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第33話 まったく突飛な戦術を考えるのが得意ですね、主人様。
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自らを傷つけ、捨て身で、後先考えずに戦う。
それがいつもなのか、ネネカを救う為なのか、それは判然としなかったけれど、この方法をとったのが今初めてではないことくらいは、超接近戦に慣れているという九の字の言葉を思い出せばよくわかる。
スナオもユラも全力で戦っている。
僕もあと三回の突進で、やるべきことをやらなければ。
『でもユラと妖精の華は近すぎます。援護なんてできませんよ』
違うよ、逆だ。
ユラを、僕の援護にする。
『何言って……ああ、そういうことですか。まったく突飛な戦術を考えるのが得意ですね、主人様。ま、主人様自体が突飛なのでこうなってしまうのは章がありませんか』
そう言ってナキは苦笑すると、
『わかりました。コハク様のためですものね。やっちゃってください。あーまた吐き気が』
僕だって我慢してるんだからさ!
『妾、口塞いどきますね。あと、今度から戦闘前にはもの食べないでください』
多分吐くものない方が辛いけど。
覚悟を決める。
僕は背負っていたネネカを道の脇に下ろす。
安全とは言えないけれどここに安全な場所などない。
よし、やるか。
ナキの本体、竜源装の刀を握りしめる。
刀身が光り輝き、僕が、発動する。
ネネカを救い出すときには全力で突進したけれど、それだと行きすぎる。
微調整が必要だ。
『そこら辺は妾にお任せください! 妾はできる武器ですから!』
頼もしい限りだよ。
さっきの一歩よりももう少し短く、そして二度連続で駆け抜ければいい。
まっすぐではダメだ。途中で曲がる必要がある。
ぐっと足に力を込め、第一限《身体強化》で、
前に踏み出す。
身体ははじき出されたように前進して、
一歩目。
僕の身体はユラの右後方、妖精の華が槍を握るのと反対方向に跳ぶ。
妖精の華が槍を構えて、ユラを狙っているのが見える。
この時点で背中に寒気がするほどの吐き気がこみ上げて、第三限の《感覚操作》ならぬ吐き気阻止みたいな力がほしいと切実に思う。
でも跳ぶ。
次の一歩。
僕はユラと妖精の華の間に割り込む。
ただでさえ近いユラと妖精の華の距離ではあるけれど、その距離とはほとんど槍の長さに等しい。
ユラは槍を身体に突き刺すことで止めようとしている。
と言うことは彼女がいるのは当然、槍の間合いの範囲内であり、妖精の華に近いとは言え、身体がつくほど近くはない。
どころか数歩分の余裕さえある。
つまり、間に割り込んでしまえば、近すぎるが故に、槍の間合いから外れる。
ユラを援護にして、僕がそこに身体を滑り込ませる。ユラがいなければ、妖精の華の腕が伸びきった状態で懐に入る、などという芸当は不可能だっただろう。
妖精の華は槍をちょうど突き出したところで、それはユラの肩を抉ってはいるものの突き刺さりはせずに外れている。
伸びきった妖精の華の腕、懐の中、腕を伸ばせば竜源装に手が届く距離。
猛烈な吐き気さえなければ絶好。
魔動歩兵が動く前に、僕は槍に手を伸ばして、
掴む!
「壊れろ!」
叫び、握りつぶすように力を込める。
パキン!
槍に大きな亀裂が入って、先端が折れ、ボロボロと崩れ出す。
僕は最後の力を振り絞って、もう一歩、妖精の華の懐から飛び出した。
最後の一回は脱出用と決めていた。
が、
竜力が足りない!
細々としたことに竜力を使いすぎたのか、僕の身体は跳びだしたはいいものの距離を稼ぐことができず、ほとんどユラの隣に倒れるようにして転がった。
まずい。
まずいまずい!
身体に力が入らない!
最初に真っ赤な魔動歩兵と戦ったときのことが頭に浮かぶ。
竜源弓を破壊した直後も、当然のように動いて攻撃を繰り出してきた魔動歩兵。
妖精の華だってそれは同じはずだ。
案の定、妖精の華は自分の右手から竜源装の槍が崩壊したのを見ると、今度はその腕を槍に変えて、僕に突き刺そうと振りかぶった。
死ぬ!
と思った瞬間、ユラが僕を担ぐようにして跳び退り、間一髪で串刺しを避ける。
「…………竜力の調整くらいして」
「人のこと言えんのか。ユラも後先考えろ」
「…………ん」
とユラは頷いて、僕を担いだまま魔動歩兵を見る。
僕のいた場所に突き刺した黒いツタの槍は、竜の血を吸ったその地面によって溶かされ、ドロドロになり始めているものの、その体も、華自体もまだ赤く、全体が黒に戻るまでは時間がかかりそうだった。
かろうじて腕は黒く染まり、それは胸にまで到達している。僕は歯を食いしばる。
「とどめ刺さないと。早くしないとスナオが――」
と、その瞬間、
僕たちの後方から風を切る高い音を響かせて飛んできた矢が、魔動歩兵の黒く染まった胸を貫く。
パキン、と陶器の割れるような音がして、急所が破壊されたのがわかった。
「妖精の華、討伐!!」
言いながら走ってきたのは他でもない。
ネネカだった。
おいしいところだけ持って行きやがったこいつ!!
