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第七章 フィー 幻想世界開幕篇《第二部》
第87話「炎のフォレスティア」
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「にしてもいい天気だな~」
「急にどうしたフィー」
「こんないい天気だとは思わなくてな」
改めて見て驚いたが、これってやっぱり天気も再現してるのか。
相変わらずだなオーディンの力は。
今回の目標はエーシルを討伐することだ。
この世界でもあいつと顔を合わせないといけないのか。
俺が一番二度と見たくない顔だ。
しかし、奴を討伐することできっと俺は乗り越えられる。
誰かにやれと言われた事じゃない。自分で決めたことだ。
とはいえ、奴の居場所なんて分からん。どうしたものか。
再構築前の世界で初めてエーシルと会ったのは、偶然だった。
だが、奴はマキナが居ると接触出来なかったとそう言っていた気がする。それはマキナがゼウスたる所以だ。
ならマキナが居ると奴に接触出来ないという事になるのか。
おいおい、まさかまたマキナと喧嘩しないといけないってか?
マキナを怒らせることで、向こうの世界を救うことに繋がる……回り回ってマキナを救うことにも繋がるのかもしれないな。
仕方ない……またマキナを傷付けるのは心が痛いが、そうしなければならないと言うのならやむを得ない。
確かあの時の喧嘩の理由は、出会った日はいつか覚えているか? だっけか。それに俺は覚えてないと答え喧嘩をした。ほんと今考えても自分が嫌になるな。こんな事で世界を変えちまったなんて。
だが、あれはマキナから言われたものだ。俺から言って大丈夫なのだろうか。俺が話を切り出して覚えてないと答えるのも変じゃないか? もし矛盾が発生した場合どうなるんだ……?
やはりマキナから振られるのを待つべきか……。
「なぁ、マキナ――」
「見ろフィー、山が燃えている」
「そうだな」
…………ってこんなイベントあったか?
それにこの方向……おいあれってフォレスティアじゃねぇか!
「いくぞマキナ!」
「ああ」
ここから見ても分かるくらい燃えている。徒歩で行けば、着いた頃には焼け野原だな。
「マキナいつもの頼む」
「分かった」
マキナは俺に微弱な電気を纏わせ、俺とマキナは空中に浮かぶ。
少しビリビリとするが、マキナはちゃんと調整してくれている。
そうして俺達は燃え盛る山へと向かった。
***
「おい……これはもう手遅れじゃないか?」
「かもしれんな」
せめてここにルクスが居れば水魔法で何とかなったかもしれない。だが、この世界に魔法は存在しないようだからな。
当然、ルクスも魔法使いではない。
さて、どうしたものか……。
と言っても魔法がない以上何も出来ないな。消防車がある訳でもあるまいし。しかしこのまま放置する訳にもいかないだろ。例えこの世界がまがい物だとしても、見殺しになんて出来るものか。
それは俺の心を弱くする。強くなんかならない。エーシルを倒すのならこれくらい救えなくてどうするよ。
「どうする、フィー」
「…………ふぅ………ここで待ってろマキナ」
「やっぱり行くのか……なら我も行く。フィーを一人になんてさせない」
ま、マキナならそう言うと思ったよ。
「じゃあ行くか」
「ああ」
俺とマキナは燃え盛る森へと足を踏み入れた。
……
…………
………………
「ゴホッゴホッ……流石に煙たいな」
「ここはまだマシだ。奥はもっと凄いぞフィー」
マジかよ……これより酷くなるってもう生きてないだろ。
というか勢いで入ってしまったが、帰れるのか俺たち……。
このまま死んだら俺どうなるんだ?
《当然死ぬよー! 》
おい、オーディン……見てんなら何とかしろ。
《そりゃ無理だよ! これは君の記憶だもんフィー。私は干渉出来ないよ! 鑑賞だけにね!! 》
くそ……めちゃくちゃ腹が立つ。お前帰ったら覚えとけよ?
