っても落ちないふわふわのベッド。
 
 「ククク……豪勢に強固な城などを求めるのではと思っておりましたが……いや。ただ足るを識る、という意味でしょうな」
 「いや、お城とか絶対落ち着いて眠れないし……!」
 「しかし、宿屋で眠るよりも快適に眠れるのではないですか。今宵はココで過ごすのも良いでしょう」
 
 リッチの提案に──疲れ切っていたエドは頷く。
 
 「それでは、儂はまだ調べたい事がありますゆえ。また明朝に」
 
 ドアを閉めたエドは──眠気に誘われるようにベッドに倒れ込む。冒険の疲れか、何もせずとも睡魔が襲ってきて──
 
■■■■■

 「流石にちょっと外に出てぇわ」
 「……お主。先程まで草原の魔物を追い回して喰らっていたではないか」
 「まぁ、アレはアレで楽しいんだけどよォ……ニンゲンの世界ってのが気になってなァ」
 「例えお主が魔族特有の『衝動』を抑えたとて。ニンゲンはお主を恐れ逃げるだろう。その時に主殿に掛かる不幸について、お主は責務を負うつもりがあるのか」
 「硬ェ事言うんじゃねぇよ、その鎧みたく! ……出ねえって。迷惑掛けるのは分かるし、ソレはダメだって分かってる。それに不思議と……アイツやニンゲン襲う気分にもならないしなァ」
 
 自分のアトリエに籠もりっきりのリッチを置いて。走り回っていたライカンと、城の前でじっと佇んでいたデュラハンは。夜の星が輝くこの空間で会話をしていた。
 
 「つってもよぉ、俺らもなんであの洞窟に呼ばれたかわからないし……これもあの部屋の設計者の計画ってとこか?」
 「意図的、というには想定外になりうる事柄が多すぎる。恐らくは──この状況を愉しんでいるのかもしれぬな」
 「ケッ、巻き込まれた俺らもだけど。アイツも可愛そうだよなぁ? ……はぁ、オレ達眠らねえからずっとヒマかぁ」
 
 魔族は眠らない。夢を見ない生物。だが──
 
 「──おいデュラハン、右手が……」
 「うむ。どうやら我らは、己の意志で『融解』できるようだ」
 「って事は、つまり……」
 
 デュラハンの炎がメラメラと燃え。ライカンは、ニヤリと悪い笑顔を作った。
 
■■■■■

 冒険者になりたてのエドにとって、初めてのクエストで起こった事はあまりにも予想外過ぎて。思った以上に疲労し、ベッドですぅ、すぅと寝息を立てて。ぐっすりと眠っていた。夢も見ることも無いほどの熟睡。──そんな彼に近づく、一つの影があった。
 
 「…………ふーっ……♡♡♡ ふぅぅゔっ……♡♡♡♡♡♡」
 
 静かにドアを開いた侵入者は、ゆっくりとエドの眠っているベッドに近づき。そして、彼と同じようにベッドに寝転ぶ。
 
 「くん、くん……♡♡ すぅぅぅ……♡♡♡♡♡ ああ、くっそ……♡♡♡ メスの身体になると、何でこんなに愛おしくなってしまうんだろうな、ご主人様ぁ……♡♡♡」
 
 彼が熟睡している事を良い事に、侵入者は彼の包まったシーツに潜り込み、再び『ご主人様』の匂いを吸い込む。甘美なモノを味わったかのように──彼女は。
 ロングヘアの銀髪にある、狼の耳をぴこぴこと震わせる。体躯も大きく、『エリーゼ』だった時の彼女たちよりも長身で、その小さな顔と同じかそれ以上にむっちりとしたおっぱいを携えていて。
 
 「あぁ、もう……っ♡♡♡♡ 我慢、ならねえ゛っ♡♡♡」
 
 ガバッと、ベッドのシーツをはぎ取る。急な感触に、深い眠りから無理やり起こされたエドは寝ぼけまなこのまま。
 
 「ぅ……ぇ……? 母さん……?」
 「はーい♡♡♡ ママで、彼女で、お嫁さんのオレ様だぞ~っ♡♡♡♡」
 
 直後、勢いよくエドの着ていた緩めのズボンを脱がせて、下着すら奪い取る。何が何やら、エドが分かっていないうちに。『彼女』は、その巨大なおっぱいでエドのちんちんを包み込んでしまった。
 
