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魔法学校編
お城訪問
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エリザに城へ招待されたヴァイオレットは、後日先日の一件で一時休校となった日を利用して城へとやって来た
『お待たせ致しましたヴァイオレット様。足元にお気をつけ下さい』
『ど、どうも……』
寮にまでわざわざ迎えにきた馬車から降りると目の前には壁の様に立ちはだかる城
その大きさに圧倒されながらタキシードを着た男に扉の方へと案内される
扉が開かれると今度は一列に並んだメイドさん達が一斉に頭を下げてきた
『『ようこそお越しくださいました』』
『え、えぇ~……』
あまりにも仰々しい出迎えに困惑するヴァイオレット
その圧にたじろいでいると、前方にある階段から王女様がやってきた
『ようこそヴァイオレットさん、お待ちしていました』
『え~と確か……ほ、本日はお招き頂き感謝致します。王女殿下』
『部屋までは私が案内するので貴方達はもう下がって大丈夫ですよ』
王女がそう告げるとメイド達は一礼して自分の持ち場へと去っていった
城の中はとても広く、部屋に辿り着くまではかなり歩くこととなった
王女様は服の知識が疎いヴァイオレットでも普段の制服とは比較するに値しない程のドレスを着ていた
城へと招待されたその日、ヴァイオレットは城には制服で赴くつもりだったがミーシャ達に止められており、体形の似ているレイナからドレスを借りていた
『本当にこんな衣装で行かなくちゃいけないの?制服でいいんじゃないの?』
『馬鹿ね、あなたお城にお呼ばれしたのよ。最低限の身だしなみは整えなきゃ。服はこれでいいとしてあとは化粧ね』
『お化粧なんてしたことないよー』
『なら私達に任せな!ヴァイオレットは素材がいいからあくまで自然な感じに……』
と、こんな感じで半ば強引におめかしをさせられたのたが、素直に従っておいて正解だったようだ
『そういえば今日アレク君はい、いらっしゃらないんですか?』
『ふふっ、普段通りの喋り方で構いませんよ。アレクは先日の件の報告書を作成しています』
『そう?慣れない喋り方だと舌噛みそうで。それにしてもお城の中って無駄に広いねぁ……一人だと迷子になっちゃいそう』
『慣れてしまえばそんなに気にならないんですけどね』
王女と話をしながら部屋に向かっていると、誰かが後ろから声をかけてきた
『そんな所で何をしているんだ?エリザ』
『あら、お父様』
振り返るとそこには恰幅の良い男性が。頭にはいくつもの宝石が散りばめられた冠
そして王女様のお父様という言葉で目の前の人物がこの国の王だということに気づく
『国王様!?あわわわわわ』
突然の国王の登場に慌てふためくヴァイオレット
王と謁見した場合の振る舞いも来る前に教えられたが、いきなりの事態でド忘れしてしまった
不敬を働いたら即斬首、焦っていると国王の方が口を開いた
『あぁ、お主がエリザを助けたという者か。話は聞いている、娘を救ってくれた事感謝するぞ』
『も、勿体ないお言葉です』
国王という位だからもっと堅物な人間かと思ったが、寛容そうで一先ず安心する
そんなホッとしているヴァイオレットを凝視してくる国王、知らずに粗相をしてしまったのかと再び緊張が走る
『あ、あの何か……』
『……まさかな。いやすまない、私の勘違いのようだ。ゆっくりしていくといい』
それだけ言い残すと国王は従者を連れて消えていった
よく分からないが粗相をしたわけではないようなので気を取り直して二人は部屋と向かった
『お待たせ致しましたヴァイオレット様。足元にお気をつけ下さい』
『ど、どうも……』
寮にまでわざわざ迎えにきた馬車から降りると目の前には壁の様に立ちはだかる城
その大きさに圧倒されながらタキシードを着た男に扉の方へと案内される
扉が開かれると今度は一列に並んだメイドさん達が一斉に頭を下げてきた
『『ようこそお越しくださいました』』
『え、えぇ~……』
あまりにも仰々しい出迎えに困惑するヴァイオレット
その圧にたじろいでいると、前方にある階段から王女様がやってきた
『ようこそヴァイオレットさん、お待ちしていました』
『え~と確か……ほ、本日はお招き頂き感謝致します。王女殿下』
『部屋までは私が案内するので貴方達はもう下がって大丈夫ですよ』
王女がそう告げるとメイド達は一礼して自分の持ち場へと去っていった
城の中はとても広く、部屋に辿り着くまではかなり歩くこととなった
王女様は服の知識が疎いヴァイオレットでも普段の制服とは比較するに値しない程のドレスを着ていた
城へと招待されたその日、ヴァイオレットは城には制服で赴くつもりだったがミーシャ達に止められており、体形の似ているレイナからドレスを借りていた
『本当にこんな衣装で行かなくちゃいけないの?制服でいいんじゃないの?』
『馬鹿ね、あなたお城にお呼ばれしたのよ。最低限の身だしなみは整えなきゃ。服はこれでいいとしてあとは化粧ね』
『お化粧なんてしたことないよー』
『なら私達に任せな!ヴァイオレットは素材がいいからあくまで自然な感じに……』
と、こんな感じで半ば強引におめかしをさせられたのたが、素直に従っておいて正解だったようだ
『そういえば今日アレク君はい、いらっしゃらないんですか?』
『ふふっ、普段通りの喋り方で構いませんよ。アレクは先日の件の報告書を作成しています』
『そう?慣れない喋り方だと舌噛みそうで。それにしてもお城の中って無駄に広いねぁ……一人だと迷子になっちゃいそう』
『慣れてしまえばそんなに気にならないんですけどね』
王女と話をしながら部屋に向かっていると、誰かが後ろから声をかけてきた
『そんな所で何をしているんだ?エリザ』
『あら、お父様』
振り返るとそこには恰幅の良い男性が。頭にはいくつもの宝石が散りばめられた冠
そして王女様のお父様という言葉で目の前の人物がこの国の王だということに気づく
『国王様!?あわわわわわ』
突然の国王の登場に慌てふためくヴァイオレット
王と謁見した場合の振る舞いも来る前に教えられたが、いきなりの事態でド忘れしてしまった
不敬を働いたら即斬首、焦っていると国王の方が口を開いた
『あぁ、お主がエリザを助けたという者か。話は聞いている、娘を救ってくれた事感謝するぞ』
『も、勿体ないお言葉です』
国王という位だからもっと堅物な人間かと思ったが、寛容そうで一先ず安心する
そんなホッとしているヴァイオレットを凝視してくる国王、知らずに粗相をしてしまったのかと再び緊張が走る
『あ、あの何か……』
『……まさかな。いやすまない、私の勘違いのようだ。ゆっくりしていくといい』
それだけ言い残すと国王は従者を連れて消えていった
よく分からないが粗相をしたわけではないようなので気を取り直して二人は部屋と向かった
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