《あはは! そりゃ楽しみだね……! 頑張れ……フィー》
はぁ……まぁ泣き言言っても仕方ない。このまま進むか。
「おや、あなた達! なにをしているのですか!? 早くお逃げなさい!」
全身火傷を負っているエルフが出てきた。
痛々しいが一応生きてはいるな。ま、死んでいても蘇生できるけど。
「……『ヒール』」
「な……これは一体……」
「さぁはやくこの森を出ろ。俺達は今お前にやった様に、お前の仲間を救いに行く」
「……は、はい! ありがとうございます! 気を付けて下さい! 神様!」
誰が神様だ。そんな称号誰が要るか。
先へと進む俺とマキナ。やはりそこかしこにエルフが倒れている。俺は次々と倒れているエルフに『ヒール』を掛け、エルフを外へと逃がしていく。
「ありがとうございます!」
……
…………
………………
「……しかし何人居るんだ?」
「分からん。だが、なにか見えてきたぞ。集落ではないか?」
確かここは村長が居る場所だな。話を聞きたいところだが、それは後だな。
集落にまだ逃げ遅れた者がいるならまずそいつらを助けるのが先だ。
集落は炎で埋め尽くされていた。人の気配はない。
「……全員逃げたのか?」
いや、そんな筈は無い。俺が助けたエルフの中に村長とコレイコルネ姉妹が居ない。俺たちが来る前に逃げた……? いや、考えられないな。逃げたとしたら外にいたハズだ。俺たちが入る前、森の前には誰も居なかった。そしてなにより、村の責任者が先に逃げるだろうか………いや、あの村長ならそんなことしないな。
「奥へ進もう」
「これ以上は危険だフィー。戻ろう。我たちまで死んでしまう」
きっと村長とあの姉妹はフォレスティアに向かったハズだ。
王や民を逃がす為に……。
「マキナは帰れ。俺は進む」
「…………フィー何回言わせるんだ。我がフィーを置いて行くわけが無いだろう。死ぬ時は一緒だ」
頑固なやつだ。
俺はフォレスティアの石門の前に立つ。
「アチッ」
石門は鉄板のように熱い。だが、これを開けなければ進めない。
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛があああああああ!!!」
ジューという皮膚が焼ける香ばしい匂いが漂う。
石門に皮膚が張り付き離れてくれない。これ以上無理に引き剥がそうとするともれなく皮膚まで剥がれてしまう。
しかし、そうするしかないと判断した俺は勢い良く手を離した。石門には俺の皮膚がベッタリと張り付いている。
ギイィィ
「……………はぁ………開いた」
「……無理をするなフィー」
「これくらい大丈夫だ。……『ヒール』」
俺は自分の手に『ヒール』を掛ける。
門の中は最悪な状態だった。木々は燃え、倒れた大木が道を塞いでいる。ハッキリ言って進めない。
「…………フィー」
「何とかする、任せろ」
俺は考える。燃え盛る木々、倒れて道を塞ぐ大木。
これをどうにかする魔法…………ははは何も思いつかねぇや。
俺は回復魔法しか使えないじゃねえか。お前はルクスじゃないだろフィー。
「すぅ…………はぁ……」
俺は腰に手を当て集中する。
”今、俺の手には剣がある。そしてそれは塞がれた道を切り開く”
「――『一閃』」
燃えさかる炎は消え、道を塞いでいた大木は切れた。
もう俺たちを阻むものは何も無い。
「……よし、進もうマキナ」
「フィー、流石だな」
イメージで作り出された刀身は役割を果たした瞬間消えた。
「やっぱり、幻想世界って言われるだけの事はあるな……」
道と言うには足場が悪すぎるし、未だ周りの木々は燃え盛る。
そんな道と言うには荒すぎる道のりを進んでいく。
……
………
……………
「……着いた」
フォレスティア。獣人が住んでいる国。ルクスと来た時には栄えていた国が今となってはあちらこちらで悲鳴が上がっている。
俺達は再び巨大な石門の前にいる。しかし、誰も出てくる気配はない。いや、出れないのだろう。熱々の鉄板だ。開けようとすれば、さっきの俺みたいになる。
俺は再び石門に手を置き、さっきと同様に門を開く。
「…………………はぁ………『ヒール』」
「よくやったぞフィー」
門を開けると、獣人達が門の前に集まり座り込んでいた。
ただじっと開けることの出来ない門の前で無力に死を待つ様だ。
「助けが……きた?」
獣人達は門を開けた俺を見つめる。
「助けに来たぞ獣人達」
おい、それは俺のセリフだぞマキナ。
でも良かった。まだ獣人達は無事みたいだ。
後は、ここから無事出る事だ。正直これが一番難関なのだが。
「やあ。ありがとう名の知らぬ者よ」
モフモフの体毛に猫の顔をした者が前に現れた。
「僕の名はキャルロット・アルトリウス。助けに来てくれたこと深く感謝する」
キャルロットは燃え盛る森の中、俺とマキナに頭を下げた。
「急にどうしたフィー」
「こんないい天気だとは思わなくてな」
改めて見て驚いたが、これってやっぱり天気も再現してるのか。
相変わらずだなオーディンの力は。
今回の目標はエーシルを討伐することだ。
この世界でもあいつと顔を合わせないといけないのか。
俺が一番二度と見たくない顔だ。
しかし、奴を討伐することできっと俺は乗り越えられる。
誰かにやれと言われた事じゃない。自分で決めたことだ。
とはいえ、奴の居場所なんて分からん。どうしたものか。
再構築前の世界で初めてエーシルと会ったのは、偶然だった。
だが、奴はマキナが居ると接触出来なかったとそう言っていた気がする。それはマキナがゼウスたる所以だ。
ならマキナが居ると奴に接触出来ないという事になるのか。
おいおい、まさかまたマキナと喧嘩しないといけないってか?
