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第九章 アスフィ 交流篇 《第二部》
第124話「再認」
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「……来るか」
「…………フフッ面白くなってきたでありんすね……」
エルブレイドと女がアスフィ達が来るのを感知した。
「お主はどうするんじゃ。生きていると知られたらマズイのではないのか?」
「そうでありんすね……ではわっちはこの辺で失礼するでありんす」
――女は一瞬で姿を消した。
「やれやれ、目的が分からん女じゃ……」
エルブレイドは頭を悩ませる。
そしてついにやってきた。
「エルブレイド、僕です。アスフィ・シーネットです。あなたに会わせたい人が居ます」
アスフィは燃え盛る城の門前で言う。
「――入れ」
エルブレイドの一声で城門が開いた。
「ありがとうございます。では、アイリス。入りましょう」
「え、ええ……」
アイリスは困惑した。城が燃えている。水を司る神だったとはいえこの炎の主はケタが違うと、アイリスは思った。
「……よく来たな、アスフィ・シーネットよ」
「お久しぶりです、エルブレイド」
「……うむ、また随分と変わったのう。外見もそうじゃが、特に中身じゃな」
「そうですね。ですが、エルブレイド。あなたはこっちの僕の方が見覚えがあるはずです」
「………………そうじゃな。……で、ワシの孫は……」
「こちらになります」
アスフィは息の無いエルザの体をエルブレイドに手渡した。
「…………エルザよ……いずれここにはアスフィと来ると思っていたが、まさかこのような形で会うことになるとは……」
「僕はここに居ます」
「……お主じゃないわい」
エルブレイドはエルザを優しくベッドに寝かせた。
「用意していたという事は、エルザの死はご存知だったのですね」
「ああ無論じゃ……。アイリスよ、お主にも迷惑をかけたな」
「わたくしは別に……」
エルブレイドはアイリスの頭を撫でた。
「わたくしはもう子供ではありません、エルブレイド」
「……そうじゃな」
「エルブレイド、僕はあなたに聞きたいことがあります」
「なんじゃ?」
「――――母さんはどこですか」
「……それを知ってどうする」
「母さんに会いたいと子が思うのは当たり前の事です」
「…………ならん」
「どうしてですか?」
「この世界のお主を知らぬからだ」
エルブレイドがそう言うと、アスフィもまた反論する。
「思い出させてみせます。僕ならそれが出来る」
「ならん。それは負荷が掛かる。それに、お主の母は『呪い』にかかっておる。それを知らぬ訳ではあるまい」
「………………」
アスフィは黙ってしまった。
『呪い』。それは解呪不可である。『呪い』にかかった者は例外なく眠りから覚めることがない。
「僕は――」
「ルクス」
「え?」
「ルクスがお主を探しに出たんじゃが、どうやらすれ違いになってしもうたかの」
「……ルクス?」
ルクスが僕を……? いや、僕じゃない。ルクスが探しているのは君だよフィー。……僕はエーシルと決着を付けないといけない……でも、僕は一人だ。
君が築き上げてきた繋がりが僕を弱くする……。
何故、君は僕を……
《…………………………》
……ごめん、今のは無しだ。僕は君を恨んじゃいない。恨む資格なんてない。君も被害者なんだから。
《…………………………》
フィー、君がもし僕の立場だったらどうしていたんだろうね。
僕はどうするべきなんだろう。……誰か教えてほしい。僕はどうするべきなんだ。
《…………………………》
…………今はとにかく居なくなった母さんを探そう。
《マキナを追え……》
またそれか。僕はエーシルを……
《マキナが危ない。……すまない、アスフィ》
…………え?
《俺は今……お前に託す事しか出来ない。お前にとってはどうでもいいかもしれない。だが、俺にとってマキナは自分の命より大事な人なんだ。だから頼む……アスフィ・シーネット……》
それが君の望みなの?
