文字の大きさ
大
中
小
5 / 11
第1章:私が聖女って冗談ですか?
怒涛のお妃教育
お父様が王家との婚約関係の書類にサインした後、お妃教育が早速始まったのは、別にびっくりしなかったけど、通いはここ1ヶ月で正式に「婚約の儀」が行われる2ヶ月後に間に合わせる為と安全面の為に私の身は王家の預かりということになった。
聖女を迎えることになるカイル様は「王太子」になることが決まっているので、私もそれに合わせた教育を施される為だ。
いやー、だからいきなり王宮住まいですか?
王宮にいる方が教育もかなり押し込んで進められるという魂胆もあるのだろう。
男爵家のサロンほど広い個室の部屋には王族らしい豪華な調度が並んでいるけれど、私が使うなんてベットと書き物をする机ぐらいだ。
客室用のお部屋と共に私専属の侍女も付いてきた。男爵家でお世話してくれた侍女は私のお世話以外にもお母様のお世話もあるから連れてはいけないから。
「エレーネでございます。ライラ様、これからよろしくお願い致します」
「私の方こそよろしくね?」
私よりも明らかに身分お高いお家の出身だということは所作でわかった。詳しい事情を聞いてはいないらしいけれど、王家にとって大事なお客様だということはわかっているみたいで、丁寧に接してくれるし、蔑まれている感じは受けない。
お妃教育の先生たちはおじいちゃん、おばあちゃん先生が多かったけれど、その道のプロで、丁寧だがかなり厳しい感じ。サボりなんかは許されない雰囲気。自己紹介が終わると早速勉強やレッスンが開始されたので、名前ぐらいしかわからない。
国の歴史と王家の歴史から始まって、近隣諸国の外国語とマナーを習ったり、ダンスの練習と魔法の練習から近隣諸国との関係の勉強などもあるけれど、まずは王家の一員になる為のプロトコールを叩き込ませることになった。それができないと公の場(婚約の儀)に出られないからね。
「初めからまっさらのライラ様は教えがいがあります」
とみんな意気込んで、まずは必要最小限の教育と立ち振る舞いの教育が開始された。朝から晩までみっちりと。お茶の時間もあるけれど、それもマナーの練習の一環で気を休めることができるのは部屋に帰ったあとぐらい。夕食の時間もカイル様とマナーの先生を交えてなので、リラックスはできない。
それにしても思ってたより大変すぎる!
普通の高位の令嬢が10年ぐらいかけて習得するものを2年で(最低限のラインとはいえ)やり遂げるにはこれぐらいのペースでないといけないらしかった。前世がお金持ちのお嬢様だったおかげでなんとかこなせてるけど!ベッドに入るとあっという間に眠りの彼方だ。
食事の時間はもっぱらカイル様のお話や先生のお話(食べ物に関する王家の歴史などが話される)で終わるから会話疲れはないのだけれど。
コンコンコン、
とドアがノックされる。
入ってきたのは、
「カイル様」
(書類の上では)私の婚約者様だ。だけど同士になったとはいえ夜分のご訪問はどうかと思うのだけれど、
「ライラ、夜分にすまない。これを渡そうと思って」
カイル様の手の中にあったのは桃色のキャンディーの袋。
「王太子妃教育は大変だろう。疲れた時は褒美がいると思ってな」
明らかに王宮で作られたものではない王都のお店で買ってきたような庶民向けのキャンディーだった。
「ほら、試してみろ。気に入らないなら他の味にするから」
キャンディーは優しいイチゴ味。日本に帰ってような懐かしい味がするこのキャンディーは男爵家で私がよく食べていたものだった。
「どうだ?」
「美味しい」
カイル様は私の頭を撫でると
「また明日」
といって開いていたドアを閉めて行ってしまった。
意外と優しい、のかも。
私は優しいキャンディーの味を噛み締めながらその夜眠りについた。
聖女を迎えることになるカイル様は「王太子」になることが決まっているので、私もそれに合わせた教育を施される為だ。
いやー、だからいきなり王宮住まいですか?
王宮にいる方が教育もかなり押し込んで進められるという魂胆もあるのだろう。
男爵家のサロンほど広い個室の部屋には王族らしい豪華な調度が並んでいるけれど、私が使うなんてベットと書き物をする机ぐらいだ。
客室用のお部屋と共に私専属の侍女も付いてきた。男爵家でお世話してくれた侍女は私のお世話以外にもお母様のお世話もあるから連れてはいけないから。
「エレーネでございます。ライラ様、これからよろしくお願い致します」
「私の方こそよろしくね?」
私よりも明らかに身分お高いお家の出身だということは所作でわかった。詳しい事情を聞いてはいないらしいけれど、王家にとって大事なお客様だということはわかっているみたいで、丁寧に接してくれるし、蔑まれている感じは受けない。
お妃教育の先生たちはおじいちゃん、おばあちゃん先生が多かったけれど、その道のプロで、丁寧だがかなり厳しい感じ。サボりなんかは許されない雰囲気。自己紹介が終わると早速勉強やレッスンが開始されたので、名前ぐらいしかわからない。
国の歴史と王家の歴史から始まって、近隣諸国の外国語とマナーを習ったり、ダンスの練習と魔法の練習から近隣諸国との関係の勉強などもあるけれど、まずは王家の一員になる為のプロトコールを叩き込ませることになった。それができないと公の場(婚約の儀)に出られないからね。
「初めからまっさらのライラ様は教えがいがあります」
とみんな意気込んで、まずは必要最小限の教育と立ち振る舞いの教育が開始された。朝から晩までみっちりと。お茶の時間もあるけれど、それもマナーの練習の一環で気を休めることができるのは部屋に帰ったあとぐらい。夕食の時間もカイル様とマナーの先生を交えてなので、リラックスはできない。
それにしても思ってたより大変すぎる!
