群青の夏、僕らは明日を願った。

青葉はな

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近づいて目を凝らすと、それはBLACKだった。

向こうも俺に気づいたのか少し振り向いて、そそくさと中に入っていってしまう。

顔色を変えてビクッとした奴が1人いたのは気になるけど。

控え室に行けば楽器を片づけてる星渚と藍がいた。

「ライブ、どうだった?」

「観客の反応もまあまあ良かったよ。ね、藍」

「どうなることかと思ったけど、成功して安心した」

「お疲れさん」

2人を労う。

「で、碧音は見つからなかったのか」

「家にも電話して確かめたけど、いないってさ」

藍と星渚の表情が曇る。

「……ここから出よ」

星渚に促され控え室を出ると、さっに見たばかりのBLACKが何やら集まって話していて。

「お疲れ様です。BLACKに聞きたいことがあるんですけど」

「あ!ライブ、驚きましたよ。2人でやってらっしゃったんですから」

「実はライブ前から刹那がいなくて。刹那を見ませんでしたか」

「いいえ。お見かけしてないですね」

ワインレッドのピアスの男に同調して、他の3人も首を縦に振る。

「…………そうですか」

「力になれず、すみません。では」

黒を纏った長身の男が通り過ぎていく。

完全に視界から消えようとした時――後ろにいるネイビーブルーのピアスをした奴がニタリ、口の端に笑みを滲ませたのだ。

「おいっ、待てよ」

すかさず男の肩を掴む。

「……何でしょうか」

「お前、今笑ったよな?」

「僕は笑ってなどいませんが」

「見間違いじゃねえ、お前笑ってた。何で笑った?人が行方不明だって話した後によく笑えるな」

この男は俺が数分前入り口でBLACKを見た時、ビクッとした顔をした奴だ。

BLACKの4人じゃ比較的柔和で穏やかな態度、表情以外のそれを見せる。

「お前、本当に碧音のこと何も知らねえのか?!」

ギリ、肩を掴む手に力が入る。

「高瀬さん、乱暴な真似はお止めください」

ワインレッドのピアスの男が、俺の手を肩から退けた。

こいつ、力が強い。

「皐月」

星渚にも止めておけと咎められた。でも、こいつ怪しいだろ。

「穏便に、話しましょう」

今度はエメラルドグリーンのピアスをした男がこっちに近寄った。

足を動かしたことで、男のポケットからはみ出したコバルトブルーのカバーのスマホは、碧音のものと一緒だった。

あれは、碧音のだったり?

男のポケットに俺が手を伸ばそうとしたそれより一歩早くスマホを抜き取ったのは、藍だった。

「なっ、牧田さん!」

「このスマホ、形もカバーの色も碧音のものとそっくりなんですが。……あなたのものですか?」

問うと男は口をキュッと閉じて、視線を藍から逸らす。

その視線の先にいたのは、リーダーの男。

「ああ、それは落ちていたので拾っておいたんです。刹那さんの携帯だったんですね、後でスタッフに届けようと思っていたところなので、ちょうど良かったです」

……碧音が、自分のスマホを落としたと言うのか。

「刹那は携帯をうっかり落としてしまうほど抜けてる性格でもなければ、それに気づかない程バカでもないんですよね」

星渚が探りを入れるような目つきで男と対峙する。

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