 「ひぅっ……? な、なにひてるの……?」
 「カワイイ御主人様ダーリンの夜のお世話に決まってんだろ♡♡♡♡ ああ、立派なオスの匂い……♡♡ くらくらしちまうっ……♡♡♡」
 
 そのまま。挟み込んだペニスを扱くように、ゆっくりとパイズリを始めだした。ようやく、自分がされている事に気が付いたエドは。
 
 「ちょ……っ!? な、誰!? 本当に何やってんの!?」
 「へへっ、オレたちも自在に融合が出来るみたいでな。ダーリンに愛してもらえる身体を『想像』したらこうなれたってワケ♡♡♡ それより、早くチンポおっきくしろよっ♡♡♡♡♡」
 「ば、何言って……っ!」
 
 抵抗しようとするが。銀色の狼女の体躯は体中が銀色の柔らかい毛並みに包まれていて。そのフワフワの素肌に、強くパイズリをされると。冷静になろうと思うはずが、逆に目の前の雌のエロさを自覚してしまって。
 
 「おいおい、すっかりデカくしちゃって♡♡♡ これならフェラしても良さそう、だな……♡♡♡♡♡」
 「ちょっと止め……っっ~っ!」
 
 ぢゅぽ、ぢゅぽっ♡♡ っと水音を立て、下品とすら思える音を立てながら『彼女』はフェラチオを行う。エド自身が驚くほどに勃起していたペニスを、喉元まで咥えてくる。生温かくてぬるっとして、舌のざらつく感覚が気持ちいい。
 
 「ま、ま゛っ……! 名前っ! 名前聞かせてよっ、あ゛っ」
 「ぢゅぽっ♡♡♡ ぢゅるるるっ♡♡♡♡♡♡」
 
 答えない。執拗な肉棒への攻めがずっと続き、身動きの取れないエド。あるいは、抵抗する気が彼にも無かったのかもしれない。快楽に流されたまま──
 
 「ぐ……あ゛っっっ……は、はぁぁっ……!」
 「ん゛~~っ♡♡♡♡♡♡ ……ごく、ごくっ♡♡♡♡♡♡ ごっくん♡♡♡♡♡ はぁ~っ……♡♡♡♡♡ ヤバイな、御主人様ダーリンのだって分かると、変な味なのに美味しく思えてしまう……♡♡♡♡♡」
 
 そうして、エドの精液を飲み干した彼女は。一度立ち上がり、萎えかけたエドの肉棒を──今度は、彼女自身の膣に挿入した。
 
 「ん゛っ!!?? ま、待てって、待ってくれって!」
 「名前、教えたげる♡♡♡ 御主人様ダーリンの一番の盾、ブークリエ♡♡♡ ブーケって呼んでね、ダーリン♡♡♡」
 「じゃ、じゃあブーケっ……! その──あ゛っ」
 「え~? 聞こえないよぉ、ちゃんと……ん゛っ♡♡♡♡ 喋ってくれなきゃ、あん゛っ♡♡♡♡♡♡」
 
 『止めてくれ』と御主人様エドが言う前に。その言葉を遮るように、ブーケは腰を振る。萎えかけた肉棒は再び熱く、硬さを取り戻し。ブーケの膣壁に包まれる。上下に腰を振る度に、ブーケの大きな乳がぶるん、ぶるんと震えて。その情景も、エドの本能を刺激してしまう。
 
 「ダーリンが悪いんだからっ♡♡♡♡ オレたちがダーリンを見ると、勝手に発情しちゃうんだよぉ♡♡♡♡♡ ダーリンが可愛いのが悪いんだっ♡♡♡」
 「むちゃくちゃ、いわな、ぁあ゛っ♡♡」
 
 仰向けに組みふされたエドにとっては、殆ど逆レイプされているような状態で。銀髪のブーケの瞳が、顔が。エドを見つめる。口調こそ男勝りだが。顔はむしろ童顔で、どこまでも恋する少女のそれで。思わず、そのギャップに釘付けになってしまう。
 
