悪役令嬢を極めましょう

あんど もあ

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「珍しいなラザール。お前が執務中の私に会いたいとは」
 ここは王宮。強引に国王の執務室に押し入り、部屋にいる人たちに目もくれずにずんずんと一番奥で執務をしている父へ向かった私に、父上がペンを置いて私に向き合ってくれる。

「緊急です。ベロニカとフラワーが魔獣討伐に派遣されたと聞きました」
 学園長から聞いてどれだけ驚いたか。

「ああ、西の森で複数の魔獣が目撃されたので行ってもらった。魔導馬車の使用を許可したので、もう着いているはずだ」
「なぜ、そんな危険な所に魔獣討伐などやった事の無い学生を行かせたのです」
「学生と言っても、国一番の攻撃的聖魔力の持ち主と、それと対等に戦える水魔法の術者だ。十分に討伐に行けるレベルだと、王立学園の学園長も教師たちも太鼓判を押したぞ」
「魔術のレベルが高くても、彼女たちは騎士ではなく素人です。いきなり複数の魔獣を討伐とは」
 何故そんな残酷な判断ができる。

「ベロニカたちには、予め協力を打診していた。徐々に討伐に慣れてもらう予定だったのだが……、緊急事態だ。待っていては民に被害が出る」
 民のため。そう言われると何も言えなくなる。

「同行したのは騎士団でも魔獣討伐に長けている黒薔薇隊だ。それにプラスしてベロニカとフラワー。我が国で今、最も堅固けんごな布陣だ。安心しろ」

「ベロニカが怪我をしたらどうするんです!」
 安心などできるか! 両手を力一杯机に叩きつけた。
 あまりに不敬な態度と私の大声に、部屋中の人の目が集まる。

 私をとがめる周りの目と反対に、父は笑みを浮かべていた。

「……お前にも、国より大切な人ができたか」
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