使い捨て聖女の反乱

あんど もあ

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後編

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 それから少しだけ経った頃、私は中央神殿の同僚の親戚の嫁ぎ先の田舎の大きな農家で使用人として働いていた。
 こちらのお宅には「お客扱いにしたい」と言われたのだが、もし陛下が私を探してたら「お客」より「住人」の方が目を引かないと思って働かせてくれるよう頼んだのだ。

 陛下が私に「出ていけ」と言ったんだからどこにいても問題無いはずだけど、自分が言ったことに責任を取らないのがあの人たちだからなぁ…。

 私は、「家が貧乏なので教会に預けられたが、年頃になったので還俗げんぞくした遠縁の娘」と周りに紹介してもらった。
 実家には「安全な場所にいる」とだけ伝えてある。

 そんなわけで農業にいそしむ日々になったのだが、元々聖女も力仕事みたいなものだから、くわを振って畑を耕すのも、収穫物を担いで行って川で洗うのも、中腰での草むしりも、しんどいけれど楽しくやっている。

 最近、周りの子供たちが「いじわるな王様」の歌を歌ってる。王都では今ごろ第二弾の♪十二人の貴族神官いつになったら浄化できるの? あれあれおやおやどうしたの~?、が流行しているだろう。ちなみに本当は八人しかいないのだが、嘘・大げさ・紛らわしいで水増ししておいた。十二人分の仕事を期待されやがれ。



 今日、一日遅れで届く王都新聞に、国王が「なかなか城の浄化が進まないが、隣国が神官を派遣してくれる事になったのでもう安心だ!」と発表したと書いてあるのを読んだ。本気で隣国が神官だけを派遣すると思ってるのだとしたら、おめでたい人だ……。

 「浄化」と言って自称神官たちが城に入れば、簡単に城を占拠できてしまうと思いつかないの?

「王都に戻るかい?」
と、屋敷の旦那さんに聞かれたが、もうしばらく置いてくれるようにお願いした。
 今、「国王に虐待された聖女」が王都に現れれば反王家の運動に勢いが増すのは分かっているが、どっちみち王家の先は短かそうだし。


 何より、私はここで学ばなくてはならない事がある……それは、恋愛スキル!

 私の恋愛スキルが地の底レベルだと気付いたのは、他の使用人たちと話している時に
「そういえば、この屋敷ってお客が多いですね」
と何気なく言った事からだった。

「はあ? 皆あなた目当てで来てるのに気付いてなかったの? 若くて可愛くて働き者で教会育ちだからスレてない女の子が来たって、近郷近在に知れ渡ってるのよ」
 わ、私目当て?! ってか何ですかその評判!

「道理でアプローチされてもかわしてると思った」
 いつどこでアプローチされてたんですか私?!

「容赦なくフラグを折ってるな~と思ってたよ」
 お、折っちゃってたんですか?! フラグが何か分からないけどもったいない!



 師匠と仰ぐ先輩たちの指導の元、私が素敵なダーリンをゲットするための修行が始まった。

 私の恋愛スキル向上の道は始まったばかりだ!
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