 「だから、ダーリンっ♡♡♡ いっぱいエッチなこと……するぞっ♡♡♡」
 
 一瞬恥じらうような表情を見せたブーケ。──その瞬間だった。
 
 「っつ──んぅう゛っ♡♡」
 「ぁ、ぁあああ゛っ♡♡♡♡♡ ダーリンの熱いの来たっ♡♡♡♡♡♡ くぅうん゛~~~っ♡♡♡♡♡」
 
 どこか、狼本来の声が混じった甘美な喘ぎ声と共に。2人はベッドの上で絶頂を味わう。ぐったりと倒れたエドに対して。
 
 「もっと……もっとダーリンの、欲しい、なぁ……♡♡♡♡♡」
 
 ブーケが再び腰を動かそうとした、その時。ドアからするりと潜り込んだ『粘液』が一気にエドの身体に纏わりつき、螺旋を描く。慌てて離れたブーケの前に現れたのは。
 
 「少々イタズラが過ぎますわね、駄犬」
 
 白いワンピースに、水色のローブ。右手には杖を携えた『賢者』。威圧的にブーケの前に立ち。
 
 「お座り」
 「ひゃ……はいっ!」
 
 【『御主人様』の居る方の命令には逆らえない。】リッチだったスライムが導き出した仮説は、正しい事が実証された。
 
 「全く……エドワード殿の体力を考えなさい、明日以降も彼は冒険に出るのですよ」
 「う、うぐ……だ、だって! ずっとこの平原だけじゃ退屈で……!」
 「私たちはもはや運命共同体、あるいは肉体が別々なだけで同じ存在になったとも言えます。わざわざ『マスター』の困るような事をするのはいただけませんね」
 「うぐぐぐ……!」
 
 知恵のあるじたるリッチと混ざったエドは、高い魔力を保有する賢者としてブーケを『指導』する。だが、『彼女』も同胞となった者の望みを無下にするほど無常ではない。
 
 「それとも──貴女が欲しかったのは……『コレ』でしたか? 躾のなっていない【ペット】には丁度いいでしょうし♡♡」
 「ひっ……♡♡♡♡♡」
 
 悲鳴のような呼吸を上げながらも、ブーケは。自分の下腹部が熱を帯びるのを止められない。賢者が握っていたのは、紫色の鞭に、首輪とリード。
 あれで叩かれたら。あの首輪を嵌められて、リードで散歩なんてさせられたら。
 どれだけ痛くて。どれだけ屈辱的で、恥ずかしくて。
 そして──どれだけしあわせになれるだろうか。
 
 ブーケは──とろんとした瞳で、期待に満ち満ちていた。
 
■■■■■

 別の日。
 「冒険者エドワード」はいくつかの初心者向け依頼を完遂し、まずは村の外での任務も出来るだろうという認定を受けた。そんな彼が次に選んだのは『魔物討伐』の任務。とはいっても、強い魔物ではなく。いわゆる畑荒らしや村の防壁に害をなす害獣クラスの魔物を倒し、その一部を切り取り持って帰る事で討伐とする、という任務。
 
 だが、依頼を実行するのは彼だけではなく──
 
 「たぁぁっ!」
 
 甲高い少女の声が響くとともに、ズドンと重い斧が獣型魔物の脳天を打つ音。バタリと倒れた魔物の尻尾を斧で千切り、バックパックに入れる。
 今のエドは──ライカン、デュラハンとの3体での融合を果たした結果。小さな体躯に重厚な鎧と斧を背負っても軽々と動ける、強靭な肉体を持った少女になっていた。あるいは、少女よりもより幼いかもしれない。
 
 (その……同族を狩るのって、どうなの?)
 (ん~? 特に何も。ニンゲンだってニンゲン同士で争うだろ、オレ達はもっと仲間意識が低い。流石に魔族の軍隊レベルだと主従はあるが……)
 (個体同士の意志のぶつかり合いがあれば、ヒトの様に言葉を交わすことは我らには無い。爪が先か、剣が先か、ただそれだけのこと)
 
