悪役令嬢に転生。こんな王子と結婚なんてお断り。

腐ったカメレオン

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どうせドッキリでしょ。面倒くさいなー

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殺人的な量の日差しが照りつけ、気温はゆうに人間の体温を超えていた真夏の真昼。
 

これほど迄に暑い日に、わざわざ外に出てまでこなさねばならない用事も特には無かった為、私は酒を飲もうとリビングから立ち上がり、冷蔵庫へと手を伸ばすが


「……うわっ、酒きれてるし……」


昨日の夜に飲んだ缶ビールが最後の一本だった事をすっかり忘れてしまっていた。


そして、私は家にお酒が無いことに気づき不本意ながらも、買い物に出かけようと思い、外へ出た。


「……暑過ぎ……」


家から徒歩5分程の24時間営業のコンビニに向かっていた私は勿論、日傘をさしていたが、それでも防げるのは日差しだけだ。


暑さを抑えるものであり、防ぐ物ではない為、額には大量の汗が垂れていた。


「……あぁー!もう帰ろ。酒飲む前にこれじゃ、私が倒れる。……そういえば、最近は宅配でも酒を注文できたっけ……」


千夏は気だるそうにそう呟く。
それからの彼女の行動は早く、進んだ距離を惜しむ事なく、ものの数秒で踵を返し、自宅へと引き返す事にしていた。


「あー……。私も召使が欲しいなぁ……」


昨夜、放送していたドラマの内容を想起させながらもブツブツ叶わぬ欲を口にする。その際にも手は動かしており、宅配注文の項目へとマウスを操作していた。


数分後、なにやら外からプロペラが回る音が聞こえた。


「あら、最近はドローンで配達なのかしら?」
私はカーテンを開け空を眺めた。なんと飛行機がこちらに落ちてきてるのだ。
「はっ?えっ、私あんなに注文してないのに、、、」
怖くて目を強く閉じた。
次の瞬間大きな爆発音が千夏の家を中心に鳴り響いた。

私は多分死んだ。死んだはず、、なのに目を開けると見たことのない部屋のベットで私は寝ていた。
「ここどこよ?」
さっきまで蒸し暑かったのが一変、窓から心地よい涼しい風が吹いていた。
「アリリお嬢様、お目覚めになりましたか?」

部屋のノックと共に意味の分からない言葉が聞こえた。とりあえず此処がどこか分かるかもしれないとドアを開けてみた。

「おはようございます。アリリお嬢様よく眠れましたでしょうか?」
メイド喫茶でよく着られていそうな衣装を身にまとった高校生くらいの女がいた。

「おはよ、私千夏だけどwwwすみませんが此処どこです?お酒しか買わないのに配達を注文した私への嫌がらせですか?」

「どうされたんですか?アリリ様。千夏、、、と申しますと?お酒の配達は伺っておりませんが、、」

メイドコスプレ女は苦笑いしていた。私は多分これはテレビのドッキリ番組だと確信し、暫く流れに身を任せることにした。

「まぁ、いいや、何か私に用?」

「はい。今日は王子様とのお食事会がございますので、早速お着替えの準備をと。」

「んん?w」
思わず笑ってしまった。王子様?このドッキリいったいどういう設定なのよ。

「さぁさぁ、こちらへ」
ついていった先はこれまたとんでもなく大きな部屋だった。部屋には他にも3人メイドがいた。
部屋に入るといきなり服を脱がされた。
「いやっ!ちょっ!!まてまてテレビで私の体放送する気?訴えるわよ?」
メイド達は首を傾げた。が、続行された。

着替えが終わると鏡の前に立たされた。
「アリリお嬢様、すごくお似合いですよ!」

鏡を見ると私は目を疑った。スラッと高い鼻、蒼く二重な目、シュッとした堀のあるフェイスライン。いくらお金をかけて整形しても到底なれないような整った顔なのだ。

「うっっそ!!これ、、、わたし?」

メイド達は私が戸惑うくらいドレスを気に入ったと解釈したのか笑顔だった。

「着替え終わりました?」
ドアの向こうから渋い男の声が聞こえた。
「はい、いま終わったところです。」
メイドがそう言うと声の主と思われる男性が部屋を開け入ってきた。歳は70あたりだろうか。よく漫画で見るベテラン執事的な雰囲気がする人だった。

「これはこれは、大変お美しゅうございますぞアリリお嬢様。」

私は怖くなって走って逃げようとしたが男に手首を掴まれた。

「そう急がずとも馬車を用意しているのでご安心を」

私は恐怖で言葉が出なかった。
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