私が聖女とかって笑うしかないんですけど!

Erie

文字の大きさ
3 / 11
第1章:私が聖女って冗談ですか?

王家のびっくり呼び出しを受けました!

しおりを挟む
私の誕生日に聖女宣言がされてしまった為、国中の貴族だけでなく、王族までもが知ることになって、誕生パーティーの数日後に王城に上がるように王命が上がった。

「ライラ、準備はいいな?」

男爵家の侍女のマリアが私が持っている中でも最高のドレスと身なりを整えてくれて、王様への謁見に恥ずかしくないように身支度を整えた私を待っていたお父様がいう。

レナード男爵として領民にも慕われているお父様は娘の私にも優しくて「政略結婚よりも好きな殿方と結婚しなさい」といってくれるような貴族としては変わった方だ。

「はい。お父様」

「聖女だということが知れての謁見だと思うが、お前はお前のままでいいのだよ?胸を張って謁見しなさい」

「私、不安です。聖女なんて、思ってもいなかったし、何かの間違いだと思うんだけど」

「教会の神官様と預言者のお告げは確かだから、聖女なのだろう。お前にも私たちにも予想外の出来事だったけれど、なんとかなる。私も、エレナもお前の味方だから」

「ありがとうございます。お父様」

「では行こうか?」

「はい」

男爵家の馬車に乗って王城に向かった。


*********


「レナード男爵と、男爵令嬢、面を上げよ」

淑女のカーテシーをしている私と、騎士の礼を取っているお父様にダイダード王国の国王様がおっしゃった。ダイダードの国王、オーランド様は銀髪で騎士団で鍛え上げて、戦争になりそうな火種を起こりそうな場所から次々と片付けていった頭脳派でもある。少しふくよかな茶色の髪と茶色の瞳の人の良さそうなお父様とは同年代だけれど、どう考えても同じ人間と思えないぐらいイケオジの美形の王様だった。

男爵家の者が王族の方々と直接話をしたり、間近で謁見をしたりとかはなかったので、話に聞いただけだったけれど。

その王様の隣には肩にかかる金髪で青い瞳で長身のものすごい美形の王子様が座ってらっしゃった。私と目があうと、ふっと笑われた?ような気がしたけれど、とりあえず王子様そのもので緊張がさらに加速してしまう。

「この度、その方たちを呼び出したのは、聖女の話を聞いたからだ」

「預言者の予言でございますか?」

「うむ。それとそなたの娘をテストした教会の神官と神官長からも話を聞いた。で、話によれば、それもただの聖女ではなく数千年に1度しか現れない稀代の聖女ということだそうだが」

今までお父様が私に変わって答えてくれていたけれど、私の方に王様の視線が向けられる。

「このような預言を聞いて、正直戸惑っております。特に魔力もなく、聖なる力とは無縁だと思っていたのですが」

「ダイダード1番の預言者と神官が認めたのだ。まだ力が覚醒していないだけなのではないか?」

「そうでございますでしょうか?」

「うむ。我が王家としても、放っておけぬ。なので、この場に呼び出したのだ。我が息子、第一王子のカイルと婚約してもらおうと思ってな」

はあああああああああ?

ここで思わずそういってしまわなかったのは淑女教育の成果だと思うわ。

びっくりしている私より早く立ち直ったお父様が口を開いた。

「我が娘は男爵令嬢、でございます」

「うむ。慣例によれば、王族の婚約者として選ばれるのは伯爵以上の家柄と決まっておる。だが、数千年に1度しか現れない稀代の聖女と、例えば公爵家の令嬢としてはどちらが王家にとって必要であろう?聖なる光と魔力を持つ娘を手にした者は栄光と安泰を約束される。それに歴代の聖女も類いまれなる能力を持って生まれた者は王族と婚姻を結んできた」

「左様でございましたか」

「聖女といってもただ病人を直したりするだけの普通の聖女よりもさらなる存在もいたのだ。その力は膨大な魔力を持って生まれてくる王族を凌ぐ程。その力を利用しようとする輩も出てくるし、他国の者もその魔力を欲しがる。それによって、戦争が起きたこともある。数百年前には教会に取り込まれて王政を転覆しようとした教皇もいた。ただの男爵令嬢としてはいられない。男爵令嬢である前に奇跡の聖女なのだ。王族よりも希少で、その存在は王家にとって諸刃の剣にもなり得る。臣下としても、レナード男爵令嬢を王家の者とし、守っていくことが1番の方法だと思うのだが?」

諸刃の剣ということは王族の敵に回れば始末されるということとも同様で、危険もつきまとうらしい。

お父様は異議を唱えることなく、うん、うんと頷いている。

「私ではあなたの相手としては不足かな?」

と超絶美形スマイルをカイル王子から浴びせられてしまい、

「めっ、滅相もございませんわ!」

と思わず返事してしまった。

「うむ。男爵と私はこれからのことで色々話があるので、カイル、レナード男爵令嬢に王宮の庭でも見せてあげて来なさい」

「はい、父上。レナード男爵令嬢、我が王宮で1番の薔薇をお見せします」

とカイル様に手を取られて、王宮庭園に連行された。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

乙女ゲーの世界に聖女様として召喚されたけど興味がないので妹に譲ります

ゆずぽんず
恋愛
ある日、ユウとチカの姉妹が乙女ゲームの世界に聖女様として召喚された。 好きなゲームの世界に入れたと喜ぶ妹のチカ。 本来、聖女様として召喚されるのだったの一人。どちらかが死に、召喚された。 妹のことが大切な姉のユウは、妹がこの世界にいたいのならば私が偽物となってこの世界から消えようと決意する。 *乙女ゲーマーによる小説です。乙女ゲーになろう設定混ぜ込んでみました。 *乙女ゲーによくある設定(共通ルートやバッドエンドなどのよくある設定)の説明があります。分かりにくかったらすみません。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

嫌われ公女に転生したけど、愛されたい願望を捨てたら全員がデレてきた

桃瀬さら
恋愛
嫌われ公女ナディアは、婚約破棄され学園で孤立し、家族からも見放されていた。 どれほど努力しようが周囲からは「嫌われ公女」と蔑まれ、誰も味方なんていない。 「もういい。愛されたいなんて、くだらない」 そう心に誓った瞬間から、状況が一変した。 第二王子が婚約破棄を撤回し跪き、寡黙な騎士団長が「君を守りたい」と熱く迫ってくる。 そして、冷ややかな兄まで「婚約など認めない。家を出ることは許さない」と……。 愛されることを諦めた途端、なぜか執着される。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜

文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。 花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。 堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。 帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは? 異世界婚活ファンタジー、開幕。

処理中です...