《ああ……たった一つの望みだ》
…………分かったよ。
「……エルブレイド、僕はマキナを追います」
「…………うむ、そうか。それがいい」
「アスフィ、あなたどういう心境の変化ですか?」
「……フィーが僕に頼んできた」
「お兄様が!?」
「…………マキナを追え、と。……頼む、と。なので、僕はマキナを追うことにします。エルブレイド、マキナの位置を教えてください」
「――オーディン、教えてやれ」
……
…………
…………………
「…………オーディンっ!!」
「はいはい、居るよ。もう、神使いが荒いじいさんだよ」
「オーディン、マキナの居場所を教えてください」
「……君さ、私が教えてあげようって時に必要ないとか言ってなかった? マキナは僕にとって重要じゃないとかさ。今更なんだよ」
「オーディンッ!!」
「うるさいなぁ!! じいさんは黙っててよ! これは私とそこのアスフィ・シーネットの問題だ! 邪魔をするなら君とて容赦しないよエルブレイド!」
「…………うむ」
オーディンの緑髪が神々しく輝いた。
「……私はね、アスフィ。親切心で教えてあげようとわざわざ君の村まで足を運んだんだよ? なのに、君は要らないと言った訳だよ。私は一度拒まれたら二度同じ事はしないと決めてるんだ」
「…………お願いします。フィーが――」
「フィーがなんだ。それこそ私にとってフィーは、君がマキナを思うくらいの気持ちだよ。……私はアスフィ、君に期待している。フィーじゃない。だから君の言葉が聞きたいんだよ」
……僕の……言葉。
《…………言ってやれ、お前の今の願いを》
僕の……願い?
《お前はアリア・シーネットを大事に想っていた。それは須藤 剣一の意思じゃない。お前の意思だろ? 》
…………そうだ。僕は母さんを助けるんだ。母さんに恩返しがしたい。
《なら、その言葉をそのままオーディンに言ってやれ》
「……………………はぁ……フィー。君はホントお節介が過ぎるね。……良いよもう。大体わかったから」
オーディンは城の床に地図のようなものを浮かび上がらせた。
「ああ!! ワシの城の床になんて事を!!?」
「……うるさいなぁ。そもそも、この城じいさんが勝手に居座ってるだけでしょ……これはこの世界の地図だよ」
「え……もしかしてこれ全部ですか?」
「うん、そう。で、マキナはここに居る」
オーディンは床に描かれた地図に向かって指を差した。
「……ここは……『アルファ宮殿』?」
「そう、流石アスフィ・シーネット。君は知らないはずが無いよね。だって――」
「君がエーシルを逃がしたその場所なんだから」
「…………フフッ面白くなってきたでありんすね……」
エルブレイドと女がアスフィ達が来るのを感知した。
「お主はどうするんじゃ。生きていると知られたらマズイのではないのか?」
「そうでありんすね……ではわっちはこの辺で失礼するでありんす」
――女は一瞬で姿を消した。
「やれやれ、目的が分からん女じゃ……」
エルブレイドは頭を悩ませる。
そしてついにやってきた。
「エルブレイド、僕です。アスフィ・シーネットです。あなたに会わせたい人が居ます」
アスフィは燃え盛る城の門前で言う。
「――入れ」
エルブレイドの一声で城門が開いた。
「ありがとうございます。では、アイリス。入りましょう」
「え、ええ……」
アイリスは困惑した。城が燃えている。水を司る神だったとはいえこの炎の主はケタが違うと、アイリスは思った。
「……よく来たな、アスフィ・シーネットよ」
「お久しぶりです、エルブレイド」
「……うむ、また随分と変わったのう。外見もそうじゃが、特に中身じゃな」
「そうですね。ですが、エルブレイド。あなたはこっちの僕の方が見覚えがあるはずです」
「………………そうじゃな。……で、ワシの孫は……」
「こちらになります」
アスフィは息の無いエルザの体をエルブレイドに手渡した。
「…………エルザよ……いずれここにはアスフィと来ると思っていたが、まさかこのような形で会うことになるとは……」
「僕はここに居ます」
「……お主じゃないわい」
エルブレイドはエルザを優しくベッドに寝かせた。
「用意していたという事は、エルザの死はご存知だったのですね」
「ああ無論じゃ……。アイリスよ、お主にも迷惑をかけたな」
「わたくしは別に……」
エルブレイドはアイリスの頭を撫でた。
「わたくしはもう子供ではありません、エルブレイド」
「……そうじゃな」
