群青の夏、僕らは明日を願った。

青葉はな

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148.

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「欲しかったんだよねー!!会いたかったよ」


ぴと、CDに頬をあてすりすりする。この日をどれだけ待ち望んだことか……!!


「ぐふ、新品の肌触り~」


「うわぁ変人がいるここに不審者がいます近くの店員さんこいつを取り押さえてください」


「勘違いされるようなこと言わないでよ!」


「店員さん呼んでくるわ。お前ここから動くなよ」


「真面目に突っ立てるわけないでしょ!」


「声がでかい!静かにしろよ恥ずかしい」


「いやお前もな!?もう2人で黙ろう?」


周りにいるお客さんの目線が痛いからすみませんと頭を下げつつ口を閉じる。


落ち着こう、一旦気持ちを落ち着かせよう。皐月にも『ほらほら鎮まれ』と宥めてあげたら瞬時に鼻をつままれた。


ごめん今のは確かに調子乗りました。息がしにくいから離せという意味を込め皐月の手をぺしぺし叩く。


「前にも言ったろ。年上を敬え」


「敬えるような先輩ならそうするんだけどなぁ」


「溜め息吐くなよ」


「はいはい。碧音君に頼まれたCD探しましょ」


「おー、そうだった」


ハイライトのCDがどこにあるか店内を手分けして探す。多分ハイライトってバンド名はそんなに聞いたことないからインディーズのブースにあると思うんだけど……。


「ふーん、ふんふーん」


店内に流れる曲に合わせて鼻歌を歌いながら探し続ける。アルバムだからこの辺りにあるはず。かがんで棚からCDを取り出し確認していく。


せっかく碧音君が頼み事してくれたんだからそれに応えてあげたい。ありますように、と願いつつ私がチェックする隣で皐月も一緒に探す。


距離が近づく度皐月のシトラスっぽい香水が鼻孔を擽り、落ち着く匂いだとそっと胸を撫でおろした。


「……あ、あった!皐月、ハイライトのアルバムあったよ。碧音君が言ってたCD!良かったー見つかって」


「んじゃ借りてってやるか。喜ぶぜ、あいつ」


にっと口角を上げてスタスタレジへ向かっていく。私も自分のCDを買わなきゃと隣のレジへ会計のために並んだ。


るんるん気分で店員さんの声を聞き流しつつ会計を済ませ先に外に出ていた皐月の元へ駆け寄った。


「お買い物終了だね。他に皐月は寄っていくとこある?」


「んー、特にねぇわ」


「あ、じゃあそこのカフェっぽいお店寄ってこうよ。休憩」


私が指差す先にあるのは北欧チックな外見のお店。たまにはああいうお洒落なカフェに行ってみたい。喉も乾いたし。


「へーへー。行くか」


「やった!」


CDショップからそう時間はかからない距離にあるそのお店は主に若い女子が出入りしている様子で、なかなか賑わっている。看板もドア付近にある置物もデザインが凝っていて、とても可愛らしい。


「俺、この店入るの場違いじゃね?」


「いいじゃん。入っちゃおうよ」


「女子しかいねぇじゃん!浮く、俺の存在絶対浮く他の店入ろうぜ」


「だーいじょうぶだって!それよりも喉の渇きを潤す方が先でしょ!」


「早くお店に入りますよー。わがまま言わないの」


「だだこねるガキに言う台詞じゃねぇか」


お店の前で皐月とわーわー言い合いしている最中『こんにちはー』店員さんにキラッキラの営業スマイルでロックオンされてしまった。


「よろしければ、コーヒーでもいかがですか?」


ああ、お姉様の笑顔が語っている。さっさと中に入って注文しろと。


皐月と目を合わせ。これはもう引き下がれないと確信し店員さんに誘導され日当りのいい席へあれよあれよという間に案内されたのだ。


通常の大きなメニュー表と共にカップル限定メニューと書かれた小さなメニュー表も渡されてしまうが、愛想笑いするしかなかった。


「……カップル限定メニューはいかがでしょうかお兄さん」


「お断りします」


皐月は瞬時にテーブルの上に通常メニューを広げた。カフェラテにカプチーノ、季節限定のマロンホイップラテなんていうのもあるから目移りして困る。


「こうしてるとさ、前にカップルだって偽ってカフェに入った時のこと思い出すね」


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