お前のせいで皆大変だったんだぞ!!
でもこれで……、
妖精の華が高く耳障りな悲鳴をあげると共鳴するように当たりに悲鳴がこだました。
見ると、社に向かう道にいる全ての魔動歩兵が、悲鳴を上げていた。
本当なんだ。
妖精の華を殺せば、そこから生まれた魔動歩兵は全て枯れる。
次々にバタバタと倒れた魔動歩兵たちは、その場にシミを作るようにして崩れ落ちた。
スナオが崩れ落ちた魔動歩兵を避けて走ってくる。その体は傷だらけではあるけれど、深い傷はほとんど無さそうだった。
「いやあ、お手柄だね、ヒイロ」
「何言ってんの! あたしが倒したのよ。今日だけで討伐数十よ、十。ここに来るまでに一体、妖精の華と道にいた七体の魔動歩兵と、それから降ってきた魔動歩兵で全部で十よ!」
「ネネカのはせいぜい討伐補佐だよ。と言うか横取りじゃん」
スナオが言うと、ネネカはむっとして、
「なによ! 主役のあたしが登場して見事に討伐したでしょ! ふん!」
と言いつつも、口をもごもごと動かすネネカはチラチラと僕たちの方をみて、少しだけ顔を赤くして目をそらし、
「でも感謝してあげるわ! 気を失ってもうだめかと思ったのは本当だから。えっと……あり……あり……ありがとう!」
「…………ネネカぁ!」
ユラがネネカに抱きついたのと、遠くで九の字が声を上げるのが同時だった。
「かっちどきー!!」
その場の守護官たちが竜源装を掲げて応じる。
ドロドロと崩れ落ちた魔動歩兵が当たりに散見される。
妖精の華は本体たる魔動歩兵の急所を貫かれて死したが、しかし、ただの魔動歩兵と違ってその身体を崩すことなくその場に立っている。
色はすでに赤くはないが、黒くもない。
緑がかったそれはまるで本当に植物の華のように見える。
道の向こうから華の蜜を回収する守護官が数人、樽と管のようなものを持って走ってきた。
これで、コハクは目を隠せる。
安堵の息を吐いた、僕は、
完全にその存在を忘れていた。
「ふえええ! やっぱり妖精の華が枯れてるよおおお!」
と、大声が頭上から降ってきて僕たちの前に落ちてくる。
ユンデだった。
――――――――――――――
次回は明日12:00頃更新です。
それがいつもなのか、ネネカを救う為なのか、それは判然としなかったけれど、この方法をとったのが今初めてではないことくらいは、超接近戦に慣れているという九の字の言葉を思い出せばよくわかる。
スナオもユラも全力で戦っている。
僕もあと三回の突進で、やるべきことをやらなければ。
『でもユラと妖精の華は近すぎます。援護なんてできませんよ』
違うよ、逆だ。
ユラを、僕の援護にする。
『何言って……ああ、そういうことですか。まったく突飛な戦術を考えるのが得意ですね、主人様。ま、主人様自体が突飛なのでこうなってしまうのは章がありませんか』
そう言ってナキは苦笑すると、
『わかりました。コハク様のためですものね。やっちゃってください。あーまた吐き気が』
僕だって我慢してるんだからさ!
『妾、口塞いどきますね。あと、今度から戦闘前にはもの食べないでください』
多分吐くものない方が辛いけど。
覚悟を決める。
僕は背負っていたネネカを道の脇に下ろす。
安全とは言えないけれどここに安全な場所などない。
よし、やるか。
ナキの本体、竜源装の刀を握りしめる。
刀身が光り輝き、僕が、発動する。
ネネカを救い出すときには全力で突進したけれど、それだと行きすぎる。
微調整が必要だ。
『そこら辺は妾にお任せください! 妾はできる武器ですから!』
頼もしい限りだよ。
さっきの一歩よりももう少し短く、そして二度連続で駆け抜ければいい。
まっすぐではダメだ。途中で曲がる必要がある。
ぐっと足に力を込め、第一限《身体強化》で、
前に踏み出す。
身体ははじき出されたように前進して、
一歩目。
僕の身体はユラの右後方、妖精の華が槍を握るのと反対方向に跳ぶ。
妖精の華が槍を構えて、ユラを狙っているのが見える。
この時点で背中に寒気がするほどの吐き気がこみ上げて、第三限の《感覚操作》ならぬ吐き気阻止みたいな力がほしいと切実に思う。
でも跳ぶ。
次の一歩。
僕はユラと妖精の華の間に割り込む。
ただでさえ近いユラと妖精の華の距離ではあるけれど、その距離とはほとんど槍の長さに等しい。
ユラは槍を身体に突き刺すことで止めようとしている。
と言うことは彼女がいるのは当然、槍の間合いの範囲内であり、妖精の華に近いとは言え、身体がつくほど近くはない。
どころか数歩分の余裕さえある。
つまり、間に割り込んでしまえば、近すぎるが故に、槍の間合いから外れる。
ユラを援護にして、僕がそこに身体を滑り込ませる。ユラがいなければ、妖精の華の腕が伸びきった状態で懐に入る、などという芸当は不可能だっただろう。
妖精の華は槍をちょうど突き出したところで、それはユラの肩を抉ってはいるものの突き刺さりはせずに外れている。
伸びきった妖精の華の腕、懐の中、腕を伸ばせば竜源装に手が届く距離。
猛烈な吐き気さえなければ絶好。
魔動歩兵が動く前に、僕は槍に手を伸ばして、
掴む!