 融合した中でも、要領を得たエドは内側に居る2体に問う。この行為に2体が思う所が無かった事は、ひとまずエドにとって安心だった。
 
 「リッチさんの言ってた素材も集めないと……えいっ!」
 
 そう言いつつ、斧と共に携えていたピッケルで岩を砕く。たったの一撃で、巨大な岩が底の部分までひび割れてしまった。
 
 「うっわ……流石に人間離れしたチカラかも……」
 
 割れた岩の表面に、リッチが求めていた素材が見える。翡翠色の鉱石を、今度は小さなノミで削り取ろうとした、その時。
 
 「キィィィィーッ!!」
 「わ、わわっ!?」
 
 上空から、巨大な鳥型の魔物が襲ってくる。斧に持ち替えようとしたが、慌てて取り落としてしまった。思わず防御態勢を取ってしまったが──
 
 【我が主に手を出すな】
 「ギ、ィィィィ!?」
 
 突如ポータルが出現したかと思うと、巨大な骸骨のこぶしが出現し、鳥型魔物を跳ねのける。驚いた魔物は、そのまま上空に飛び去ってしまった。
 
「今の……そっか、ありがと……!」

 返事こそ帰ってこなかったが。ぽとり、と回復ポーションが彼女の元に落ちてきた。
 
■■■■■

 「任務の首尾は如何でしたか、『アルマ殿』?」
 「えへへ……あの時はありがとうね。表向きの任務も、リッチさんから言われた素材回収も両方できたよ」
 「それはそれは、望ましい結果ですな」
 
 融合の具合で様々な姿になれることを理解した魔獣遣いのエドは、今日はリッチを除いた3体での姿を「アルマトゥール」と名付けた。何故か赤色の髪をした猫耳少女になっていたが──本来の姿からかけ離れるという形で、必ずしも混ざれば混ざるほど強いというわけではないらしい。無論、弱い訳でもないが。
 
 「それでは素材の方は……えぇえぇ、きっちりとありますね。有難い限り」
 
 今日はリッチの研究が忙しいとの事で、融合に混ざらなかった。融合に積極的なのはライカンで、たまについてくるのがデュラハンとリッチという形式。
 
 「さて、今回の実験に必要な素材は全て揃った……と言いたいところですが。一つだけ足りないものがありまして」
 「今から買いに行きましょうか?」
 「その必要はありません、今この場で採取できますので……『穢れを知らぬ少女の愛液』です」
 「え゛」
 
 思わずアルマの声が濁る。リッチは──骸骨という形状ながら、首を傾げて疑問を示す。
 
 「はて。拒絶の色が見えるとは意外でしたな。申し訳ない」
 「い、いや……そういうんじゃなくって……で、でも……」
 
 アルマは。もじもじと、顔を赤らめて答える。
 
 「な、なんでだろ……ちょっと恥ずかしいって、思っちゃって……♡♡ だってさ、愛液ってことは……お、オナニーしなきゃ、なんだよね……♡♡」
 
 自然と、ペタンと彼女の猫耳が伏せられる。鎧を着ていない今はスカート姿の少女でしかなく。そんな彼女が恥じらうのは、今までの融合の例では初めてだった。
 
 「ふむ……本能ライカン理性デュラハンが合わさると『常識的反応』になるのですね……興味深い」
 (──まどろっこしいなァ……御主人様よぉ)
 
 その時。するり、とアルマの身体から何かが抜け落ちる感覚。気が付くと、『ライカン』のスライムが自分の身体から抜けて、リッチの方に近づいている事に気が付く。リッチもそれに気が付き。
 
 「──ふむ。最初と同じことをするというのも趣深い。特に、一度融合後の貴方からライカンが抜けた後の貴方が『エリーゼ殿』の姿を取っていない事も、実に興味深い」
 
 リッチの身体に、スライムがまとわりつく。骸骨の身体にスライムが螺旋を描きながら満ちてゆき──現れたのは。
 
 「それなら、この姿なら一緒にえっちなことできるよね、アルマおねえちゃん♡♡♡」
 「う、ウィズ……」
 「えへへ、私のこと覚えていてくれた♡♡♡」
 
 リッチの望む通りにこの工房アトリエは作られている。ならば、とウィズリッチはリアルタイムに部屋の空間を書き換える。彼女たちの居る場所だけ、天蓋付きのベールが覆ったベッドになる。抱き着くように、アルマを組み敷いた。
 
