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農協の幸せは世界の幸せ 後編
「はあ? いいえ!全然!全く!爪の先ほども!好きではありませ……いえ、好きだった事はありませんわ。何故そう思いましたの?」
僕も部長もそこが知りたい!、とドアに身を寄せる。
「あの……手作りのプレゼントを贈られてたので……」
「プレゼント? 部長にですか?」
そんな事あったっけ? 部長も心当たりが無いようだ。
「手作りの……匂い袋を」
「あーーーっ!」
ミモザも僕も部長も思い出した。
「違うの! あれは、あの中身はキウイの茎の粉なの!」
キウイの茎はマタタビと同じ成分なので、猫にはたまらないらしい。
「じやあ、部長に与えたら大人しくなるんじゃない?」
そういう部員たちのふざけた実験で、皆でキウイの茎の粉を作り、ミモザが袋を縫って匂い袋を作ったのだ。
部長はそれを略して「ミモザが作った匂い袋をくれた」と言ったのだろう。略し過ぎだ!
「ごめんなさい。メラニー様に誤解されるなんて思わなくて。浅慮でしたわ。男子部員から渡すべきでした」
「い、いえ! 私ったら恥ずかしい……」
部長は、自分がメラニー嬢に焼き餅を焼かれてたと知って
「人間にマタタビが効くわけ無いのに、ミモザも残念な奴だな!」
と、上機嫌だ。本当、人間で残念です。
「ミモザ様がお綺麗だから、私ったらつい……」
「ありがとうございます。でも、普段の私は『お綺麗』から程遠いんですのよ」
うんうんと頷く部長の後ろ頭にチョップを入れる。
「メラニー様は可愛らしいですわ」
「家族やウォルター様は私を可愛いと言ってくださいますが、私は……一般的に言って醜女ですわ」
「一般的!」
部長との会話ではついぞ聞いた事がない単語に、ミモザは驚いたようだ。
「……そういう所が可愛らしいのだと思いますわ」
うん。部長には無い美点だ。
社交辞令と思ってるメラニー嬢に続けて言う。
「メラニー様、恋に『一般的』はありませんのよ。もし、『ウォルターは一般的に空気を読まない自己中なマイペース男で迷惑を掛けられるから結婚はやめなさい』と言われたら彼と別れます?」
「いいえ! ウォルター様は素敵な方です!」
あ、部長がぱあぁっと周りに花吹雪が舞っているような笑顔になった。
「そうでしょう? 私だってセージ様はそういう方ですわ」
ぽぽぽぽぽん!と、僕の周りで花が咲く音が聞こえた気がした。
「しかし、やたら具体的な例を上げてたな。誰を思い描いてたんだろう?」
と、言ってる部長と共に部屋に戻る。
僕たちのにやけた表情で、ミモザは会話を聞かれていたのを察したようだ。
ミモザのどうしたらいいかわからない時の怒り照れ笑いに、ついニコニコしてしまう。
「……何ですか」
「卒業の時、もうミモザの怒り照れ笑いが見られないんだなぁと思っていたから、何か嬉しくて」
見る見るうちにミモザが赤くなった。
両手を口に当てて、尊い物を見るようなキラキラお目目のメラニー様。
目を丸くして珍獣を見るような部長。もう一発チョップをくらわせますよ。
カフェの前で部長たちと別れる。
「セージは王都にタウンハウスは無いんだよな。久しぶりにうちに泊まらないか?」
と言った部長の後ろ頭を、メラニー嬢がポコっと叩く。キックラビット化してませんか?
「早く結婚して王都に住めよ!」
と言う声が聞こえた気がするが、嫌な予感がするので聞こえなかった事にしよう。
僕も部長もそこが知りたい!、とドアに身を寄せる。
「あの……手作りのプレゼントを贈られてたので……」
「プレゼント? 部長にですか?」
そんな事あったっけ? 部長も心当たりが無いようだ。
「手作りの……匂い袋を」
「あーーーっ!」
ミモザも僕も部長も思い出した。
「違うの! あれは、あの中身はキウイの茎の粉なの!」
キウイの茎はマタタビと同じ成分なので、猫にはたまらないらしい。
「じやあ、部長に与えたら大人しくなるんじゃない?」
そういう部員たちのふざけた実験で、皆でキウイの茎の粉を作り、ミモザが袋を縫って匂い袋を作ったのだ。
部長はそれを略して「ミモザが作った匂い袋をくれた」と言ったのだろう。略し過ぎだ!
「ごめんなさい。メラニー様に誤解されるなんて思わなくて。浅慮でしたわ。男子部員から渡すべきでした」
「い、いえ! 私ったら恥ずかしい……」
部長は、自分がメラニー嬢に焼き餅を焼かれてたと知って
「人間にマタタビが効くわけ無いのに、ミモザも残念な奴だな!」
と、上機嫌だ。本当、人間で残念です。
「ミモザ様がお綺麗だから、私ったらつい……」
「ありがとうございます。でも、普段の私は『お綺麗』から程遠いんですのよ」
うんうんと頷く部長の後ろ頭にチョップを入れる。
「メラニー様は可愛らしいですわ」
「家族やウォルター様は私を可愛いと言ってくださいますが、私は……一般的に言って醜女ですわ」
「一般的!」
部長との会話ではついぞ聞いた事がない単語に、ミモザは驚いたようだ。
「……そういう所が可愛らしいのだと思いますわ」
うん。部長には無い美点だ。
社交辞令と思ってるメラニー嬢に続けて言う。
「メラニー様、恋に『一般的』はありませんのよ。もし、『ウォルターは一般的に空気を読まない自己中なマイペース男で迷惑を掛けられるから結婚はやめなさい』と言われたら彼と別れます?」
「いいえ! ウォルター様は素敵な方です!」
あ、部長がぱあぁっと周りに花吹雪が舞っているような笑顔になった。
「そうでしょう? 私だってセージ様はそういう方ですわ」
ぽぽぽぽぽん!と、僕の周りで花が咲く音が聞こえた気がした。
「しかし、やたら具体的な例を上げてたな。誰を思い描いてたんだろう?」
と、言ってる部長と共に部屋に戻る。
僕たちのにやけた表情で、ミモザは会話を聞かれていたのを察したようだ。
ミモザのどうしたらいいかわからない時の怒り照れ笑いに、ついニコニコしてしまう。
「……何ですか」
「卒業の時、もうミモザの怒り照れ笑いが見られないんだなぁと思っていたから、何か嬉しくて」
見る見るうちにミモザが赤くなった。
両手を口に当てて、尊い物を見るようなキラキラお目目のメラニー様。
目を丸くして珍獣を見るような部長。もう一発チョップをくらわせますよ。
カフェの前で部長たちと別れる。
「セージは王都にタウンハウスは無いんだよな。久しぶりにうちに泊まらないか?」
と言った部長の後ろ頭を、メラニー嬢がポコっと叩く。キックラビット化してませんか?
「早く結婚して王都に住めよ!」
と言う声が聞こえた気がするが、嫌な予感がするので聞こえなかった事にしよう。
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