普通の高位の令嬢が10年ぐらいかけて習得するものを2年で(最低限のラインとはいえ)やり遂げるにはこれぐらいのペースでないといけないらしかった。前世がお金持ちのお嬢様だったおかげでなんとかこなせてるけど!ベッドに入るとあっという間に眠りの彼方だ。
食事の時間はもっぱらカイル様のお話や先生のお話(食べ物に関する王家の歴史などが話される)で終わるから会話疲れはないのだけれど。
コンコンコン、
とドアがノックされる。
入ってきたのは、
「カイル様」
(書類の上では)私の婚約者様だ。だけど同士になったとはいえ夜分のご訪問はどうかと思うのだけれど、
「ライラ、夜分にすまない。これを渡そうと思って」
カイル様の手の中にあったのは桃色のキャンディーの袋。
「王太子妃教育は大変だろう。疲れた時は褒美がいると思ってな」
明らかに王宮で作られたものではない王都のお店で買ってきたような庶民向けのキャンディーだった。
「ほら、試してみろ。気に入らないなら他の味にするから」
キャンディーは優しいイチゴ味。日本に帰ってような懐かしい味がするこのキャンディーは男爵家で私がよく食べていたものだった。
「どうだ?」
「美味しい」
カイル様は私の頭を撫でると
「また明日」
といって開いていたドアを閉めて行ってしまった。
意外と優しい、のかも。
私は優しいキャンディーの味を噛み締めながらその夜眠りについた。
感想 0
あなたにおすすめの小説
過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜
由香過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。
初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。
溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
転生したので推し活をしていたら、推しに溺愛されました。
ラム猫 異世界に転生した|天音《あまね》ことアメリーは、ある日、この世界が前世で熱狂的に遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気が付く。
『煌めく騎士と甘い夜』の攻略対象の一人、騎士団長シオン・アルカス。アメリーは、彼の大ファンだった。彼女は喜びで飛び上がり、推し活と称してこっそりと彼に贈り物をするようになる。
しかしその行為は推しの目につき、彼に興味と執着を抱かれるようになったのだった。正体がばれてからは、あろうことか美しい彼の側でお世話係のような役割を担うことになる。
彼女は推しのためならばと奮闘するが、なぜか彼は彼女に甘い言葉を囁いてくるようになり……。
※この作品は、『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?
ゆきりん私はスミレ・デラウェア。伯爵令嬢だけど秘密がある。長閑なぶどう畑が広がる我がデラウェア領地で自警団に入っているのだ。騎士団に入れないのでコッソリと盗賊から領地を守ってます。
そんな領地に王都から番探しに王子がやって来るらしい。人が集まって来ると盗賊も来るから勘弁して欲しい。
お転婆令嬢が番から逃げ回るお話しです。
愛の花シリーズ第3弾です。
王弟殿下の番様は溺れるほどの愛をそそがれ幸せに…
ましろ見つけた!愛しい私の番。ようやく手に入れることができた私の宝玉。これからは私のすべてで愛し、護り、共に生きよう。
王弟であるコンラート公爵が番を見つけた。
それは片田舎の貴族とは名ばかりの貧乏男爵の娘だった。物語のような幸運を得た少女に人々は賞賛に沸き立っていた。
貧しかった少女は番に愛されそして……え?
モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】
いつきリアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。
陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々
だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い
何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ
追放された地味メイドは、赤い瞳を隠した正統王女でした
ゆきの ひより子爵家に拾われ、
“地味なメイド”として十一年を過ごしてきたユリ。
理由も告げられず追放されたその日、
街道で倒れた彼女を抱き上げたのは――
王家直属の近衛騎士、ジーク・シュヴァルツだった。
「やっと見つけた。ずっと探していた」
その言葉とともに、
ユリの赤い瞳と手首の痣が“王家の証”として光を放つ。
隠されていた正統王女。
恐れていた簒奪王。
震える子爵家。
そして、幼い日に交わした約束を胸に、
ユリを守り続けてきた騎士。
静かな少女が、
王国の光として立ち上がる物語。
異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない
紅子異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。
完結済み。全19話。
毎日00:00に更新します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)