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108.
しおりを挟む「次はmidnightですね!」
「ドキドキして胸が痛いよ」
波江さんが待ちわびた、midnightのライブ。私も今日はどの曲を歌ってくれるのか詳しくは聞いてないから楽しみ。
MCが繋ぎで会話し『続いてはお待ちかね、midnight!』と言った途端観客のざわめきが増す。
そしてステージ袖から出てきたのは――――星渚さんと、藍だけだった。
しん、と先程の騒ぎぶりが嘘のように収まる。
「今回はmidnightのメンバーが足りませんよね?」
「どうしたんですか?」
MCはオーバーリアクションで慌てたふりをして、マイクを星渚さんに渡す。
碧音君は?皐月は?何でステージに上がってこないんだ。
波江さんも状況がよく分からないようで、視線を泳がせてる。
「今日は俺と藍だけでライブをやります。2デイズあるんで、1日目はサプライズってことで趣向を変えてみました!」
星渚さんはいつもと変わらぬ王子様スマイル全開で、サラッとびっくり発言。
そんなこと全然言ってなかったよね?!
っていうか、もしそうだとしたら皐月と碧音君は今日ライブに来てた意味あった?あ、私達を完璧に騙すためか。
サプライズだし。
……ん?でも、皐月だって碧音君だって今日ライブする気満々な様子だったよね。
それすらも、2人の演技だった?
だとしたら違和感なさ過ぎて感服する。
他の観客も最初こそ困惑していたけど、次第に『こういうのもアリじゃない?』『ボーカルの声がよく聞ける!』『サプライズだったのかよー、焦った』興味を持ち始めている。
「2人のmidnightのライブ、面白そうですよね!では、どうぞ」
MCが話を纏め袖にはけて、照明の色が変わった。
「あれ、星渚さん……」
「どうかした?明日歌ちゃん」
「いえ、普段藍がギターなんですけど今日は星渚さんがギターで藍がベースなので珍しいなって」
「藍が言ってた。ボーカルやりながらギターなら出来る人多いけど、ベースやりながらっていうのは本当に難しいんだって」
「なるほど!」
そういう違いがあるんだ。
星渚さんのこのスタイルは初めてだから、凄く聞いてみたい。
藍がこちらを見て小さくピースすると、波江さんもピースして返す。
波江さん、幸せオーラに包まれてるな。
「――君は言葉に嘘を塗って、僕を――」
碧音君のキレと強さがある、そして曲の土台とも言えるドラムがないとどんな風になるのかな。
結構挑戦的じゃない?と一抹の不安があった。
でも心配は無用だったみたいだ。
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