 「ひゃんっ……」
 「同じぐらいの背丈だね……アルマちゃん♡♡♡ とってもカワイイ♡♡♡」
 「ぁ、ぁうぅ……♡♡♡」
 
 今のアルマは、猫耳だけが無くなった小柄な少女のまま。初めの融合と同じ法則ならば、エリーゼの姿になっていてもおかしくないのだが。
 探求心と──イタズラ心が、犬耳少女のウィズに湧き上がる。
 
 「アルマちゃん……一人でオナニーするのが恥ずかしかったら、ね♡♡♡ 一緒にオナニーの見せあいっこ、しようよ♡♡♡♡」
 「え……♡♡」
 
 同じような背丈の彼女たちがベッドに共に横になって。先に弄り始めたのはウィズの方だった。
 
 「ウィズはおっぱいが大きくないからっ……♡♡ こっちの、ちっちゃなクリを弄ってっ……♡♡♡♡ んぅう゛っ♡♡♡♡」
 「あ……ぅ……♡♡♡♡」
 
 小さな手のひらで自分の股間を弄り、か細い喘ぎ声をあげる少女。見ているだけのアルマも思わず口に手を当て、顔を真っ赤にして。
 
 「そう、してるとっ……♡♡ とくん、って子宮が疼くからっ……薬指の先端だけ、ここに挿入れてっ……♡♡♡ んひゅぅっ♡♡♡♡♡」
 「う、うぅ……♡♡♡」
 
 もじもじと、アルマの身体も火照って疼く。次第に、無意識に。アルマ自身も、自分の股間に手が伸びる。
 
 「くちゅくちゅってしたらっ♡♡♡ どんどんえっちなきもちになってっ♡♡♡♡♡ えへへへっ♡♡♡♡」
 「あ、あうぅ……♡♡♡ んひゅっ♡♡♡」
 「アルマちゃんも、えっちな顔してる……可愛いよっ……♡♡♡ ん゛っ♡♡♡♡」
 
 ベッドの上で少女が2人。自分の身体を弄り、呼吸を荒げている。熱を帯びた少女たちは、互いのオナニーを興奮材料にしながら。
 
 「かわいい♡♡♡ だいすき♡♡♡♡ アルマちゃん♡♡♡♡♡ 一緒に、イこっ♡♡♡♡」
 「う、ウィズ、ちゃ──ぁ、ぁああ゛っ♡♡♡♡」
 「ぁあああ゛~~っ♡♡♡♡」
 
 2人分の嬌声が重なる。ソプラノボイスの快楽に喘ぐ声。調律されたソレは、2人の身体を再び火照らせるのには十分すぎて。
 
 「今度は……お互いを気持ちよく、シよ♡♡♡」
 「う、うん……♡♡♡」
 
 互いが互いの性器に触れ。そして指先で弄る。顔と顔が近づき、唇が重なる。舌が絡みあうディープキスを、幼い少女同士で行う。
 身体同士を密着させて。手はおっぱいを揉み、貝合わせで僅かな刺激。それすら、甘美な快楽になる。
 
 「んぅう゛っ♡♡♡♡ すきっ♡♡♡ アルマちゃんっ♡♡♡♡」
 「ウィズぅぅ♡♡♡ んぅう゛っ♡♡♡♡」
 
 当初の目的も忘れ──彼女たちは。疲れて眠りにつくまで、お互いの身体を貪っていた。
 
 ■■■■■
 
 『制御は上手くいっている様だね。色欲に呑まれない程度の理性も持ち合わせ、若いなりの柔軟性も有る』
 
 誰にも気づかれることも無く。指輪の設計者、宝物庫の主は彼女たちの様子を『視て』いた。
 満足げな『彼女』は──次なる手を考える。
 
 『魔族と人間の融合は可能。故に人間は魔族と二重奏デュオを奏でるに能うか?』
 
 妖しく微笑む彼女の素性を──知るものは居ない。
 
 ■■■■■
 
 それからというものの。冒険者エドワードはどんどんと任務実績を重ねていった。単独で困難な任務を達成する事から、『一匹狼』と揶揄する人も居たが。『狼』というのもあながち間違いではなかった。
 
 今日もどこかで、犬耳少女と魔導士の女性のペアが。あるいは、猫耳少女が困難な任務に立ち向かう。そして、宿屋に帰ったエドは静かに眠る。
 その部屋の中で、どんな淫らな事をしたとしても、誰も気が付く事は無かった。
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