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【第15章 夜の碧に散る華の】
しおりを挟む「この時期に花火できるとは思わなかった!楽しみ」
「いよいよ秋だからね。まあそれもアリなんじゃん」
「俺達くらいだろ、花火やろうとしてんの」
私、菜流、碧音君で授業が終わったあと待ち合わせして、そのまま3人でスタジオ近くの川岸へ向かう。
星渚さんが昨日『バイト先の夏限定キャンペーンで、子供には無料で花火のパックをプレゼントする企画をやってたんだけど思いの外在庫余っちゃったから店長がくれたの。で、良かったら皆で花火やらない?』
と提案してくれたことにより、プチ花火大会を決行することに。
手持ち花火だけだと迫力がないからと皐月が打ち上げ花火も持ってきてくれる予定だから、6人で花火をやっても十分足りる量。
川岸に着くと、すでに星渚さん、藍、皐月が揃っていた。
星渚さんと皐月はバイト終わりで藍は午前からの講義を終わらせてそのまま直行してきたらしい。タフだな。
「おー来たかよ高校生3人組」
「皐月、もう花火の袋開けてるってどんだけ楽しみにしてたの!」
「いいじゃねぇか早くやりたいんだよ!」
「まだ暗くなるの待った方がいいけどね」
前より暗くなるのは早くなったといっても、まだ太陽が沈みきっていない。
「星渚ー!バイトお疲れ様!」
坂を駆け下りてバッ!と星渚さんの胸へ飛び込む。
「菜流も学校お疲れ様。授業ちゃんと居眠りしないで受けた?」
「当たり前じゃん。真面目に受けたよ」
「えらいえらい」
毎度この兄妹は同じことをやっていて飽きないのか。
藍と碧音君はさすがのスル―スキルで花火を袋から開ける作業を始めるから私も手伝う。
皐月はバケツで水を汲みに行って戻ってきてから私達が袋からあけた花火をまとめていってくれる。
季節外れだとしても、このメンツで花火できるなんて楽しいな。青春だ。
「さ。準備も整ったところで花火大会始めよっかー」
いつの間にか2人の世界から戻ってきた星渚さんがウィンクする。実際ほとんど準備したのは私達ですけどね?!とは言わないでおく。
その奔放なところが星渚さんだ。
「打ち上げ花火やろうぜ!すげえやつドーンと」
「いいねぇ」
怖いんだけど。危険な花火大会になりそうで不安なんだけど。
「明日歌は花火どれにする?私はこのカラフルなやつ」
「んー、じゃあこれにしようかな」
手持ち花火の中から、3色に色が変わるやつを選び藍が準備してくれた焚き火に先端を入れて着火。
「綺麗だね、菜流!」
「ね!火の色が青から緑になった」
シューッと燃えて眩い光を放つ花火は、深い紺色の空によく映えた。
「刹那、これ持ってみ」
「何の花火?」
「変わったやつらしいよ」
星渚さんが碧音君に可愛らしい怪獣のイラストが描かれた持ち手のある花火を渡して、火をつける。
着火すると、赤くて雪の結晶みたいな形の花火が散った。
「怪獣が火吹いてるように見えるってことか」
「みたいだね」
そして次は黄色の火に変わり、燃える勢いが増す。
「ははっ、うける」
「怪獣のイラストが可愛い割りには結構迫力あるじゃん」
碧音君は怪獣の花火がお気に召したのか、満足気な様子。
星渚さんは、普通の花火よりも変わったやつの方が碧音君も楽しめると思ってやらせたのかも。
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