「エルブレイド、僕はあなたに聞きたいことがあります」
「なんじゃ?」
「――――母さんはどこですか」
「……それを知ってどうする」
「母さんに会いたいと子が思うのは当たり前の事です」
「…………ならん」
「どうしてですか?」
「この世界のお主を知らぬからだ」
エルブレイドがそう言うと、アスフィもまた反論する。
「思い出させてみせます。僕ならそれが出来る」
「ならん。それは負荷が掛かる。それに、お主の母は『呪い』にかかっておる。それを知らぬ訳ではあるまい」
「………………」
アスフィは黙ってしまった。
『呪い』。それは解呪不可である。『呪い』にかかった者は例外なく眠りから覚めることがない。
「僕は――」
「ルクス」
「え?」
「ルクスがお主を探しに出たんじゃが、どうやらすれ違いになってしもうたかの」
「……ルクス?」
ルクスが僕を……? いや、僕じゃない。ルクスが探しているのは君だよフィー。……僕はエーシルと決着を付けないといけない……でも、僕は一人だ。
君が築き上げてきた繋がりが僕を弱くする……。
何故、君は僕を……
《…………………………》
……ごめん、今のは無しだ。僕は君を恨んじゃいない。恨む資格なんてない。君も被害者なんだから。
《…………………………》
フィー、君がもし僕の立場だったらどうしていたんだろうね。
僕はどうするべきなんだろう。……誰か教えてほしい。僕はどうするべきなんだ。
《…………………………》
…………今はとにかく居なくなった母さんを探そう。
《マキナを追え……》
またそれか。僕はエーシルを……
《マキナが危ない。……すまない、アスフィ》
…………え?
《俺は今……お前に託す事しか出来ない。お前にとってはどうでもいいかもしれない。だが、俺にとってマキナは自分の命より大事な人なんだ。だから頼む……アスフィ・シーネット……》
それが君の望みなの?
《ああ……たった一つの望みだ》
…………分かったよ。
「……エルブレイド、僕はマキナを追います」
「…………うむ、そうか。それがいい」
「アスフィ、あなたどういう心境の変化ですか?」
「……フィーが僕に頼んできた」
「お兄様が!?」
「…………マキナを追え、と。……頼む、と。なので、僕はマキナを追うことにします。エルブレイド、マキナの位置を教えてください」
「――オーディン、教えてやれ」
……
…………
…………………
「…………オーディンっ!!」
「はいはい、居るよ。もう、神使いが荒いじいさんだよ」
「オーディン、マキナの居場所を教えてください」
「……君さ、私が教えてあげようって時に必要ないとか言ってなかった? マキナは僕にとって重要じゃないとかさ。今更なんだよ」
「オーディンッ!!」
「うるさいなぁ!! じいさんは黙っててよ! これは私とそこのアスフィ・シーネットの問題だ! 邪魔をするなら君とて容赦しないよエルブレイド!」
「…………うむ」
オーディンの緑髪が神々しく輝いた。
「……私はね、アスフィ。親切心で教えてあげようとわざわざ君の村まで足を運んだんだよ? なのに、君は要らないと言った訳だよ。私は一度拒まれたら二度同じ事はしないと決めてるんだ」
「…………お願いします。フィーが――」
「フィーがなんだ。それこそ私にとってフィーは、君がマキナを思うくらいの気持ちだよ。……私はアスフィ、君に期待している。フィーじゃない。だから君の言葉が聞きたいんだよ」
……僕の……言葉。
《…………言ってやれ、お前の今の願いを》
僕の……願い?
《お前はアリア・シーネットを大事に想っていた。それは須藤 剣一の意思じゃない。お前の意思だろ? 》
…………そうだ。僕は母さんを助けるんだ。母さんに恩返しがしたい。
《なら、その言葉をそのままオーディンに言ってやれ》
「……………………はぁ……フィー。君はホントお節介が過ぎるね。……良いよもう。大体わかったから」
オーディンは城の床に地図のようなものを浮かび上がらせた。
「ああ!! ワシの城の床になんて事を!!?」
「……うるさいなぁ。そもそも、この城じいさんが勝手に居座ってるだけでしょ……これはこの世界の地図だよ」
「え……もしかしてこれ全部ですか?」
「うん、そう。で、マキナはここに居る」
オーディンは床に描かれた地図に向かって指を差した。
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