マキナを怒らせることで、向こうの世界を救うことに繋がる……回り回ってマキナを救うことにも繋がるのかもしれないな。
仕方ない……またマキナを傷付けるのは心が痛いが、そうしなければならないと言うのならやむを得ない。
確かあの時の喧嘩の理由は、出会った日はいつか覚えているか? だっけか。それに俺は覚えてないと答え喧嘩をした。ほんと今考えても自分が嫌になるな。こんな事で世界を変えちまったなんて。
だが、あれはマキナから言われたものだ。俺から言って大丈夫なのだろうか。俺が話を切り出して覚えてないと答えるのも変じゃないか? もし矛盾が発生した場合どうなるんだ……?
やはりマキナから振られるのを待つべきか……。
「なぁ、マキナ――」
「見ろフィー、山が燃えている」
「そうだな」
…………ってこんなイベントあったか?
それにこの方向……おいあれってフォレスティアじゃねぇか!
「いくぞマキナ!」
「ああ」
ここから見ても分かるくらい燃えている。徒歩で行けば、着いた頃には焼け野原だな。
「マキナいつもの頼む」
「分かった」
マキナは俺に微弱な電気を纏わせ、俺とマキナは空中に浮かぶ。
少しビリビリとするが、マキナはちゃんと調整してくれている。
そうして俺達は燃え盛る山へと向かった。
***
「おい……これはもう手遅れじゃないか?」
「かもしれんな」
せめてここにルクスが居れば水魔法で何とかなったかもしれない。だが、この世界に魔法は存在しないようだからな。
当然、ルクスも魔法使いではない。
さて、どうしたものか……。
と言っても魔法がない以上何も出来ないな。消防車がある訳でもあるまいし。しかしこのまま放置する訳にもいかないだろ。例えこの世界がまがい物だとしても、見殺しになんて出来るものか。
それは俺の心を弱くする。強くなんかならない。エーシルを倒すのならこれくらい救えなくてどうするよ。
「どうする、フィー」
「…………ふぅ………ここで待ってろマキナ」
「やっぱり行くのか……なら我も行く。フィーを一人になんてさせない」
ま、マキナならそう言うと思ったよ。
「じゃあ行くか」
「ああ」
俺とマキナは燃え盛る森へと足を踏み入れた。
……
…………
………………
「ゴホッゴホッ……流石に煙たいな」
「ここはまだマシだ。奥はもっと凄いぞフィー」
マジかよ……これより酷くなるってもう生きてないだろ。
というか勢いで入ってしまったが、帰れるのか俺たち……。
このまま死んだら俺どうなるんだ?
《当然死ぬよー! 》
おい、オーディン……見てんなら何とかしろ。
《そりゃ無理だよ! これは君の記憶だもんフィー。私は干渉出来ないよ! 鑑賞だけにね!! 》
くそ……めちゃくちゃ腹が立つ。お前帰ったら覚えとけよ?
