私が聖女とかって笑うしかないんですけど!

Erie

文字の大きさ
2 / 11
第1章:私が聖女って冗談ですか?

マジで?私が聖女?

しおりを挟む
私が男爵令嬢として生まれた大国ダイダード王国は、鉱山で採れる豊富な鉱物や魔法石でかなり裕福な王国で、王政は安定しており、ここ300年は戦争もなく統治されていた。国は、王家、公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家で国民の10%を占め、平民は他国と比べて比較的裕福で、商人層と農民層が多数だけれど、王都の中には貧民層もいたけれど、お父様やお母様からこの地域には近づくなといわれているエリアにいると聞いているわ。

下位貴族といっても、貴族の慣習で16歳になった貴族の子女のために盛大な誕生パーティーが催されることになっている。

男爵家とはいえ、普通にお金もあるウチも同様で一人娘である私、ライラのために盛大なパーティー執り行われているのだけれど、成人を祝うパーティーの為、普通の社交とは異なるイベントが組み込まれることになっている。

王国で名高い預言者を招いて「新しく成人した子息や子女」の未来を占ってもらうのだ。

私はそれはあくまでも余興の一つとして真剣に取り合っていなかったんだけど。

綺麗に着飾られた私がパーティーに集まってくれた皆様に感謝の挨拶をお父様の次に済ませると、王家からの祝辞が読み上げられる。

でも、祝辞は定番の言葉で別にウチが時に王家に目をかけてもらっているとかそういうわけではない。下級貴族のパーティーには同じぐらいの格の家とか富豪の商人や他国での取引の相手の貴族や教会の関係者などが招かれており、こういうパーティーで上位なら伯爵家あたりが男爵家でも力を持っている家なら参加するのだけれど、ウチにはそういう知り合いはいない。

とりあえず、王家の祝辞の後、恒例の預言者のお言葉というか占いの時間になった。

「レナード男爵令嬢の未来を占って差し上げましょう」

「よろしくお願いします」

預言者は年齢不詳の老婆で黒いマントを纏っており、一見して魔女っぽい雰囲気。名前はあるのだけれど、預言者といえば「あの人!」というぐらい有名なので、「預言者」で通っている。

芝居がかってるわ。さすが余興ね。

骨ばった手には宝石のついた指輪が嵌められており、私の手をとって、目を閉じて何事かの呪文を唱え始めた。

数分後、カッ!と瞳が開かれて、私を握る手に力が籠もった。

「伝説の聖女の未来が見えます!その力でダンダードに更なる富と栄光を与えるでしょう!」

預言者の言葉に静かだった周りがざわめき始める。

「聖女?」

私が呟くと、

「はい。ライラ様は数千年に1度現れるという幻の聖女でございます!」

と預言者は更なる聖女情報をくれた。

「なんで、私?」

びっくりしているわたしの周りが更に騒がしくなる。

「おめでとうございます!レナード男爵様!」

私の驚きに更に追い討ちをかけるように拍手されたのは我が国の教会関係者である神官の方でした。

「預言者の予言は外れたことがありません。でも、預言をそのままに教会としては受け取れませんので、早速聖女の「聖なる光」あるかどうか、これで試して頂かせていただきます。このままうやむやにできることではありませんから!」

そういうと、首から下げていた水晶玉の首飾りみたいなものを外すと、

「ライラ様、気持ちを楽にしてこれを握ってください」

と私に渡す。

「はい」

ダイダードだけではなく、他国にも力のある教会を敵に回すわけにはいけないし、このテストで預言がホントじゃないとわかれば普通にダンスと会食の時間に移れると思った私は、素直に差し出されたペンダントを握った。

その瞬間、会場中に白い光が放たれて、キラキラした光の粒子が花びらの結晶のように舞い降りる。

「すごい魔力だ。さすがは伝説の聖女、ですね」

はああああああ?私が、この、私が聖女おおおお?嘘ー、どんな冗談よ?

その神官様の言葉で「聖女」ということが確定されて、会場は拍手とおめでとうの嵐に包まれた。

私は、いきなりの展開に呆然としたままアルカイックスマイルで立ち尽くすのだった。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

乙女ゲーの世界に聖女様として召喚されたけど興味がないので妹に譲ります

ゆずぽんず
恋愛
ある日、ユウとチカの姉妹が乙女ゲームの世界に聖女様として召喚された。 好きなゲームの世界に入れたと喜ぶ妹のチカ。 本来、聖女様として召喚されるのだったの一人。どちらかが死に、召喚された。 妹のことが大切な姉のユウは、妹がこの世界にいたいのならば私が偽物となってこの世界から消えようと決意する。 *乙女ゲーマーによる小説です。乙女ゲーになろう設定混ぜ込んでみました。 *乙女ゲーによくある設定(共通ルートやバッドエンドなどのよくある設定)の説明があります。分かりにくかったらすみません。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

嫌われ公女に転生したけど、愛されたい願望を捨てたら全員がデレてきた

桃瀬さら
恋愛
嫌われ公女ナディアは、婚約破棄され学園で孤立し、家族からも見放されていた。 どれほど努力しようが周囲からは「嫌われ公女」と蔑まれ、誰も味方なんていない。 「もういい。愛されたいなんて、くだらない」 そう心に誓った瞬間から、状況が一変した。 第二王子が婚約破棄を撤回し跪き、寡黙な騎士団長が「君を守りたい」と熱く迫ってくる。 そして、冷ややかな兄まで「婚約など認めない。家を出ることは許さない」と……。 愛されることを諦めた途端、なぜか執着される。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

処理中です...