3 / 8
EP.003 動き出した物語
しおりを挟む*
今日は、エミルの十歳の誕生日。
ユミルは、兄であるエミルに何をプレゼントしようか悩んで決めれずに居たので、モードレッドに相談しに隣の屋敷に訪ねに来ていた。
「もーどれっどさーん!」
「あらん?珍しいわねぇ、貴女が此所に来るなんて?明日は、雨かしら?」
「なにげに、ひどいです」
「まぁ、いいわ……中に入りなさいな」
「はーいっ」
モードレッドは、ユミルを屋敷に招いて周りを見てから中に入り扉に鍵を掛けてから、ユミルをリビングへと案内する。
「で?俺に、何の用かしら?」
「あのねっ、おにーちゃんのじゅっさいのたんじょうびだから……プレゼントをわたしたいのっ」
「ふーん……」
「それで、なにをあげたらいいのか……わからなくて……」
モードレッドは、ユミルをソファに座らせてからお湯が入ったポットとカップを用意して、テーブルの上にカップを置いてからココアの粉末を入れてからポットを使って、お湯を入れてスプーンで掻き混ぜる。
「あの、きいてます?」
「んー?はい、ココアよ」
「あ……、ありがとうございます……」
「そうねぇ、エミル坊やが喜ぶ物ねぇ……?基本的に、貴女が渡せば何でも喜ぶんじゃないかしらぁ?」
ユミルはココアを飲みながら、目の前で話をしているモードレッドを観察していた。
ユミル的には、何故モードレッドが自分と接触しようとしたのか分からなくて何時も悩んでいる。
「敢えて、形が残るようなものをあげたら……?どうしたのかしら、そんなに見つめて?」
「え、あ?いえ……」
「ふふっ、そうねぇ……どうせ、俺が何故嬢ちゃんと接触しようとしているか……それが、気になるのかしら?」
「!?」
「ふふっ、……図星みたいねぇ」
モードレッドが軽く笑っていると、ユミルは恥ずかしいのか頬を染めて顔を背けている。
「そうねぇ、……それは……貴女の中が気になるかしらぁ?」
「えっ?」
「その禍々しいぐらいに、此方に牙を向けて……いつでも、喰い殺そうとしている存在が気になっているのよねぇ」
「っ……!?」
モードレッドは、目を細めながらユミルを見ていてユミルは目を逸らす事が出来なかった。
モードレッドは、ユミルの力を理解していたのである。
「ふふっ、気になるけども……下手には、探れそうにないものねぇ……レックスが、五月蝿いだろうしぃ?」
「……」
「それと、もう1つだけ気になっているよねぇ?」
「もうひとつ?」
モードレッドは、ユミルに近寄るとユミルの耳元で“気配が、女の子らしくないのよ”と言うとユミルは慌ててモードレッドから離れると同時に、二人の間に刀が刺さっていて横を見てみると満面な笑顔をしているレックスが立っていた。
「モードレッド?」
「あらん?早いオカエリねぇ?」
「なんで、此処にユミルがいるんだ!あれほど、手を出すなとっ」
「とうさん、かんちがいだからー!そうだんに、のってもらっていたのー!」
ユミルは慌ててレックスの腰に抱きつき、今にもレックスがモードレッドを殺しそうな勢いなのでレックスを止めようとする。
「相談……?」
「そう!そうだん!ほら、きょうはおにーちゃんのじゅっさいのたんじょうびだからっ!なにをあげたらいいのか、わからなくてっ」
「そ、そうか……」
レックスはユミルの言葉に、やっと落ち着けたのか刀を腰に身に付けている鞘に戻してからユミルの頭を優しく撫でる。
「本当に、親バカねぇ?レックス」
「五月蝿い、お前も子持ちになれば分かる事だ」
「そんな相手、俺には居ないわよ~」
「とりあえず、ユミル?一緒に、帰ろう?」
レックスは、ユミルを抱き上げるとユミルはモードレッドの方をチラッと見てみると、モードレッドは何処か寂しそうな感じが見えた。
(どうして、あんな表情をしていたんだろう?そういえば、ゲームでは深くモードレッドの話を見てないな……)
(殆ど、メインシナリオしかやってなくてキャラシナリオとか一部しかやってなかったっけ?)