「壊れろ!」
叫び、握りつぶすように力を込める。
パキン!
槍に大きな亀裂が入って、先端が折れ、ボロボロと崩れ出す。
僕は最後の力を振り絞って、もう一歩、妖精の華の懐から飛び出した。
最後の一回は脱出用と決めていた。
が、
竜力が足りない!
細々としたことに竜力を使いすぎたのか、僕の身体は跳びだしたはいいものの距離を稼ぐことができず、ほとんどユラの隣に倒れるようにして転がった。
まずい。
まずいまずい!
身体に力が入らない!
最初に真っ赤な魔動歩兵と戦ったときのことが頭に浮かぶ。
竜源弓を破壊した直後も、当然のように動いて攻撃を繰り出してきた魔動歩兵。
妖精の華だってそれは同じはずだ。
案の定、妖精の華は自分の右手から竜源装の槍が崩壊したのを見ると、今度はその腕を槍に変えて、僕に突き刺そうと振りかぶった。
死ぬ!
と思った瞬間、ユラが僕を担ぐようにして跳び退り、間一髪で串刺しを避ける。
「…………竜力の調整くらいして」
「人のこと言えんのか。ユラも後先考えろ」
「…………ん」
とユラは頷いて、僕を担いだまま魔動歩兵を見る。
僕のいた場所に突き刺した黒いツタの槍は、竜の血を吸ったその地面によって溶かされ、ドロドロになり始めているものの、その体も、華自体もまだ赤く、全体が黒に戻るまでは時間がかかりそうだった。
かろうじて腕は黒く染まり、それは胸にまで到達している。僕は歯を食いしばる。
「とどめ刺さないと。早くしないとスナオが――」
と、その瞬間、
僕たちの後方から風を切る高い音を響かせて飛んできた矢が、魔動歩兵の黒く染まった胸を貫く。
パキン、と陶器の割れるような音がして、急所が破壊されたのがわかった。
「妖精の華、討伐!!」
言いながら走ってきたのは他でもない。
ネネカだった。
おいしいところだけ持って行きやがったこいつ!!
お前のせいで皆大変だったんだぞ!!
でもこれで……、
妖精の華が高く耳障りな悲鳴をあげると共鳴するように当たりに悲鳴がこだました。
見ると、社に向かう道にいる全ての魔動歩兵が、悲鳴を上げていた。
本当なんだ。
妖精の華を殺せば、そこから生まれた魔動歩兵は全て枯れる。
次々にバタバタと倒れた魔動歩兵たちは、その場にシミを作るようにして崩れ落ちた。
スナオが崩れ落ちた魔動歩兵を避けて走ってくる。その体は傷だらけではあるけれど、深い傷はほとんど無さそうだった。
「いやあ、お手柄だね、ヒイロ」
「何言ってんの! あたしが倒したのよ。今日だけで討伐数十よ、十。ここに来るまでに一体、妖精の華と道にいた七体の魔動歩兵と、それから降ってきた魔動歩兵で全部で十よ!」
「ネネカのはせいぜい討伐補佐だよ。と言うか横取りじゃん」
スナオが言うと、ネネカはむっとして、
「なによ! 主役のあたしが登場して見事に討伐したでしょ! ふん!」
と言いつつも、口をもごもごと動かすネネカはチラチラと僕たちの方をみて、少しだけ顔を赤くして目をそらし、
「でも感謝してあげるわ! 気を失ってもうだめかと思ったのは本当だから。えっと……あり……あり……ありがとう!」
「…………ネネカぁ!」
ユラがネネカに抱きついたのと、遠くで九の字が声を上げるのが同時だった。
「かっちどきー!!」
その場の守護官たちが竜源装を掲げて応じる。
ドロドロと崩れ落ちた魔動歩兵が当たりに散見される。
妖精の華は本体たる魔動歩兵の急所を貫かれて死したが、しかし、ただの魔動歩兵と違ってその身体を崩すことなくその場に立っている。
色はすでに赤くはないが、黒くもない。
緑がかったそれはまるで本当に植物の華のように見える。
道の向こうから華の蜜を回収する守護官が数人、樽と管のようなものを持って走ってきた。
これで、コハクは目を隠せる。
安堵の息を吐いた、僕は、
完全にその存在を忘れていた。
「ふえええ! やっぱり妖精の華が枯れてるよおおお!」
と、大声が頭上から降ってきて僕たちの前に落ちてくる。
ユンデだった。
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次回は明日12:00頃更新です。
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