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終わりへの旅
しおりを挟む3日後…
「ルキ、お待たせ」
「来たな…これで完成だ。ガルバレーダーバージョンX」
「…Xって何?」
「Xデーってあるだろ?あれだよ」
「あー……」
最後の最後まで相変わらずのルキに対して笑いがこみ上げてくるダット
「ふふ…さて、やるか」
「あぁ…!」
ここから24時間大勢でガルバレーダーを監視し続けると言う難題に立ち向かう2人
本来なら、あのバカでかくなり過ぎた銃を使えば1発でガルバを呼び寄せることが出来るが、でかくなりすぎたせいで逆に危険な状態になっていたのだ
つまり、あと1発の"咆哮"を撃てるかどうかの状態なのだ
そして撃てるとするならば、返した子供を受け入れなかった場合の最終手段に使うつもりだ
「レーダーを使い始めて今日で2日目…動きが無いな」
「どこへ行ったんだガルバ共…」
「ほんとにダットを見ているようだな…」
「父さんを?」
「あぁ、旅立つまえのダットもそんな目をしていたよ」
「…」
黙り込む二人の気を引くかのようにレーダーが鳴り響く
「なんだ!?」
「レーダーに反応があったぞ!だが…何かがおかしい…」
「おかしい?」
「反応がデカすぎる…」
「見せて…なんだこれ…これ全部ガルバなのか…?」
「恐らく、すべてのガルバが集まっているんだろう…このままここを襲うとしたら、シェルターが持つかどうか…どうする?」
「もう少し様子を見よう…」
数時間後…
「ダット!!」
「どうした!?」
「来るぞ!下に隠れろ!!」
急いで研究所の地下シェルターに隠れるダットとルキ
その直後物凄い轟音と地響きが街を襲った
「すごいな…どれだけのガルバが居るんだ…」
「奴らが来てから5分は経ってるぞ…数千…いや数万匹のガルバが群れを成して居るんだろう…」
ようやくガルバの大群が通過して地上へ出てみると崩れかけていた建物はおろか、シェルター以外の人工物はすべてなくなり砂漠と化していた
「向こうのシェルターも無事みたいだな…」
「ルキ…バギー…あったよね」
「…すぐ出せるぞ」
「ありがとう」
「死ぬなよ…」
「必ず戻ってくる」
お互いの顔を見合わせる2人
言葉を交わさずとも通じ合えるのはダットだからだ
バギーに乗ってガルバを追う姿はまさに英雄のダットそのものだった
さすが親子だなと思いつつもどこか違う何か違和感を感じながらも、一般シェルターを開けるルキ
「みんな!もう大丈夫だ!」
ザワザワしながら出てくる者達、風景を見て絶望する全員
ユナがルキの元へ来て聞いた
「ダットは?」
問いかけに目線だけで答えるルキ
「やはり同じ血が流れているのね…あの子は立派に育ったよ…ダット…」
ユナは天を仰ぎ優しく話しかけた
そして1週間後…
「あれから1週間…一昨日でた捜索班からの連絡は何も無いな…」
「えぇ…やっぱり同じ運命を辿ったのかな…」
そこへ無線が入る
「こち…ザザッ…そう…ザッ…ダッ………けん……ザザッ……き……しま……応答……よ……ザー…………」
「乱れていてよく聞こえないな…少し調整するか…」
「こちら捜索班!ダット発見!これより帰還します!応答せよ!!」
「なんだってぇー!?」
「ユナ!」
「うん!」
「こちらルキ!捜索班聞こえるか!」
「こちら捜索班!ルキ!聞こえるぞ!ダットをみつけた!!」
「よくやった!ガルバは!?」
「ガルバは殲滅済みだ!跡形もなく!」
「…は…ははは……あはははははは!」
「俺達が来た時にはもう、1匹も動いてなかったぜ!さすが英雄の息子だ!!」
「そうだ!ダットは生きてるのか!!」
ルキがそう言うと返事が途絶え、次の瞬間懐かしく感じる声が聞こえた
「ルキ!墓の準備ができなくなってわるかったな!」
「ダット…!…ふっ、全くだ!あとは名前掘って埋めるだけだったのによ!ははは!」
涙を流しながら冗談に付き合うルキ、その横では声にならないほど喜ぶタツ、そして後ろでは静かに涙を流し微笑むユナ、街のみんながダットが生きていたことを喜んだのだった
「ふぅ、やっと付いたな」
「おかえり!英雄さんよぉ!」
「ただいまみんな!」
「おかえり…ダット…」
「…ただいま、母さん」
こうしてガルバの危機もなくなり、平和が戻ったかに見えた…しかし、地下にはまだ何兆と言う得体の知れない怪物が息を潜めていたのだ…その怪物が地上へ現れて来るのはまた別のお話…
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