ユミルとレックスは、小さな市場へとやってくるとレックスはユミルを地面に下ろすとユミルは、出店に出されている装飾品を見つける。
「何か、良いのを見つけたかい?」
「うーん……」
ユミルは沢山の装飾品を見つめて、何れがエミルが喜ぶのかを見定めているとシンプルなペンダントを見つける。
そのペンダントは、淡い虹色の石が嵌めてあるシンプルなペンダントである。
「とうさん、これにする!」
「ん、わかったよ」
レックスは店の人に、そのペンダントを言って会計をしてから受け取りユミルに手渡すとユミルは嬉しそうにしている。
「おにーちゃん、よろこんでくれるかな?」
「エミルなら、ユミルからの誕生日プレゼントなら喜んでくれるさ」
「だと、いいなぁ~!」
*
その日の夜、リビングで集まってエミルの誕生日会をしていた。
エミルは、何処か恥ずかしそうにしながらも嬉しそうにしている。
「おにーちゃん、じゅっさいのたんじょうび!おめでとうっ!これ、プレゼントっ!」
ユミルは、淡い水色のラッピングに青いリボンが付いた袋をエミルに手渡すと、エミルは驚いた表情をして恥ずかしそうに頬を染めながらも嬉しそうに笑っている。
「ありがとう、ユミルっ」
「おにーちゃん、なんでないているのー?なきむしさーん」
「う、うるせぇっ!嬉しいからに、決まってるだろっ」
「ふふっ、本当に仲がいいわね……エミルとユミルはっ」
家族の皆で、エミルの十歳の誕生日を祝っていて皆が嬉しそうに笑っている。
だが、そんな幸せが長く続くわけがなかったのだ。
それは、突然としてやってきた。
村は燃えさかり、村の人々が泣き叫んでいる声がしてレックスとヴィオラは各々の武器を持って外に出る際に、エミルとユミルを先に裏口から逃がしていた。
村を襲ってきたのは、この世界の最大都市として存在していた“セフィロトガーデン皇国”の黒い騎士団の集団だった。
「ユミル、ちゃんとついて来いよ?」
「う、うんっ」
エミルとユミルは、レックスに言われた通りに裏口から逃げ出して裏手の渓谷へと逃げて来ていた。
その渓谷は、素人では通るのは辛い道となっているがエミルとユミルはレックスの手伝いでよく訪れていた。
「村が、燃えてる……」
「とうさん、かあさん……だいじょうぶかな?へいきかな?」
「二人とも、強いから大丈夫だっ」
「うんっ……」
ユミルはエミルに励まされたが、この胸騒ぎを感じて安易に安堵を感じては居られなかった。
そして、頭の中では物語が動き出した可能性を考えていた。
(そうなれば、レックスとヴィオラは死ぬ可能性を考えておいた方がいいよな?)
そう考えていると、二人の後ろから足音がして二人して振り向くと数名の黒い騎士が現れて殺されると感じていた。
だが、エミルがユミルを守ろうとレックスに託されたダガーを抜いて応戦したのだが、体格差もあるためダガーは弾かれてしまうと蹴られてしまう。
「おにーちゃんっ!」
「っ……」
NEXT
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【 完 結 】スキル無しで婚約破棄されたけれど、実は特殊スキル持ちですから!
しずもり
ファンタジー
この国オーガスタの国民は6歳になると女神様からスキルを授かる。
けれど、第一王子レオンハルト殿下の婚約者であるマリエッタ・ルーデンブルグ公爵令嬢は『スキル無し』判定を受けたと言われ、第一王子の婚約者という妬みや僻みもあり嘲笑されている。
そしてある理由で第一王子から蔑ろにされている事も令嬢たちから見下される原因にもなっていた。
そして王家主催の夜会で事は起こった。
第一王子が『スキル無し』を理由に婚約破棄を婚約者に言い渡したのだ。
そして彼は8歳の頃に出会い、学園で再会したという初恋の人ルナティアと婚約するのだと宣言した。
しかし『スキル無し』の筈のマリエッタは本当はスキル持ちであり、実は彼女のスキルは、、、、。
全12話
ご都合主義のゆるゆる設定です。
言葉遣いや言葉は現代風の部分もあります。
登場人物へのざまぁはほぼ無いです。
魔法、スキルの内容については独自設定になっています。
誤字脱字、言葉間違いなどあると思います。見つかり次第、修正していますがご容赦下さいませ。
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる