群青の夏、僕らは明日を願った。

青葉はな

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碧音君が笑うと星渚さんも嬉しそう。

「星渚、こっちもやろ」

「ん?何それ」

「マシュマロみたいなガーゼに液体をかけると、火の玉が闇夜に浮かび上がります、だって」

「面白いやつ見つけたね、刹那。やってみますかー」

普段はあまり表情を変えず大人っぽい碧音君が、花火で遊んで年相応な笑い方をしてる。

ギャップが可愛いな、と思ってしまう。

「おっしゃ今から打ち上げ花火やんぞ!」

高らかに宣言したのは皐月。上機嫌で打ち上げ花火を間隔を空けて並べていく。

「明日歌ちゃんと菜流、危ないから離れよっか。あいつ何やり出すか分かんないからさ」

「ごもっともです」

藍が下がったところまで、私達もバック。でも、碧音君と星渚さんは動じることなく面白ネタ花火を続行。

マイペースだね。

「点火まで3、2、1――」

ヒュー……ドン!!

鼓膜がキーンとなる大きな音がして上を見上げると、パラパラ輝く花火が夜空に消えた。

間隔を空けずにまたドン!ドン!花火が上がる。

「皐月、それ何連発?」

「10連発!」

じ、10連発?!今3発上がったから残り7連発。

「さすがは皐月が選んだだけのことはあるよね」

「危険を省みないあたりがさぁ。ほんとに私達より年上なの?」

菜流が半分呆れた視線を皐月に滑らせた。

「次いきまーす!見てろよお前ら!」

「皐月ー、もっとやっちゃえ」

「一気に3つ点火したら迫力増すからやってみ」

マイペース2人組が皐月を煽ったぁああ!!この人達はスリルを求めるよね。皐月は待ってましたと言わんばかりに打ち上げ花火を何個も上げる。

「わーっ、眩しい。けど綺麗」

菜流が目を細めつつ、シャー!という音と共に溢れ出す火花を眺める。私達のいるところだけ、夜じゃないみたいに明るい。

「皐月、まだまだ打ち上げ花火あるよー」

「任せとけ!」

「こら。あんまりやり過ぎるな」

はしゃぐ皐月達に藍が釘を刺す。さすがmidnightのお父さん。

藍に言われて多少は打ち上げ花火に着火するペースを緩め、こちらもハラハラすることなく花火を堪能出来た。

役目終了の打ち上げ花火の箱を焚き火から離して1ヶ所に纏めて置いておく。

すごい量だな。

「明日歌、お前手持ち花火のグレードアップバージョンやるか?」

皐月の言うグレードアップバージョンとは、打ち上げ花火のパックに入っていた普通の手持ち花火の倍以上大きい筒の形をしたもの。

「ええ、これ怖くない?」

「大丈夫、手で持てんだから怖くねえよ。ほら」

……そうだよね、せっかくだしやってみようかな。

皐月がくれた花火に火をつけ、皆に見えるように花火を向けた。

「うん、本当だ。大したことない」

「だろ?」

シューシューと滝のように火花が流れ落ちていく。

全然危なくないし綺麗じゃん――そう思えたのは最初の数十秒だけだったのだ。

「ちょっ、嘘!いきなり威力増したんだけど!」

シュー、ではなくシュワァーッ!と音も大きくなる。このまま持ってると手に火花飛んでくるんじゃないか。

「皐月どうしよう。離すよ?離すよ!?」

「バッカ、手離したら危ねえだろうが!」

そんなこと言ったって。

怖いものは怖い!花火さんごめんなさいと謝り手を離そうとした、けど。

「これくらいでビビってんなよな、ったく」

パシ、筒を持ってる方の手を包み込むように皐月の手が重ねられた。

背中に皐月の体が、触れる。

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