《あはは! そりゃ楽しみだね……! 頑張れ……フィー》
はぁ……まぁ泣き言言っても仕方ない。このまま進むか。
「おや、あなた達! なにをしているのですか!? 早くお逃げなさい!」
全身火傷を負っているエルフが出てきた。
痛々しいが一応生きてはいるな。ま、死んでいても蘇生できるけど。
「……『ヒール』」
「な……これは一体……」
「さぁはやくこの森を出ろ。俺達は今お前にやった様に、お前の仲間を救いに行く」
「……は、はい! ありがとうございます! 気を付けて下さい! 神様!」
誰が神様だ。そんな称号誰が要るか。
先へと進む俺とマキナ。やはりそこかしこにエルフが倒れている。俺は次々と倒れているエルフに『ヒール』を掛け、エルフを外へと逃がしていく。
「ありがとうございます!」
……
…………
………………
「……しかし何人居るんだ?」
「分からん。だが、なにか見えてきたぞ。集落ではないか?」
確かここは村長が居る場所だな。話を聞きたいところだが、それは後だな。
集落にまだ逃げ遅れた者がいるならまずそいつらを助けるのが先だ。
集落は炎で埋め尽くされていた。人の気配はない。
「……全員逃げたのか?」
いや、そんな筈は無い。俺が助けたエルフの中に村長とコレイコルネ姉妹が居ない。俺たちが来る前に逃げた……? いや、考えられないな。逃げたとしたら外にいたハズだ。俺たちが入る前、森の前には誰も居なかった。そしてなにより、村の責任者が先に逃げるだろうか………いや、あの村長ならそんなことしないな。
「奥へ進もう」
「これ以上は危険だフィー。戻ろう。我たちまで死んでしまう」
きっと村長とあの姉妹はフォレスティアに向かったハズだ。
王や民を逃がす為に……。
「マキナは帰れ。俺は進む」
「…………フィー何回言わせるんだ。我がフィーを置いて行くわけが無いだろう。死ぬ時は一緒だ」
頑固なやつだ。
俺はフォレスティアの石門の前に立つ。
「アチッ」
石門は鉄板のように熱い。だが、これを開けなければ進めない。
「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛があああああああ!!!」
ジューという皮膚が焼ける香ばしい匂いが漂う。
石門に皮膚が張り付き離れてくれない。これ以上無理に引き剥がそうとするともれなく皮膚まで剥がれてしまう。
しかし、そうするしかないと判断した俺は勢い良く手を離した。石門には俺の皮膚がベッタリと張り付いている。
ギイィィ
「……………はぁ………開いた」
「……無理をするなフィー」
「これくらい大丈夫だ。……『ヒール』」
俺は自分の手に『ヒール』を掛ける。
門の中は最悪な状態だった。木々は燃え、倒れた大木が道を塞いでいる。ハッキリ言って進めない。
「…………フィー」
「何とかする、任せろ」
俺は考える。燃え盛る木々、倒れて道を塞ぐ大木。
これをどうにかする魔法…………ははは何も思いつかねぇや。
俺は回復魔法しか使えないじゃねえか。お前はルクスじゃないだろフィー。
「すぅ…………はぁ……」
俺は腰に手を当て集中する。
”今、俺の手には剣がある。そしてそれは塞がれた道を切り開く”
「――『一閃』」
燃えさかる炎は消え、道を塞いでいた大木は切れた。
もう俺たちを阻むものは何も無い。
「……よし、進もうマキナ」
「フィー、流石だな」
イメージで作り出された刀身は役割を果たした瞬間消えた。
「やっぱり、幻想世界って言われるだけの事はあるな……」
道と言うには足場が悪すぎるし、未だ周りの木々は燃え盛る。
そんな道と言うには荒すぎる道のりを進んでいく。
……
………
……………
「……着いた」
フォレスティア。獣人が住んでいる国。ルクスと来た時には栄えていた国が今となってはあちらこちらで悲鳴が上がっている。
俺達は再び巨大な石門の前にいる。しかし、誰も出てくる気配はない。いや、出れないのだろう。熱々の鉄板だ。開けようとすれば、さっきの俺みたいになる。
俺は再び石門に手を置き、さっきと同様に門を開く。
「…………………はぁ………『ヒール』」
「よくやったぞフィー」
門を開けると、獣人達が門の前に集まり座り込んでいた。
ただじっと開けることの出来ない門の前で無力に死を待つ様だ。
「助けが……きた?」
獣人達は門を開けた俺を見つめる。
「助けに来たぞ獣人達」
おい、それは俺のセリフだぞマキナ。
でも良かった。まだ獣人達は無事みたいだ。
後は、ここから無事出る事だ。正直これが一番難関なのだが。
「やあ。ありがとう名の知らぬ者よ」
モフモフの体毛に猫の顔をした者が前に現れた。
「僕の名はキャルロット・アルトリウス。助けに来てくれたこと深く感謝する」
キャルロットは燃え盛る森の中、俺とマキナに頭を下げた。
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