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第1章:私が聖女って冗談ですか?
腹黒王子の婚約者に認定されました!
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「綺麗…」
連れてこられた王宮庭園は王族のみしか入れない特別なところで、色々な魔法植物や異国の花々も植えられていると話には聞いていたけれど、実際に見てみると、圧巻だった。王子様はすごい機嫌よく色々話しかけてくる。
めっちゃ、気に入られてる、私?
「ここは母上のお気に入りの場所でね。母上が育てた薔薇もあるんですよ」
そういって、ある程度の会話をして、私が少しリラックスした瞬間、どう考えても普通でない虹色の薔薇を手折られて、跪かれた。
「で、殿下?」
「カイルと呼んでください。ライラ、と呼んでも?」
「はい。あの…っ!」
「ライラ、この度は急な申し出で戸惑ってしまったと思うが、あなたのように素直で可愛らしい令嬢を私の妻に出来る事を幸運に思っている。こういう出会い方も運命というものにはならないだろうか?」
「カイル様」
「私はこの国を将来担う者として国と民の事を1番に考えなければならないが、君のことを大切にする。これから時間をかけてお互いを知り、愛を育むこともできると私は思う。聖女の義務としてではなく、君が私との婚約を承諾してくれると嬉しいのだが?私の妻になり、共に歩んでくれないか?」
カイル様は私の手取って、その美しく澄んだ青い瞳が私を射抜く。
こっ、これは玉の輿だわ。前世でも王族とは付き合ったことはなかった!それもこれほどの美形と!
「はい、私では役不足だと思いますが、お受けいたします」
「ふっ」
えっ?
私に虹の薔薇を手渡した王子の笑みが歓喜ではなく少し黒い笑みだったのは目の錯覚よね?
この世界では男といえば執事とお父様ぐらいしか知らない男爵令嬢の私が、初対面で少し話しただけの王子様の本性を見抜けなかったのは仕方ないと思いたい。
怒涛の展開で前世の男漁りをしていた頃のウハウハの記憶を総動員できなかった。
今となって思えば、あの時に感じた笑みの違和感はやはり「王子の本質は腹黒だ」と警告だったのに。
まあ知ったからといって婚約をなしにできるなんて思わなかったけれどね。
とりあえず、王子樣の薔薇を受け取って、引き続きお互いの身の上話をしたのだった。
私の方はたわいない男爵家での生活などをお話ししたのだけれど、名前だけの王子様だったカイル様の身の上は思ったより複雑だった。カイル王子は第一王子で正妃であられる隣国の第2王女様とのお子様で、現在18歳。側室のお子である第2王子のレオン様とは仲は良くなく、幼い時からほとんど顔をあわせることなく、育てたれたのだという。年の離れた弟君のシャール様とは異母弟でないためそういうことはなかったけれど、幼い時から暗殺されかけたり、色々危険な目にあってきたのだそう。第一王子でも自動的に王太子となれる国柄ではない為、王室内はカイル派とレオン派に分かれて激しい争いを繰り返してきたのだそう。過去に名前の上がった婚約者候補に上がった令嬢に危険が及んだこともあって、普通なら婚約者がいても不思議ではないのに「男爵令嬢がすんなり婚約者」になれたのはこういう理由もあったらしい。ちなみにレオン様にはすでにアライン公爵家のご令嬢が婚約者で、公爵家の財力と教会側の教皇様がバックに付いているので、側室の息子だからといってレオン様を押しのけて簡単に「王太子」になるわけにもいかず、という状態だったらしい。
「君が私のものになってくれて良かった。これで立太子できる」
「えっ?」
それが目的だったんですね。だからいきなり婚約してもニコニコな訳だ。
「さ、行こうか?早速父上に報告して、話を具体的に進めよう」
*****
謁見の間に戻ってみれば、お父様と王様の間で書面での誓約を結ぶための覚書が交わされており、正式な書類は後日交わされることになったと報告を受けた。
カイル様が私がカイル様の求婚を受けたという話を聞いた王様は「早速、婚約の通知と婚約の印の加護の指輪を作らねばな」といわれた。
加護の指輪とは王族の夫婦に与えられる魔力の宿る指輪で夫婦となる者の魔力を混じり合わせた魔石を元に作る指輪のことだそう。王宮魔術師の立会いのもと儀式が行われるのだという。
「とりあえず書類を交わした後、婚約したことを書面で発表し、王族の婚約者としての礼儀が身についた点で、婚約披露の宴を行い、2年後に挙式ということになるが、結婚までに最低限の王太子妃教育をし、その後もそれは続くことになるが、良いな?」
と王様にいわれて、謁見はお開きとなった。
普通は数十年かけてやる王太子妃教育を最低限とはいえたった2年でやるなんて冗談でしょう?と思うけれど、私に
断る余地はなく、翌日から教育を受ける為の王宮通いでいきなり私の周りは忙しくなった。
連れてこられた王宮庭園は王族のみしか入れない特別なところで、色々な魔法植物や異国の花々も植えられていると話には聞いていたけれど、実際に見てみると、圧巻だった。王子様はすごい機嫌よく色々話しかけてくる。
めっちゃ、気に入られてる、私?
