第二の人生、冒険者でガンバる!ー其処は、好きなゲームの世界でしたー

哭婪ねこかん

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EP.004 潜む想いを隠して

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ユミルとエミルへと、剣が振りかざされてユミルはエミルを押して谷底の川へと落として逃がして、背中を切りつけられて地面に倒れ込むと同時に黒い騎士達は黒い一閃で地面へと倒れ込み血を流して息絶えていた。

その黒い一閃を出したのは、どうやらモードレッドだったようでユミルの状態を見て駆け寄ってくる。


「嬢ちゃんっ……!?」

「っ……、おにーちゃん……かわに……」

「エミル坊やは、川へと落ちたのねっ?」

「うん……っ」


モードレッドは、ユミルを抱えてから川を見つめてから此処から離脱するために森の中へと走り出す。


「っ……、モードレッド……さん……とうさんと、かあさんは……?」

「二人なら、大丈夫よっ……俺の別邸に避難しているからっ……!今は!喋らないのっ!いいねっ?」

「う、ん……」


モードレッドはユミルを抱えて、自分の隠れ家へと急いで向かった。

其処は、森の最奥に存在している小さな家でレックスとヴィオラは入り口で待っていた。


「ユミルっ!?」

「どうやら、兄のエミルを庇って負傷したみたいだわ!ヴィオラ、直ぐに治療をっ」

「わ、わかったわっ」

「モードレッドっ、エミルはっ?」

「これから、直ぐに探しに行くからレックスも来て頂戴!」

「わかったっ!」


モードレッドとレックスは、渓谷の下の川へと向かってエミルの捜索をしに向かった。

ヴィオラは、小さな家の中へと入りユミルをベッドに寝かして治療を開始する。


「ユミルっ……」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー



ユミルは、深く暗い空間で目を覚まして周りを見渡しても誰も居なく足下は赤い液体で満たされていて、歩くのも大変な感じだがユミルは歩かないと呑まれるような感覚に襲われて前へと歩き続けていた。


「何だよ……、この場所っ……何処までも、同じ光景じゃないかっ」


ユミルは立ち止まり、誰かに呼ばれたような感覚になり立ち止まり振り向くと“もう一人の自分”が立っていた。


《いいの?こんな所で、歩いていて?》

「出口を探しているだよ……、お前は知らないのか?」

《さぁ?でも、早く此処から出ないと…………助けれないよ》

「えっ?」


“もう一人の自分”が、ユミルの後ろへと指を向けるとモニターのようなもので外の光景が見えていた。

黒い騎士団の集団が、どうやらモードレッドの隠れ家を見つけて包囲しているようでヴィオラが一人で対応しようとしているのが見える。


「アイツらっ……っ!?」


ユミルは前へと踏み込むと、赤い液体から黒い手のようなものがユミルの身体に巻き付くため、ユミルは前に進めなくて倒れ込むと“もう一人の自分”が目の前に立っている。
 
モニターのようなものを見てみると、ユミルは驚愕の表情をして焦った表情をしていた。


「やめろ……っ、母さんに手を出すなっ!!」


そのモニターには、黒い騎士団の集団に捕まったヴィオラが服を引き裂かれ押し倒されている姿が見えたと同時に、ユミルの意識が閉じてしまう。


ヴィオラは、黒い騎士団の集団に犯されると思った時だった。

モードレッドの隠れ家から、黒い何かを纏ったユミルが出てきた時には周りの黒い騎士団の集団達の“首”が、黒い大きな狼に喰われていたのである。


「……“暴食”とは、違う……っ……何なの、これっ?」

「ヴィオラっ!?一体、何がっ」

「これは……」


レックスは気絶したエミルを抱えて、モードレッドと共に戻ってくるとユミルの姿と黒い大きな狼の姿に驚いていた。

そのレックスの隣で、モードレッドはヴィオラの姿や周りで亡骸となった黒い騎士団の集団を見て、何が起きてしまったのか理解する。


「……レックス、エミル坊やとヴィオラちゃんを連れて此処を離れなさい」

「何を言ってっ、ユミルを置いて行けるわけがないだろっ!?」

「行きなさい!!嬢ちゃんに、“家族を殺させたい”の!?」

「っ!?どういう、事だ?」

「説明をしている暇なんて、ないのよっ……あれは、“精霊獣”の恩恵を受けてしまった末路の姿よ」


モードレッドは、レックス達を先に逃がしてからユミルをどうやって気絶をさせるか悩んでいた。

だが、ユミルの纏っていた黒い何かはユミルの影へと消え去ると同時にユミルは地面に倒れ込む。


「……辛かったわね、嬢ちゃん……」


モードレッドは、ユミルを抱き上げて優しく抱きしめると優しく微笑みながらユミルの頭を優しく撫でる。


「……さて、どうするべきなのかしらねぇ…………恩恵を受けた子供を英雄様は、どう対処するのかしら?」


モードレッドは、ユミルの頬を優しく撫でてから色々と考えていた。

それは、このまま日常にユミルを戻せるのかを悩んでいたからである。


「……レックス達は、どうするかしらね?それに、嬢ちゃんも……」

「一旦、戻って確かめるしかないわね」


モードレッドは、ユミルを抱えてレックス達が居ると思われる隣の都市へと歩みを進める。








あれから、数日が経ってから眠ったままだったユミルは目を覚ましてリビングに来てはレックスの提案で家族会議を始めた。


「……とうさん、あたし…………モードレッドさんから、いろいろときいたよ」

「……話したのか」

「この子なら、色々と理解していたわよ?自分の中の身に、何が起きたのかも……全部ね」


ユミルはレックス達と顔を合わせようとせず、モードレッドの足にしがみついて俯いて色々と頭の中で考えていた。

これから、自分の現状を把握しないといけない事を分かっていた。

モードレッドからの話で、自分が持っている能力が精霊獣の恩恵なんだと理解させられていた。


「っ……」

「ユミル、俺達はユミルの事を気にしていない」

「……?」

「寧ろ、私はユミルに感謝をしないといけないもの……怖がったり、嫌ったりなんかしないわよ」

「とうさん、かあさん……っ」


ユミルはレックスとヴィオラに抱きつき、声を出して泣いていると離れた位置からエミルはモードレッドの表情を見て疑問に思っていた。


(モードレッド、なんで……そんな表情をしているんだ?)

(まるで、この光景が気に食わない感じにしか……)


その日は、モードレッドは別の所に出掛けたのでユミルはレックス達と過ごしていた。

その出掛けたモードレッドは、都市を眺めれる丘の上から都市を見つめていた。

それは、何を思っているのか分からない。


「……残念だわぁ、手に入るかと思ったんだけどねぇ……絆は強いって事かしらん?」


モードレッドは、自分の左手を見つめて握りしめてから再び都市を眺めてから星空を見つめる。


「……これは、運命なのかしらねぇ?……欲しいって、こんなに思っちゃうのは……“同じ”だから、なのかしら?それとも、本心からなのかしら?……ふふっ、分からない事だらけねぇ」


その出来事から、暫くの間にモードレッドの姿を見ることは無かった。

そして、その出来事から二年して“冒険者”を育成する学園へとエミルは入学する事になる。







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