「ここは母上のお気に入りの場所でね。母上が育てた薔薇もあるんですよ」
そういって、ある程度の会話をして、私が少しリラックスした瞬間、どう考えても普通でない虹色の薔薇を手折られて、跪かれた。
「で、殿下?」
「カイルと呼んでください。ライラ、と呼んでも?」
「はい。あの…っ!」
「ライラ、この度は急な申し出で戸惑ってしまったと思うが、あなたのように素直で可愛らしい令嬢を私の妻に出来る事を幸運に思っている。こういう出会い方も運命というものにはならないだろうか?」
「カイル様」
「私はこの国を将来担う者として国と民の事を1番に考えなければならないが、君のことを大切にする。これから時間をかけてお互いを知り、愛を育むこともできると私は思う。聖女の義務としてではなく、君が私との婚約を承諾してくれると嬉しいのだが?私の妻になり、共に歩んでくれないか?」
カイル様は私の手取って、その美しく澄んだ青い瞳が私を射抜く。
こっ、これは玉の輿だわ。前世でも王族とは付き合ったことはなかった!それもこれほどの美形と!
「はい、私では役不足だと思いますが、お受けいたします」
「ふっ」
えっ?
私に虹の薔薇を手渡した王子の笑みが歓喜ではなく少し黒い笑みだったのは目の錯覚よね?
この世界では男といえば執事とお父様ぐらいしか知らない男爵令嬢の私が、初対面で少し話しただけの王子様の本性を見抜けなかったのは仕方ないと思いたい。
怒涛の展開で前世の男漁りをしていた頃のウハウハの記憶を総動員できなかった。
今となって思えば、あの時に感じた笑みの違和感はやはり「王子の本質は腹黒だ」と警告だったのに。
まあ知ったからといって婚約をなしにできるなんて思わなかったけれどね。
とりあえず、王子樣の薔薇を受け取って、引き続きお互いの身の上話をしたのだった。
私の方はたわいない男爵家での生活などをお話ししたのだけれど、名前だけの王子様だったカイル様の身の上は思ったより複雑だった。カイル王子は第一王子で正妃であられる隣国の第2王女様とのお子様で、現在18歳。側室のお子である第2王子のレオン様とは仲は良くなく、幼い時からほとんど顔をあわせることなく、育てたれたのだという。年の離れた弟君のシャール様とは異母弟でないためそういうことはなかったけれど、幼い時から暗殺されかけたり、色々危険な目にあってきたのだそう。第一王子でも自動的に王太子となれる国柄ではない為、王室内はカイル派とレオン派に分かれて激しい争いを繰り返してきたのだそう。過去に名前の上がった婚約者候補に上がった令嬢に危険が及んだこともあって、普通なら婚約者がいても不思議ではないのに「男爵令嬢がすんなり婚約者」になれたのはこういう理由もあったらしい。ちなみにレオン様にはすでにアライン公爵家のご令嬢が婚約者で、公爵家の財力と教会側の教皇様がバックに付いているので、側室の息子だからといってレオン様を押しのけて簡単に「王太子」になるわけにもいかず、という状態だったらしい。
「君が私のものになってくれて良かった。これで立太子できる」
「えっ?」
それが目的だったんですね。だからいきなり婚約してもニコニコな訳だ。
「さ、行こうか?早速父上に報告して、話を具体的に進めよう」
*****
謁見の間に戻ってみれば、お父様と王様の間で書面での誓約を結ぶための覚書が交わされており、正式な書類は後日交わされることになったと報告を受けた。
カイル様が私がカイル様の求婚を受けたという話を聞いた王様は「早速、婚約の通知と婚約の印の加護の指輪を作らねばな」といわれた。
加護の指輪とは王族の夫婦に与えられる魔力の宿る指輪で夫婦となる者の魔力を混じり合わせた魔石を元に作る指輪のことだそう。王宮魔術師の立会いのもと儀式が行われるのだという。
「とりあえず書類を交わした後、婚約したことを書面で発表し、王族の婚約者としての礼儀が身についた点で、婚約披露の宴を行い、2年後に挙式ということになるが、結婚までに最低限の王太子妃教育をし、その後もそれは続くことになるが、良いな?」
と王様にいわれて、謁見はお開きとなった。
普通は数十年かけてやる王太子妃教育を最低限とはいえたった2年でやるなんて冗談でしょう?と思うけれど、私に
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